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07月19日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2022-07-19
    07月19日-一般質問-04号


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    最終取得日: 2023-06-14
    令和 4年  6月定例会 本会議令和4年7月19日(火曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 第96号議案第2 請願第3号第3 陳情第18号から第28号まで第4 県政に対する一般質問第5 新潟県議会議員定数問題等協議会の解消本日の会議に付した案件 日程第1  第96号議案 人事委員会委員の選任について 日程第2  第3号 新潟地方最低賃金改定等に関する請願 日程第3  第18号 児童相談所における子どもの人権を尊重する改善策の早期実施を求める意見書提出に関する陳情  第19号 女性トイレの維持及びその安心安全の確保を求める意見書提出に関する陳情  第20号 国民の祝日「海の日」を7月20日に固定化することを求める意見書提出に関する陳情  第21号 対外的情報省の設立を求める意見書提出に関する陳情  第22号 後期高齢者の医療費窓口負担の2割化中止を求める意見書提出に関する陳情  第23号 沖縄を「捨て石」にしない安全保障政策を求める意見書提出に関する陳情  第24号 中国共産党による臓器収奪の即時停止ならびに人権状況の改善を求める意見書提出に関する陳情  第25号 新型コロナウイルス感染症の広報に関する陳情  第26号 新型コロナウイルスワクチン接種の有無による差別や偏見を禁止する取り組みに関する陳情  第27号 マスク着用・非着用による差別や誹謗中傷を無くす取り組みに関する陳情  第28号 新型コロナウイルスワクチンの接種後の「副反応を疑う症状に対する相談・医療体制」がしっかりと機能する      ための副反応情報のとりまとめとセーフティネットの構築を求めることに関する陳情 日程第4 県政に対する一般質問(桜庭節子君、与口善之君、保坂裕一君、高見美加君、市村浩二君、佐藤久雄君) 日程第5 新潟県議会議員定数問題等協議会の解消   ――――――――☆――――――――出席議員(49名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  高 見 美 加 君  保 坂 裕 一 君          与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君  中 村 康 司 君          松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君  宮 崎 悦 男 君          青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君  冨 樫 一 成 君          楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君  佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君          岩 村 良 一 君  尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君          帆 苅 謙 治 君  渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  樋 口 秀 敏 君          小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  上 杉 知 之 君  大 渕   健 君          長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君  重 川 隆 広 君          秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君  市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君          遠 藤 玲 子 君  星 野 伊佐夫 君  青 木 太一郎 君  佐 藤 浩 雄 君          小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君  飯 野   晋 君          堀   勝 重 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          橋本憲次郎 君  知事政策局長       森永 正幸 君  総務部長         小岩 徹郎 君  環境局長         玉木有紀子 君  防災局長         原  直人 君  福祉保健部長       松本 晴樹 君  産業労働部長       金井 健一 君  観光文化スポーツ部長   妹尾 浩志 君  農林水産部長       小幡 浩之 君  農地部長         登り 俊也 君  土木部長         金子 法泰 君  交通政策局長       佐瀬 浩市 君  会計管理者兼出納局長   太田 勇二 君  病院局長         山﨑  理 君  企業局長         樺澤  尚 君  教育長          佐野 哲郎 君  人事委員会事務局長    遠山  隆 君  警察本部長        村田 達哉 君  労働委員会事務局長    須貝 幸子 君  監査委員事務局長     山田富美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(佐藤純君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △議席の変更報告 ○議長(佐藤純君) 御報告いたします。 池田千賀子君ほか1名の議席を新潟県議会会議規則第3条第2項の規定により、議長において諸君のお手元に配付の議席表のとおり変更いたしました。御了承願います。   〔議席表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第96号議案 ○議長(佐藤純君) 日程第1、第96号議案を議題といたします。 提出者の説明を求めます。花角知事。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) ただいま上程されました第96号議案は、人事に関する案件でありまして、人事委員会委員の選任についてお諮りしたものであります。 よろしく御審議の上、同意を賜りますようお願い申し上げます。 ◆中村康司君 ただいま議題となっております第96号議案は、人事案件でありますので、委員会の審査を省略し、直ちに採決することを望みます。 ○議長(佐藤純君) 中村康司君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。 これより第96号議案、人事委員会委員の選任についてを採決いたします。 本案に同意するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕 ○議長(佐藤純君) 総員起立。よって、本案は同意いたしました。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第3号  日程第3 陳情第18号から第28号まで ○議長(佐藤純君) 日程第2、請願第3号及び日程第3、陳情第18号から第28号までを一括して議題といたします。 お諮りいたします。 請願第3号及び陳情第18号から第28号までは、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、各部門の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第4 県政に対する一般質問 ○議長(佐藤純君) 日程第4、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、桜庭節子君の発言を許します。桜庭節子君。   〔桜庭節子君登壇〕(拍手) ◆桜庭節子君 皆様、おはようございます。自由民主党の桜庭節子でございます。 今年の県議会6月定例会は、1か月遅れで始まりましたが、知事選挙、参議院議員選挙と新潟県にとって重要な選挙が続いたことを配慮しての延期であったかと思います。 両選挙ともに、各陣営は大変な熱量で選挙戦に臨みました。自らの信念に基づいて、ベストと考える政策を進めていくために、正面から正々堂々と論陣を張って戦うことは民主主義国家の政治運営の基本であります。その意味で、私も今期の選挙戦の中でたくさんのことを学ぶことができたと感謝しております。 そして、選挙戦の最終盤に安倍晋三元総理大臣が銃撃に倒れられました。令和4年は、決して消すことができない痛ましい体験の年として、私たちの心にいつまでも残ることでしょう。政治信条にかかわらず我々は皆、人の命をこのように簡単に奪うことは絶対に許されないと思っております。理不尽な事件の真相解明を進めていただくとともに、この国の安全を守るためにしっかりとした対策を講じていただきたいと思います。安倍晋三元総理大臣の御冥福を心からお祈りいたします。 それでは、新潟県民の暮らしを守る県議会の一般質問に移ります。 去る5月29日に見事な成績で再選を決められた花角知事でございますが、直後から精力的に県政運営に取り組まれていることに敬意を表しますとともに、住んでよし、訪れてよしの新潟県実現のために知事の2期目の活躍に期待いたすところでございます。 早速でありますが、まずは先日改定されました新潟県総合計画に絡めまして、知事の公約について何点かお伺いしたいと思います。 知事は、公約の第1番に選ばれる新潟県の実現を掲げられました。人口減少の著しい我が県においては、自然減・社会減の両面からの対策が重要でありますが、まずは若者層がこの地域を働く場として、また長く住みたい地域として選んでくれることが肝要です。そして、その実現に向けては、若年層の雇用創出に貢献するであろうIT関連企業の誘致は大変重要であると考えます。 本県におきましては、これまでも果敢に誘致に向けた努力をしてきたところではございますが、全国でもおのおのの自治体がしのぎを削って誘致に向けた努力をしております。 新潟県が今後さらなる誘致促進に向けて、本県の持つ立地の優位性をどうアピールしていくのか、知事の所見を伺います。 また、新潟県には地元に密着した魅力ある地場産業も多くございます。若い経営者の努力で世界に進出を果たしている幾多の企業を見ると、新潟には磨きをかけて発展させていく可能性を持っている企業がまだまだたくさんあると確信いたします。 成功する企業を育てていくためには、スムーズな事業承継や労働力確保が課題であると考えますが、職種によっては大変厳しい現実があると承知しています。 事業承継や労働力の確保に関して、県としてどのように県内企業を支援していくのか、方針を伺います。 働く世代の人口減少に伴い、我が国でも多くの外国人労働者が働き手として活躍しています。一方で、先週の一般質問にもあったとおり、近年、受入れ事業体側外国人労働者の間でトラブルを抱えるという事態もニュース等で報道されています。 日本で働くことで母国の家族を支えたい、将来のために日本で技術を習得したいというような高い期待を持って我が国を選んだ外国人労働者が不当な環境下で働かされたり、言語や生活習慣の違いなどの人種間の問題が原因で、事業主や同僚に差別的な扱いを受けて苦しむようなことがあってはなりません。 今般のコロナ禍が収束した後には、外国人労働者の受入れがさらに増加すると見込まれますことから、受け入れる企業側と外国人労働者の双方をサポートする環境整備が必要と考えますが、知事の所見を伺います。 県はこれまでも県内企業のワーク・ライフ・バランス向上に向け、取り組んできたと承知しています。 先日、県庁に向けて運転しているときに、ラジオから、働き方改革に積極的に取り組んでいる三条市では、市職員の男性育休取得率を大幅に上昇させたという三条市長のお話が耳に飛び込んできました。番組では、実際に育休を取得した男性職員がインタビューを受けていて、妻にも大変喜ばれ、職場復帰した自分も働く意欲が増しているという報告でした。 こうした他の先行事例等も踏まえ、今後どのように県内企業のワーク・ライフ・バランス向上に向けて取り組んでいくのか、方針を伺います。 全国的にも適齢期の男女がなかなか結婚しない、婚姻率の低下が懸念されているところであります。新潟県も年々低下し続けておりますが、県内の婚姻率の低下は、若年層の女性が新潟県から首都圏等へ流出していることが大きな原因だと推察されます。 新潟県の発展のためには、政策に若い女性たちに選ばれる新潟という観点が重要であると考えますが、そのためにどのような施策を重点的に実践していくのか、知事の所見を伺います。 県はこれまで起業・創業への支援を強化するに当たり、伴走型で、よりきめ細かい視点からの支援を整える方針を示してきたと評価しております。 本年4月に改定された新潟県総合計画では、成果指標の最終目標として、新たにJ-StartupNIIGATA選定企業の株式上場3社と定めたところでありますが、目標達成に向けた県の取組及び手応えについて伺います。 次に、知事の第2の公約であるデジタル化の推進に関して伺います。 知事は、既に僻地における持続可能な医療体制の維持のためにオンライン診療導入への支援を国に要望されました。医療現場でのデジタル化は、医師らの負担を軽減して患者に向き合う時間を増やしていくという点で大変重要であります。 県内でもデジタル化により、医師のカルテ記入作業の負担を解消したクリニックもあることを一般質問でも取り上げましたが、こうしたデジタル化の取組は県立病院においてもさらに進めていただきたいと考えますが、所見を伺います。 先日、県民所得アップ対策特別委員会で、ある県内建設企業を視察いたしました。そこでは、デジタル技術を駆使した取組を積極的に推進した結果、生産性向上により従業員の労働時間が半分以下となるなど、人的資源の有効活用が可能となったようであります。結果として、人材確保が課題となっている業界でありながら、求人には多くの人が応募してくるという好循環が生まれたそうであります。 今後、県としてもこのような企業のデジタル技術開発を積極的に支援する必要があると考えますが、どのような方針で取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 今後、産業界全体のデジタル化を進めるには、デジタル人材確保が大きな課題であります。この課題は、国においても、もっと強力に進めるべきと言われて久しいわけでありますが、残念ながら対処が遅れている現状だと認識しています。 我が県におきましても、県内企業におけるデジタル人材確保のための取組を支援していく必要があると考えますが、県としてどのような方針で取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 また、県内のデジタル人材確保のためには、県内の各大学によるデジタル教育の推進も重要と考えます。一般的に日本の教育カリキュラムは、企業が求める実務力や即戦力のある人材を育てる内容が少ないという批判も耳にします。 今後も県として、県内の各大学と連携し、大学によるデジタル教育の取組を一層支援していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、女性活躍についてお聞きします。 国や地方自治体が推進する女性活躍は、超高齢化、人口減少社会に突入した日本の未来にとって重要な課題と認識しています。ここでいう女性の活躍というのは、女性が仕事や社会での役割を自ら選択でき、その活動に対してふさわしい評価を受けることという意味だと考えております。働く人が公平に活躍する場を与えられ、公平な評価を受ける環境を整えることは、男女の関係なく大変重要なことだと感じていますので、ぜひとも推進していただきたいことでございます。 しかし一方で、何でも押しなべて男女平等に、という言葉を当てはめることに、私は大変な違和感を覚えております。ジェンダーフリーの教育や活動も、その真の意義を理解しないと、行き過ぎたものに発展しかねません。 数年前にアメリカの下院議長が、今後はお父さん、お母さんと呼ばずに親と呼び、お兄さん、お姉さんと呼ばずに兄弟と呼びましょう。おじさん、おばさんもやめて、親族と呼びましょうと、男性、女性を区別する用語を一切使わないようにしようと議会で呼びかけたそうですが、私には到底理解できない、愚かとも思える発言であります。 とある本に、これはたしか同和教育の一環だったと思いますが、同じく扱うことが平等なのではなく、それぞれに必要なものを補って同じように生きられる環境を整えることが平等だという趣旨の記述があり、私もこの解釈に賛成いたします。 本県は、新潟県男女平等推進プランを策定して取組を進めていますが、本プランにうたった平等とは何か、知事の所見を伺います。 女性が、自分はこうありたいと思った姿に向けて努力することを助けることが、本当の女性活躍支援であると考えます。今の社会風潮は、仕事を持ち、社会的に高い地位に上った女性だけをロールモデルとしてみなしがちであります。もちろん私も女性議員が増加することを願い、活動してまいりましたし、女性が起業したり管理職として活躍する姿を全面的に応援しております。しかし、女性たちが皆同じような生き方を望んでいるわけでもありません。例えば共稼ぎせずとも何とか家計が成り立つ人が、一定の期間は家庭にいて主婦業に専念することを希望するのであれば、それを支援するのもまた女性活躍支援であります。 私の友人のある看護師の女性が、出産直後数年間は仕事を離れて、子供と家事に専念しておられました。生活は少し厳しかったけれども、この数年間が何にも代え難い貴重な子供たちとのつながりを持てた期間だったと話しておられたのが印象的でした。もちろんその後、彼女が直ちに職場復帰できたことが重要な点であることも含めての見解でございます。 県として女性活躍支援の施策を進めるに当たり、このような多様性を許容する視点を忘れてはならないと考えますが、知事の見解を伺います。 次に、新潟県の農業政策に関して、にいがたAFFリーディングプランを参考に質問いたします。 過去3年間に新型コロナウイルス感染症ウクライナ戦争という非常事態を続けて体験した私たちは、自分たちの生活に必要なものは自分たちで生産する、いわゆる自給自足を実現することがいかに大切かを身にしみて実感いたしました。ワクチンもない、薬もない、マスクもないという驚きから始まり、実にたくさんの物品が日本ではもう生産されていないことを知りました。部品の一部が供給されなくなり、車の生産が今でも遅れている、こうした事態も物価を押し上げている要因の一つです。 日本の食料自給率の低さを、実は今まで、さほど深刻に捉えていなかった私でありましたが、今回ばかりはその考えがいかに甘かったかを痛感いたしました。一国の安全保障というのは国防力の問題だけではない、医療分野、エネルギー分野、食料分野など、全ての分野において一定の自給率を保てるような体制を整えることが、大変重要であると実感いたしました。 そこで、県民・国民に食料を供給する重要な立場にある本県農林業の今後についてお聞きいたします。 このたびのウクライナ情勢の悪化による物価高騰の影響で農林業者も大変な打撃を受けております。既に我が党の代表質問や先日の議員諸氏の質疑で明らかにされましたが、そうした中で生産者を守るための種々の施策の一部は既に6月補正で実施され、または本定例会にかけられて実施される予定でございます。国の予算を活用した速やかで切れ目のない支援をお願いいたします。 特に、本日は、米王国の本県でありますので、新潟米に関しての数点の情報をお聞きいたします。 近年、本県の魚沼産コシヒカリなどブランド米の一部について、首都圏での人気が高く、なかなか消費者の手に入りにくいという声を聞きますが、新潟米の首都圏での評価について伺います。 また、新潟米の輸出実績は輸出量・金額ともに拡大傾向にあると承知していますが、海外における新潟産米の認知度や需要は拡大しているのでしょうか、現状を伺います。 食料自給率向上の大きな流れの中で、今後は本県における園芸の拡大が大きな課題であります。県では令和元年に新潟県園芸振興基本戦略を策定したと承知していますが、これまでの実績と今後の取組方針について伺います。 次に、畜産に関して伺います。 にいがたAFFリーディングプランに記載があるとおり、にいがた和牛は出荷頭数が少なく認知度が低いという課題があります。そこで、今後、にいがた和牛のブランド構築に向けた取組を積極的に進めていくことが必要であると考えますが、所見を伺います。 日本では昔から農業者を指して百姓という言葉がありますが、農業者は100の生業を持つ、もしくは100の技術を持つというふうに考えられたからではないでしょうか。それくらいたくさんの知恵を持ち、たくさんの仕事をこなしながら生計を立ててきたということだと思います。特に中山間地域においては、米を作り、畑を耕し、裏山の森林を管理してというように、農業者はその得意技を組み合わせて使いながら諸々の収入を得ることで初めて生活ができたと考えます。 今後の中山間地域農業を支える可能性としての観点から、また本県の地域資源を有効に活用する観点から、バイオマス発電における間伐材等の活用を今後も推進していく必要があると考えます。 本県の間伐材等のバイオマス発電における利用率は上昇傾向にあると承知していますが、今後さらに間伐材等の森林資源の活用を進めていく上での課題をどのように認識しているかを伺います。 また、新型コロナウイルス感染症収束後は、本県へのグリーン・ツーリズムツアーへの参加者が再び増加に転じると考えます。今後は、当県の魅力を生かした商品づくりが必要であると考えますが、本県におけるグリーン・ツーリズムの強みをどのように考えているのか伺うとともに、今後の誘客方針について伺います。 昨年の6月定例会で私は、菌床栽培シイタケの原産地表示に関して、国に要望すべきとの質問を行いました。県ではその後の対応として、キノコ生産者側へのアンケートを実施したと聞いていますが、その結果を踏まえ、どのように国へ働きかけたのかを伺います。 また、そうした活動の結果、現状ではどのように変わったのかを伺います。 菌床シイタケの価格低迷や市場競争の激化などがキノコ生産者の不安材料であると認識しています。このように経営を取り巻く環境は厳しいわけでありますが、本県のキノコ生産の振興に向けて今後はどのような方針で取り組んでいくのか、知事に伺います。 次に、新潟県の教育政策に関して幾つか質問いたします。 教員の成り手不足等の理由もあり、国の指導などにもかかわらず教員の多忙化がいまだ深刻な状況にあります。そのような中でも、遠隔授業の活用で教員の多忙化が解消される可能性があります。例えば、スーパーティーチャーのような特定の分野の指導に秀でた教員の授業を遠隔授業として公開することにより、生徒へ質の高い授業を提供しつつ、同時に現場の教員負担を軽減することができます。 このような提案が過去においてもありましたが、デジタル化の推進という観点からも、このような遠隔授業の活用を今後行うべきと考えますが、改めて教育長の所見を伺います。 不登校の児童生徒の教育機会の確保のため、フリースクールは大きな役割を果たしています。ICTの活用により、不登校の児童生徒がオンラインでフリースクールに通うことも考えられますし、現にスタートしている自治体もあると聞いています。 児童生徒一人一人の状況に応じた個別最適な学びを充実させる観点から、県教育委員会としてもフリースクールのICT活用について支援していく必要があると考えますが、所見を伺います。 次に、外国人の児童生徒に関して伺います。 本県においても、外国人労働者の増加に伴い、外国人の児童生徒が増加しているものと承知していますが、現在の外国人児童生徒数を伺うとともに、彼らの就学支援に係る課題をどのように考えているのかを伺います。 現在の日本の学校においては、閉ざされがちな空間の中でのいじめが問題視されておりますが、そうした問題に外国人児童生徒が巻き込まれたという報道も見聞きいたします。 外国人児童生徒の教育を支援するため、学校における異文化社会への適応指導等が必要であると考えますが、現在、新潟県ではどのように行われているのか伺います。 外国人の移住等が進む我が国の多文化共生の観点からも、外国人を受け入れる地域社会自身も異文化への理解を深めることが大変重要と考えます。 県としても、県内市町村における外国人受入れに係る課題を把握・分析し、その上で本県の多文化共生社会の実現に向け、取り組んでいくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 最後に、県政の諸課題に関して伺います。 まず最初に、生活保護受給者の実態とその支援に関して伺います。 令和3年度の県内被保護世帯数は1万6,404世帯となり、僅かながら増加傾向にあります。特に近年は高齢者世帯の件数が増加していますが、本県の被保護世帯の状況について所見を伺います。 生活困窮者自立支援事業は、生活困窮者がよりよい社会生活を送るために現状の客観的把握を行い、問題解決に必要な公的機関と連携するなど伴走型の支援を行い、彼らの自立を助けていくものであると理解しています。 本県における生活困窮者自立支援事業のこれまでの実績と今後の課題について、知事の所見を伺います。 新型コロナウイルス感染症の影響に加え、昨今の物価や光熱費の高騰などで生活保護受給者の生活も一層苦しくなっています。このたびの政府の緊急支援でしっかりと対応していただくものと考えております。 そうした中で、生活保護受給中であっても就労意欲を有する方々は多いと考えられ、それに対応する生活保護制度が必要です。我が党の代表質問での生活保護受給者の就業支援に関しては、今後期待をしております。 しかし、私が先日お訪ねした受給者の方は、それとは別の課題を持っていました。彼女は、高齢でありながらも自分にできることをして働き、暮らしの足しにしたいと願っておられましたが、就労収入が1万5,200円を超えた時点で生活保護受給額から引かれてしまうという現実に力を落としておられました。金額の設定には様々な要件があり、この金額に落ち着いたものでしょうが、もう少し収入を得る可能性を広げられないものかと考えます。 生活保護受給者の勤労意欲の増進や自立助長につながるよう、県としても国に対して、就労収入基礎控除額の引上げや個人の就労能力に応じた就労のあっせん体制の強化を要望していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、年金制度に関して1点伺います。 近年、元気な高齢者にはなるべく長く働いてもらうという考えが社会では主流であり、年金の繰下げ受給を望む人が増えてきています。しかし、現行の年金制度では、配偶者の死亡によって遺族年金の受給資格者になると、その時点で自動的に繰下げ受給対象から外されてしまいます。つまり、たとえ本人が遺族年金は要らないので、自分の年金を繰下げ受給させてほしいと望んだとしても受け入れてもらえないという制度的な欠陥があります。 年金制度は老後の生活を支える重要な収入源であり、本県の高齢者にとっても影響が大きいことから、県としても制度改正を国に要望するべきであると考えますが、知事の所見を伺います。 本県においても、市町村単位で設置されている商工会の合併が進んでいます。人口が減少している本県の市町村の現状から、合併することで組織の強化を図る立場は理解いたしますが、単に統合するだけでは商工会の規模縮小を促すことにほかならないと考えます。 他県では、スーパー経営指導員育成研修などの育成メニューがあるとお聞きしています。商工会の経営指導員に対して、地域の特性を理解した上で様々な経営相談に柔軟に対応することができ、会員の経営技術の向上を図る目的でつくられたようであります。 今後の商工会の合併を見据えて、本県でも経営指導員の人材育成が図られる体制を目指すべきと考えますが、所見を伺います。 最後に、県警察への質問でございます。 先日、冨樫議員が一般質問で、元受刑者やギャンブル依存症等の過去を持つ人たちが社会に順応して自立していくための支援に関して、質疑されました。保護司の皆様の活動に感謝するとともに、受入れ企業の皆様を含めたこれらの活動への手厚い支援が必要であります。 しかし一方で、それとは逆に、見逃してはいけない再犯性が高い犯罪がございます。本日は、小児性犯罪に関して質問いたします。 統計によれば、近年の全国の児童ポルノ事犯の被害者数は、報告されているだけでも1,500人を超えており、水面下ではその10倍もの犯罪があるとされて、小児性犯罪は後を絶ちません。 小児性犯罪は再犯の可能性が著しく高いとされ、極端な場合には、被害者を殺しても犯罪を犯し続けるという非常に危険な犯罪です。また、被害者が子供だということから事件が発覚しにくく、被害者がPTSDを発症して初めて認知される場合が多いという厄介な犯罪でもあります。 こうした小児性犯罪の特徴に鑑み、欧米諸国では、小児性犯罪者など一定の犯罪者は、釈放後も前科をデータベース化し、公表するなど法整備が進んでいると聞いているところであります。 我が国でも、ぜひそのように進めていただきたいのですが、こうした分野で法的整備が遅れていると承知しており、まずは国での議論を進めなくてはならないのが現状だと思います。 そこで、新潟県警では、現在、小児性犯罪者による再犯防止のためにどのような対策を実施しているのかを伺います。 以上5項目にわたり質問いたしました。よろしく御回答お願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 桜庭議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、IT関連企業の誘致についてでありますが、転出超過の改善に向けて、若者に選ばれる魅力ある雇用の場の創出が必要とされる中、議員御指摘のとおり、IT関連企業の誘致は重要であると考えております。 県では、これまで、首都圏とのアクセスのよさや、県内の大学や専門学校が輩出する豊富なIT人材、BCPが実現できる立地環境など、本県の持つ強みを、SNSや現地視察ツアーなど、様々なチャネルを通じて積極的にアピールしてまいりました。 これらの取組に加え、今年度は、新潟の魅力を発信し、進出に関心のある企業を紹介していただけるよう、県内に立地したIT企業の経営者等をアンバサダーとして、新たに委嘱したところであります。 引き続き、官民連携による情報発信を強化しながら、企業誘致の促進に努めてまいります。 次に、事業承継や労働力確保に対する支援についてでありますが、本県では、企業経営者の平均年齢が高い一方で、県内企業の約6割が後継者不在であるとともに、若年層の県外流出等を背景とした労働力不足が課題となっており、このことは、地域経済の持続的な発展に対する制約要因となることから、議員御指摘のとおり、円滑な事業承継や人材確保に取り組んでいく必要があります。 そのため、県といたしましては、国、商工団体及び弁護士等の専門家による事業承継ネットワークを通じて、M&Aを含む第三者承継や、後継者不在の事業者と起業家とのマッチングなど、必要な事業資産の円滑な承継を支援してまいります。 あわせて、若者の県内定着やU・Iターンのさらなる促進に努めるとともに、県内企業の採用力向上や働き方改革、さらには外国人労働者の受入れなど、人材確保に向けた取組を支援してまいります。 次に、外国人労働者と受入れ企業の双方をサポートする環境整備についてでありますが、現在、外国人材受入サポートセンターにおいて、企業や団体からの入管手続など専門的知識を要する相談に対応するとともに、関係機関と連携して外国人材採用に向けた合同企業説明会を開催するなど、受入れの拡大を支援しております。 一方、外国人労働者からの相談に対しては、外国人相談センター新潟が多言語で対応しております。 両センターでは、日頃から情報を共有しつつ、外国人ワンストップ相談会の共同開催など連携しているところでありまして、今後も、外国人労働者が活躍できる環境を整備し、受入れがさらに円滑に行われるよう取組を充実させてまいります。 次に、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた取組方針についてでありますが、議員御指摘の三条市の事例については、昨年度、育休の対象職員に所属長から呼びかけを行うなどの取組を進めたところ、取得率が上昇したと聞いております。 このようなワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を、広く県内企業に拡大させていくためには、経営者や上司の意識改革を含め、企業と労働者の双方に、理解と取組を促していくことが重要であると考えています。 このため、県といたしましては、産後パパ育休制度創設や事業主による育休の意向確認の義務化等を内容とする育児・介護休業法の改正も踏まえ、労働局や関係団体等と連携して制度の周知や相談支援に取り組むとともに、ハッピー・パートナー企業の登録促進や優良事例の紹介を目的とした労使双方に向けたキャンペーンの展開などにより、ワーク・ライフ・バランスを一層推進してまいります。 次に、若年層の女性の県外流出についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県においては、進学や就職を契機とした若年層の首都圏等への流出が、婚姻率の低下にもつながっているものと考えております。 女性の転出の要因は様々考えられますが、国の調査によれば、就職先を選択する際に、給与の水準、自分の関心に近い仕事ができるか、また、育児・介護のための制度の充実などを重視する傾向にあります。 県といたしましては、本県が若者、特に女性から選ばれる地となるため、所得水準の向上や魅力ある多様な雇用の場の創出、ワーク・ライフ・バランスの推進などの働き方改革、女性が活躍しやすい環境づくりなどに、県内企業、市町村等と連携して取り組むとともに、そうした魅力的な働く場があることをしっかりと発信してまいりたいと考えております。 次に、県内企業のデジタル技術開発支援の方針についてでありますが、デジタル技術を活用して、業務の効率化等に取り組む県内企業は着実に増えているところであり、議員御指摘のとおり、県内企業の生産性向上や働き方改革を実現していくためには、デジタル技術の活用が不可欠であると考えています。 そのため、県といたしましては、個別企業のデジタル化の進捗に応じた人材育成や製品開発等への技術的支援、専門家による伴走型支援等を行うことなどを通じまして、デジタル技術の活用に取り組む県内産業をサポートしてまいりたいと考えております。 次に、県内企業のデジタル人材確保のための支援方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、県内産業のデジタル化には、企業におけるデジタル人材の不足解消が喫緊の課題であると認識しています。 県といたしましては、経営者等を対象とした研修や、従業員のITスキルアップ支援に取り組むとともに、デジタル人材の確保が難しい中小企業に対しては、NICOを通じてIT専門家を派遣するなど、伴走型支援にも努めております。 また、県内IT企業と県外IT人材とのマッチングによる人材確保にも取り組んでいるところであります。 引き続き、県内企業のニーズを踏まえ、デジタル人材の確保・育成に向けた取組を積極的に支援してまいります。 次に、県内大学におけるデジタル教育についてでありますが、現在、半数以上の県内大学において、国で認定している数理・データサイエンス・AI教育プログラムを実践するなど、デジタルに関する科目を設置しております。 また、新潟県立大学及び新潟大学については、県からも支援を行い、先般、産業のデジタル化を牽引する人材育成に関する国補助事業に採択されたところであり、今後、取組を進めていくと承知しております。 これに加えて、県といたしましては、今年度、デジタル化をテーマとした産学官連携のモデル事業を実施しており、その中で大学による企業内デジタル人材の育成等の取組を支援するとともに、県の補助事業を活用して、県内大学に対して、新たなデジタル教育プログラムの開発等を促すなど、デジタル教育の取組を支援してまいります。 次に、女性活躍と多様性を認める社会についてお答えをいたします。 まず、男女平等推進プランにおける平等の考え方についてでありますが、本プランは、男女共同参画社会基本法で定める男女共同参画計画となっています。 基本法においては、男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野に参画する機会の確保に当たって、男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対して、当該機会を積極的に提供するとされており、必要な範囲内における積極的改善措置が規定されています。このことを踏まえれば、本プランにおいても、こうした実質的な機会の平等の考え方に基づいた男女平等社会の形成を目指しているものと認識しております。 次に、女性活躍の施策を進めるに当たっての視点についてでありますが、第4次男女共同参画計画においては、男女が共に参画し、多様な生き方が選択できる社会実現に向けてを目標に、女性活躍等の施策を推進しているところです。 議員御指摘のとおり、就業の有無等にとらわれることなく、女性が希望する、それぞれの生き方や働き方に応じて、個性や能力が十分に発揮され、活躍できる環境づくりを進めることが重要と考えております。 次に、新潟県の農業政策についてお答えをします。 まず、園芸振興基本戦略の実績と今後の取組方針についてでありますが、基本戦略策定から3年が経過し、減少傾向にあった栽培面積や産出額が増加に転じておりますが、担い手や労働力の確保、生産性の向上、販売力の強化等が課題として挙げられており、先日開催しました有識者による検討会において、今後の取組方向を検討いただいたところであります。 県といたしましては、検討会での意見を踏まえて基本戦略を一部見直すとともに、園芸を経営の柱とした経営体の育成や、生産の団地化などによる生産性の高い基盤づくり、実需者との連携強化による安定した販売先の確保を重点取組事項と位置づけ、県内外の先進事例を横展開しながら、関係機関・団体と一体となって、園芸拡大に着実に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、基本戦略の実績については、農林水産部長からお答えをいたします。 次に、本県のグリーン・ツーリズムの強みと今後の誘客方針についてでありますが、本県は、長い海岸線や里山、離島といった豊かな自然環境を有しており、農林水産業の営みによって生み出された地元食材や伝統文化などの地域資源を生かし、四季を通じて多彩な体験ができることが、本県ならではの魅力であると考えております。 加えて、県内全域にグリーン・ツーリズム推進団体が組織され、高い技能を持った農山漁村インストラクターなどの人材が多数活躍しているなど、本県の魅力を生かせる体制が充実していることも強みであると認識しています。 今後、交流人口の拡大に向け、働き方の多様化や田園回帰志向の高まりなど、社会情勢や価値観の変化を踏まえ、ニーズを的確に捉えた商品づくりの促進や情報発信の充実などにより、本県の強みを生かしたグリーン・ツーリズムを展開し、農山漁村の活性化につなげてまいりたいと思います。 次に、キノコ生産の振興についてでありますが、近年、全国的に、キノコの消費量が伸び悩み、産地間競争が激しくなっている中、本県のキノコ産地は、生産者の多くが中小規模であり、市場での競争力向上に必要となる、効率的な生産体制への転換や、他産地との差別化を図る取組が遅れていると認識しています。 このため、県では、生産性向上やコスト低減を図る生産体制の整備を支援するとともに、安全・安心で、高品質なキノコの生産を推進し、県内キノコ生産者が、将来にわたって持続的に経営が行われるよう、市場競争力の強化を図ってまいります。 次に、新潟県の教育政策についてお答えをします。 多文化共生社会の実現に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、外国人を受け入れる上で地域社会での異文化理解を促進することは重要であると考えています。 県では現在、国際交流出前講座や県の国際交流協会を通じた国際理解セミナーなど、県民に多文化への理解を深めてもらうための様々な取組を行っているところです。 さらに、今年度、県の国際交流協会などと協力をして、在住外国人の抱えているニーズや課題を把握するための調査を実施する予定です。 こうした調査の結果等を県民と共有しながら、多文化共生社会の実現に向けた取組を進めてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 まず、生活困窮者自立支援事業の今後の課題についてでありますが、生活に困窮する方々に対しては、県や市が自立相談支援窓口を設置し、相談支援員が支援プランを作成して、就労支援や家計改善などの支援や、各種給付金や貸付けの専門窓口へつなげるなど、相談者に継続して寄り添いながら支援を行っております。 新型コロナウイルス感染症の影響により、相談件数が大幅に増加したことに加えて、自営業者や外国人などの新たな相談者層が見られており、多様化した相談に対して適切に対応できるよう、各種制度の理解や支援技術の習得など、相談支援員の一層の資質向上が課題と考えています。 県といたしましては、多様で複雑化する課題に対応できるよう、現場の声を取り入れた実践的な研修を実施し、相談支援員の専門性を発揮しながら、生活にお困りの方へ適切に対応してまいりたいと考えています。 なお、生活困窮者自立支援事業の実績については、福祉保健部長からお答えをいたします。 次に、生活保護受給者の勤労意欲の増進策等についてでありますが、生活保護受給者が就労することは、経済的自立のみならず、日常生活や社会生活の自立の面からも、極めて重要なことであると認識しております。 国の生活保護制度に関する国と地方の実務者協議の場では、就労による生活保護廃止後の不安を解消できるような就労インセンティブの仕組みをつくることが重要であるなどの意見も出されていると承知しており、国における生活保護制度の見直しに向けた検討を注視してまいります。 県といたしましては、国の議論も踏まえ、生活保護受給者の就労インセンティブについて、必要な要望を国に行ってまいりたいと考えています。 次に、年金の繰下げ受給についてでありますが、議員御指摘のとおり、厚生年金保険法等に基づく現行の年金制度では、遺族年金等の受給資格者となることで、年金の繰下げ受給の対象から外れる場合があることは承知しております。 県といたしましては、まずは年金制度を所管する国において、年金制度を含む社会保障制度全体の在り方について、十分議論されるべきものと考えており、今後の国の動きを注視しながら、必要に応じて、国に要望してまいりたいと思います。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 本県の被保護世帯の状況についてでありますが、令和3年度の被保護世帯総数は1万6,404世帯で対前年度比0.9%の増加となっており、この増加率は前年度のマイナス0.1%から1ポイントの上昇となっております。 県及び市の福祉事務所において、生活保護申請者の方々に状況等をお聞きしたところ、新型コロナウイルス感染症の影響が少なからずあるとの声があります。 県といたしましては、新型コロナウイルス感染症の状況に加えて、今般の物価高騰の動向についても引き続き注視するとともに、保護の相談等においては、懇切丁寧な対応に努めてまいります。 次に、生活困窮者自立支援事業における実績についてでありますが、生活困窮者自立支援事業の相談件数は、平成27年度の制度創設以降、毎年度おおむね3,000件程度で推移してきたところですが、新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年度には5,628件と大幅に増加し、令和3年度には5,189件と、依然として高止まりの状況となっております。 相談内容としては、収入・生活費、家賃やローンの支払い、仕事探し、就職の3つで全体の約6割を占めております。 また、家賃支援策である住居確保給付金についても、令和2年度は583件、令和3年度は285件の実績となっています。 これらの支援を通じて、就労収入の増加や住まいの確保、孤立の解消など、生活に改善が見られており、支援に一定の効果があったものと考えております。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕
    産業労働部長(金井健一君) 2点についてお答えいたします。 県総合計画における起業・創業の推進の目標達成に向けた取組についてでありますが、J-StartupNIIGATA企業については、新潟発のロールモデルとなるスタートアップ企業として、昨年度、20社を選定しましたが、これらの企業はいずれも、革新的な技術やビジネスモデルで世の中に新しい価値を提供するイノベーティブな企業であり、将来的には株式上場を果たすことも期待できると考えております。 今年度は、さらに追加選定に向けた選抜プロジェクトを実施しており、選定された企業に対しては、県やNICOの助成金事業の採択に当たっての加点措置や、国、県、サポーター企業が主催するイベントへの参加をはじめとした、官民連携による集中的な支援を行うこととしております。 今後も、県総合計画に掲げる成果指標の達成に向け、こうした有望なスタートアップ企業をより多く発掘するとともに、成長を支えてまいります。 次に、商工会の経営指導員の人材育成についてでありますが、現在、各地域の商工会において、合併を見据えた組織基盤の整備に関する検討が進められているものと承知しておりますが、事業者の支援ニーズに対応できる体制を構築するためには、議員御指摘のとおり、経営指導員の資質向上が不可欠であると認識しております。 そのため、県商工会連合会が中心となり、従来、経営指導の中心であった税務、金融、労務、財務等に加え、経営計画の策定など、より専門的な研修を実施しているところです。 県といたしましては、引き続き、県商工会連合会と連携し、他県事例なども参考にしつつ、経営指導員のさらなる資質向上に向けた体制の整備を支援してまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) 6点についてお答えいたします。 新潟米の首都圏における評価についてでありますが、最近の調査では、新潟県産コシヒカリは米どころとして伝統がある、また、品質が高く信頼できるなどのイメージが浸透し、他のブランド米と比較しても、消費者の認知度や購入意向が高いとの評価をいただいております。 また、新之助は、プロモーションの効果によって首都圏を中心に認知度が高まり、市場からの引き合いも強くなる中で、令和3年産の生産量が天候の影響により少なかったことから、市場流通量に不足感が出ていると聞いております。 県といたしましては、今後とも、食味・品質を重視した米作りを徹底するとともに、コシヒカリと新之助を双璧のトップブランド米として、オール新潟でPRを展開し、改めて、米といえば新潟県という産地イメージを定着させてまいります。 次に、海外における新潟県産米の認知や需要の現状についてでありますが、新潟米はこれまで、ASEAN、中国などアジア諸国での認知度は比較的高く、その需要も拡大傾向にありましたが、近年、日本産米の主要輸出先である香港やシンガポールなど、産地間競争が激しい地域でのシェアは低下しており、アジア地域全体の需要は伸び悩んでおります。 一方、米を主食としない欧米では、そもそも米の産地を認知する人は少ないものの、和食の普及が進み、日本食レストランが増加し、日本産米全体の需要拡大が進む中、新潟米を認知する飲食店も増えてきており、新潟米の需要は拡大しております。 県といたしましては、このような輸出先の市場環境や消費動向を的確に踏まえながら、輸出拡大実行プランに掲げる国や地域別の取組を積極的に推進し、新潟米の輸出拡大を図ってまいります。 次に、園芸振興基本戦略の実績についてでありますが、販売額1億円以上の産地数は、基本戦略策定以前の平成30年と比べて12産地増加した一方で、新型コロナウイルス感染症や気象被害の影響により、4産地が1億円を下回ったため、トータルで59産地となっております。 また、基本戦略策定以降、栽培面積は317ヘクタール増加するとともに、947名の農業者が新たに園芸を開始しております。 次に、にいがた和牛のブランド構築についてでありますが、にいがた和牛は、飼養管理技術の改善などにより、肉質等級の上位比率が向上し、安定的な肉質の高さから一定の評価を得ておりますが、認知度が低く、流通量もまだ少ないことが課題と考えております。 全国各地のブランド牛における競争が激化する中、にいがた和牛のブランドを構築するためには、品質の確保に加え、消費者に魅力を広く発信するとともに、必要な量を安定的に供給していくことが重要であると認識しております。 このため、関係団体と連携し、県内観光業者への働きかけや、県内外の小売店・海外レストランへのプロモーションにより認知度を高めるとともに、生産者の規模拡大により需要に応じた供給体制を確立するなど、にいがた和牛のブランド力の強化に取り組んでまいります。 次に、バイオマス発電での間伐材などの活用に向けた課題についてでありますが、県内では、現在、2か所の木質バイオマス発電所が稼働しているほか、新たな発電所の稼働も予定されており、燃料材の需要が拡大している一方で、供給は徐々に増えてはいるものの、これらの発電所が調達を期待している量には届いていない状況です。 燃料材の供給を増やしていくためには、単に間伐材などの燃料材だけでなく、比較的価格の高い建築用材等も併せて生産し、木材生産全体で採算性を確保していくことが必要であると考えております。 県といたしましては、間伐材の生産に加え、森林・林業基本戦略に基づき、より効率的に生産拡大を図る主伐・再造林を促進し、関係者と一体となって森林資源を余すことなく活用することで、地域資源の有効活用につなげてまいります。 次に、菌床シイタケの原産地表示についてでありますが、県では、昨年8月に、生産者及び関係団体へのアンケートを実施し、多くの方々が菌床の製造地表示を義務化すべきとの意向であることを把握いたしました。 その結果を踏まえ、林野庁に対し、菌床製造地表示の義務化について要望するとともに、本県が主催し、林野庁と主要生産県で表示に関する意見交換を行いました。 これらの取組により、本年3月、国は、菌床シイタケの原産地表示に関するルールを改正し、菌床の植菌地を原産地として表示することを義務化したところです。 この改正により、シイタケの菌床が、国産か外国産かを区別できるようになり、消費者にとっては、自主的な食品選択の機会が得られ、生産者にとっても、産地が分かることで商品価値の向上につながるものと考えております。   〔病院局長山﨑理君登壇〕 ◎病院局長(山﨑理君) 県立病院におけるデジタル化の推進についてでありますが、医療現場のデジタル化は、医療の質の向上、業務の効率化、患者サービスの向上の観点からも重要であると考えております。 県立病院におきましては、昨年度までに全13病院で医療情報システムを導入したほか、マイナンバーカードの健康保険証利用について、昨年10月の国の本格運用に合わせて運用を開始するなど、積極的に取組を進めてまいりました。 また、患者の利便性向上や医療従事者の負担軽減などのため、オンラインサービスやAIなどを活用した取組について検討しているところです。 引き続き、地域の医療ニーズに合わせ、福祉保健部とも連携しながら、県立病院のデジタル化の取組を進めてまいります。   〔教育長佐野哲郎君登壇〕 ◎教育長(佐野哲郎君) 4点についてお答えいたします。 遠隔授業の活用についてでありますが、県教育委員会では、令和3年度から文部科学省の指定を受け、遠隔授業の実証研究に取り組んでおり、今年度はその本格実施として、単位認定を伴う通年の授業を、8科目にわたり実施しております。 ただし、遠隔授業には制度上の要件がございまして、同時に授業を受ける生徒は原則として40人までとされていることから、単位認定を伴う遠隔授業によって、直接、教員の負担軽減につなげることは、現段階では難しいと考えております。 一方、本事業においては、放課後のオンライン講習の研究にも取り組んでおり、昨年度は大学進学希望者を対象とした講習を実施いたしました。こうした取組は、将来的に教員の負担軽減にもつながると考えており、今後も効果的な遠隔授業の活用について、引き続き研究をしてまいります。 次に、フリースクールのICT活用に対する支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、フリースクール等民間施設の活動は、教育機会の確保の観点から一定の役割を担っていると考えられることから、例年実施をしております県教育委員会と市町村教育委員会、フリースクール等との情報交換会を通じて、ICT活用に関するニーズを把握し、支援の必要性について検討してまいります。 次に、外国人児童生徒数及び就学支援に係る課題についてでありますが、本年5月1日現在、県内における外国籍の児童生徒は、小中学校合わせて22市町村に454名が在籍しており、昨年度と比較して43名増となっております。 外国人児童生徒の就学支援につきましては、児童生徒一人一人の状況に応じた指導時間の確保と日本語指導に携わる教職員の指導力の向上等が課題であると認識しております。 次に、外国人児童生徒の異文化社会への適応指導についてでありますが、小中学校においては、外国人児童生徒も含め、児童生徒一人一人が学校生活に適応できるような教育活動を進めております。 特に、外国人児童生徒が多く在籍する学校には日本語指導教員を配置し、個別に日本語指導を行うことで日本語能力の育成を図るとともに、そうした機会を通じて、日本の文化や習慣等を教えることにより、安心して学校生活や社会生活を送れるよう指導しております。 また、各学校では国際交流協会等と必要に応じて連携を図り、授業へ学習ボランティア等の派遣を依頼するなど、外国人児童生徒を支援しております。   〔警察本部長村田達哉君登壇〕 ◎警察本部長(村田達哉君) お答えいたします。 小児性犯罪者による再犯を防ぐための対策についてでありますが、警察では、13歳未満の子供を対象とした暴力的性犯罪を犯して刑務所に収容されている者について、法務省から出所情報の提供を受け、各都道府県警察において所在確認を実施するとともに、その者の同意を得て面談を実施し、再犯防止に向けた助言・指導等を行っております。 県警察といたしましては、この制度の適切な運用を図るほか、性犯罪等の前兆事案に関する情報収集と分析等により、速やかな行為者の特定に努め、指導・警告や検挙措置を講じているところであり、今後とも子供や女性の安全確保のための取組を強化してまいります。 ○議長(佐藤純君) 桜庭節子君の質問は終わりました。 次に、与口善之君の発言を許します。与口善之君。   〔与口善之君登壇〕(拍手) ◆与口善之君 自由民主党の与口善之です。 新型コロナウイルス感染症の第7波が予想を上回る急激な拡大を見せております。私自身も今月上旬に新型コロナウイルスに感染し、議員各位並びに執行部の皆様方をはじめ関係者の皆様方には大変な御心配をおかけいたしました。 7月3日、それまでの行動から熱中症にかかったかと思われる症状があり、夕方から熱が39度前後に上がったことから、病院に相談し、かかりつけ医の発熱外来を受診したところでありますが、念のためPCR検査を受けたというところで、7月5日、新型コロナウイルスへの感染が確認されました。 自分自身のスケジュール確認ができましたので、即時に関係各所へ連絡・報告をし、私自身からの濃厚接触に該当する方はいない旨連絡をいただいたところであります。ただし、私がどこから感染したのかの連絡は一切なく、感染経路は不明であります。 感染確認後は、医療調整本部、地元保健所、かかりつけ医の指示、御指導により、本日ここに立つことができました。関係者の皆様に感謝申し上げる次第であります。 それでは、通告に従い一般質問させていただきます。 まず初めに、人口減少対策について伺います。 今までも様々な視点から人口減少対策について質問してきましたが、今回は新潟県総合計画が4月に改定され、目標についても見直されたことから伺いたいと思います。 改定された新潟県総合計画において、人口減少問題に係る社会動態の達成目標を改善数2,500人程度としたところであります。 高等教育機関への進学による県外への流出については、自分が若かった頃の思いを振り返れば、ある程度仕方がないところではないかと思えます。 本県の人口減少については、特に若い女性の流出が多いとされていることから、目標を達成するためには、女性のU・Iターンの促進など、女性に着目した取組が重要であると考えますが、知事の所見を伺います。 今ほども申し上げたとおり、本県における女性の県外流出は、人口減少対策の大きな課題であります。 とはいえ、女性もそれぞれが多様な価値観を持ち、一つの方向性だけではフォローアップすることは難しいと考えます。 今、働く女性が結婚、出産、子育てというそれぞれのステージで個性と能力を発揮できるよう、多様で柔軟な働き方を可能にすることはもちろん、就職の入り口において、そのような環境が整備されていることが理解されるような取組もまた重要ではないかと考えます。 また、会社に所属することに力点を置いた就社ではなく、これから磨いていくキャリアに力点を置いた就職が、これからは女性だけでなく男性も含めて大切な視点になるのではないかと考えるところでもあります。 そこで、女性の県内定着、U・Iターンの促進を図るためには、女性が希望する生き方や働き方を実現し、個性と能力を十分に発揮することができるような環境整備が必要と考えますが、どのように取り組んでいかれるのか、知事の所見を伺います。 人口減少の要因の一つである出生数の減少の背景には、婚姻数の減少があり、県としても婚姻数を増やすため、結婚支援の一層の強化が必要であるとの課題認識の下、ハートマッチにいがたや出会いイベント等開催支援事業など、取組を進めているところと承知をしています。 ある調査では、平均初婚年齢は年々上がってきていると思われますが、結婚のピーク年齢は26歳から28歳と以前と大きく変わっておらず、そして30歳未満でほぼ7割の男女が結婚に至っているというデータもあります。 個人のプライバシーに関わるところもあり、難しい課題ですが、婚姻数の増加に向けて、これまでの取組状況と課題について伺います。 これまで県は移住促進に向けた首都圏への情報発信や結婚支援など全県的な取組について、市町村と連携・協力しながら取り組んでいると承知しています。 多くの市町村で人口減少が進む中、社会動態、自然動態の増減の状況・程度は市町村により様々です。こうした難しい状況ではありますが、地域での人口減少を踏まえ、市町村との連携について県として一層強化していく必要があると考えますが、所見を伺います。 4月に東京のにいがた暮らし・しごと支援センターに行き、お話を伺ってきました。その中で、継業という移住に至る選択肢があるということを伺いました。 なりわいや事業を身内が引き継ぐのではなく、意志ある第三者に継いでもらう取組とのことで、特に近年注目されているのが、移住者による地域産業の継業とのお話でした。 伝統産業の後継者不足の解消だけでなく、継業によってその地域に必要な店舗などが引き継がれ、生活環境を維持することで、人口減少の歯止めとなることも期待できます。 地域で必要ななりわいの継続を図り、地域の人口減少対策に寄与する移住者による継業について、県として地域の実情について情報収集するとともに、移住検討者への情報発信などの取組が必要と考えますが、所見を伺います。 U・Iターンを県民に広く周知する手だてとして、県民だよりで年1回はU・Iターン特集を組み、U・Iターンを理解し、人口減少対策の重要性を県民全体で広く共有しようという試みをしている県があると伺いました。 この試みにより、子供たちを含む家族全体で、自らの県の人口減少の現状とその影響やU・Iターンが話題になるなど、効果が少しずつ出てきているとのお話から、本県としても、県民だよりなどで県民全体にU・Iターンに対応する県の取組などを積極的に紹介すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、社会福祉施設等における原子力災害避難計画の諸課題について伺います。 先般、福祉施設の運営事業者から御相談をいただいたことから伺いますが、原子力災害時にPAZ圏内にある介護福祉施設の利用者については、県の避難計画により避難先が決められており、それを受け施設の管理者は避難計画を策定しています。 その際、避難元の事業者は、避難先となる施設事業者と、利用者の送り出しや受入れなどの段階ごとに、課題の抽出や解決策の検討などについて様々な打合せ協議を行っているとのことです。 避難計画策定後も、避難元・避難先施設等の利用者等の状況変化などにより、避難元の施設と避難先の施設間で様々な課題が生じることから、課題を解決するためには、施設や運営する法人だけでなく、県が積極的に関与する必要があると考えますが、所見を伺います。 原子力災害時に実際に避難が行われる場合には、避難期間が長期になることが想定されます。この場合、介護側の人員体制の確保、消耗品や備品の確保、施設の長期使用や入所先の調整等が課題となることが考えられますが、こうした課題については避難元・避難先施設間での当事者調整のみでは解決が難しいことにも十分配慮しなければならないと思われることから、県や市町村が調整すべきと考えますが、認識を伺います。 実際に避難が行われた場合には、避難先施設のもともとの利用者についても調整が必要になることも想定されます。 緊急時であることから、避難先施設においては、通常の定員を超える形で避難者を受け入れることも想定されるため、こうした状況下においては、避難先施設のもともとの利用者と避難者との関係で、本来の利用者の利用制限であったり、他の施設への一時的な利用変更なども検討する必要があると考えられます。 つまり、受入れ自治体全体で要介護者の利用調整が必要となるのではないかと考えられることから、県や避難元・避難先施設の所在する自治体は、施設と連携して利用者を調整する必要があると考えますが、県の認識を伺います。 次に、社会福祉施設等の諸課題について伺います。 原油価格等の高騰により、ガソリンなどの燃料費や電気・ガス料金が高騰し、社会福祉施設等では、施設利用者の健康面に留意した場合、むやみに施設の冷暖房の温度設定を厳しく管理することもできず、また、施設全体で温度調整を行うことが多いことから、冷暖房費など光熱費の負担が増していると聞いています。 県として、市町村や民間事業者が運営する病院や社会福祉施設等の公益性の高い施設の光熱費について、速やかに支援する必要があると考えますが、所見を伺います。 介護保険制度は、1963年に老人福祉法、1982年に老人保健法が制定され、2000年に介護保険法が成立して、その後様々な修正が加えられ、今日に至っています。 介護保険制度は、高齢化が進むことによって要介護者が増えたり、介護時間が長期化したりすることを想定してつくられました。それに伴い、介護保険法が制定された2000年前後に介護福祉サービスなどの施設の新設が進んだとのことです。 介護福祉サービスなどの施設は、今後、大規模改修などが必要な時期になってくるため、介護福祉サービスを運営する社会福祉法人などの事業者は、施設の維持整備に係る費用について非常に危惧している状況にあると伺いました。 また、ハザードマップなどが整備され、当該施設が浸水想定区域に存することが分かるなどし、災害対応に係る施設改修の要請も高まっていると思われます。 したがって、施設の大規模改修や防災対応に係る国の補助制度がありますが、補助額の引上げなど制度拡充が必要であると考えますが、所見を伺います。 社会福祉施設等に対する新型コロナウイルス感染症検査キットの配布については、重症化リスクの高い者もしくはワクチン接種の対象外の者が集団生活を送る医療機関や社会福祉施設等の従事者に対し検査を実施することで、早期に陽性者を発見し、さらなる感染拡大を防止する観点から、即時検査を実施するためのもので、現状は施設に勤務する職員のみが対象であり、施設利用者は対象となっていません。 新型コロナウイルス感染症の拡大も収まりつつあると思われましたが、今また急激な感染拡大状況に転じていることから、さらにまた、今後どのような変異があるか不明でもあり、クラスター発生を抑制するためにも施設利用者にも適用を拡大して検査キットを配布すべきと考えますが、所見を伺います。 最後に、県政の諸課題について幾つか伺います。 県では、女性が活躍できる職場環境づくり支援事業で、ハッピー・パートナー企業のえるぼし認定取得を支援し、職業生活において女性の個性と能力が十分に発揮できる環境づくりを支援するとしています。 えるぼし認定とは、女性活躍推進法に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する取組の実施状況などが優良な企業を認定する制度であります。女性の職業生活における活躍の状況に関する実績に係る基準として、1、採用、2、継続就業、3、労働時間等の働き方、4、管理職比率、5、多様なキャリアコースの5つの評価項目が定められており、項目数に応じて取得できる段階が決まります。認定を受けた企業は、厚生労働省が定める認定マーク、えるぼしを商品などに付することができるとしています。 令和4年5月末現在の県内のえるぼし認定企業は19社で、うち常時雇用する労働者が300人以下の企業は8社と約半数となっています。 本事業により、大企業はもとより、県内企業の大多数を占める300人以下の企業においても女性が活躍できる職場環境づくりが進むことを期待していますが、女性が活躍できる職場環境づくり支援に対する所見を伺います。 先ほど、社会福祉施設等で、ガソリン代などの燃料費や電気・ガス料金の高騰による光熱費の負担が重いことを指摘しましたが、これは福祉施設にとどまらず幅広い業種の事業者に影響を及ぼしています。 本県は下請を主にする中小企業が多く、経費増を価格に上乗せしにくい状況があるとも聞きます。 また、農業においては燃料費のみならず肥料の高騰があり、農産物価格がなかなか上がらない状況にあって、経費だけが上昇している状況にあります。 このような状況を受けて、県としての支援の必要性や今後の対策について所見を伺います。 新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会の委員長についてですが、昨年9月定例会などで、知事は池内委員長と共通認識を持つことができないため委員会を開催することができないと答弁されています。 平成30年1月31日制定の検証総括委員会の運営要綱によると、委員会の任務は、原発事故の原因の検証、原発事故による健康と生活への影響の検証、安全な避難方法の検証の総括並びにその他、総括に関し、知事の求める事項とあります。 これは、花角知事の就任前に制定された運営要綱でもあり、委員長もまた運営要綱を承知の上で委員長に就任されたものと解することができます。 にもかかわらず、再三の要請に対し池内委員長は考える時間が欲しいとし、それからかなり時間が経過していますが、現在までの経過について伺うとともに、これは単に時間の引き延ばしと言わざるを得ない状況にあり、池内委員長の処遇について一定の判断を下すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。 洋上風力発電について、村上市・胎内市沖は再エネ海域利用法に基づく有望な区域に選定され、具体的に動き出していますが、洋上風力発電導入研究会で作成したゾーニングマップに示された他の有望海域について、今後の将来性を県としてどのように評価し、また、どのように検討を進められているのか、現状について伺います。 積雪状況は年により増減しますが、県民の安全のため、いつでも万全の道路除雪体制が必要となります。一方、建設業全体では高齢化、担い手不足が発生しており、除雪オペレーターの担い手も高齢化、減少傾向にあります。 県は、持続可能な除雪体制の構築に向けてICTを活用した省人化、効率化に取り組んでおり、国に対しては、省人化、効率化のための技術開発の推進とさらなる財政支援を要望していると承知をしていますが、県の目指している持続可能な除雪体制とはどのような体制か伺うとともに、現在の取組状況について伺います。 県内において、地域の守り手として、除雪だけではなく防災・減災に対応する建設業許可業者数及び建設業就業者数が減少する中、将来の担い手確保は重要な課題となっています。 このため、若年者に対して建設産業の果たしている役割や建設産業がICT化や働き方改革に積極的に取り組んでいる姿などを効果的に伝えることについて、業界としての取組はもちろんのこと、県としても取り組むことが重要と考えます。現在の取組と今後の対応について伺います。 地域公共交通について伺いますが、地方都市の周辺部では人口が大きく減少しており、また、通院や買物など、どうしても公共交通を利用する人でも、毎日利用することはまれであると思われます。 このような地域では、従来の路線バスではなく、定員10名のワゴン車が活用される事例が多くなっているとお聞きします。柏崎市西山町地区でも本年度から完全予約制のデマンド交通として運用され、おおむね好評と聞きます。 大都市部ではなく、地方の郊外の状況を考えたときに、従来の路線バスの運行維持継続だけではなく、地域の実情に合った地域公共交通の仕組みを構築することが必要と考えますが、所見を伺います。 令和2年度監査結果の概況によれば、収入・支出以外の項目では、個人情報の取扱いに関する事項、つまり個人情報の流出、漏えい、紛失等に関する事項が107件と前年度に比べて74件増加と指摘されており、多くは不注意によるものとされています。 これは、個人情報が記載された図面を不注意により県入札情報サービスの入札情報として公開した案件、及び個人情報が記載されたファイルを不注意により県ホームページにより公開した案件が、多くの所属で発生したことを主な要因としています。 先月、兵庫県尼崎市においても個人情報データの入ったUSBメモリーの紛失について報道されていた件もあり、職員への個人情報保護の重要性の周知徹底や職員の危機意識を高めることにより個人情報の管理をより一層徹底すべきだと考えますが、その対策について伺います。 AI救急相談アプリの全県での運用が6月28日から開始されました。これまで、電話相談では日中の相談に対応してこなかったところ、アプリにより全ての時間帯で相談できるようになるとのことです。 これに先立ち実施された糸魚川市での実証実験の結果では、64日間でアプリ登録者数624人、アプリ利用者数65人とされていますが、どのような方が登録・利用されたのか伺います。 また、このアプリへの期待を伺うとともに、どのように普及を図っていくのか伺います。 最後に、災害時において、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、従来の避難所への避難ではなく、在宅避難、縁故避難といった避難所外避難をする場合が想定されますが、避難所と異なり、行政などが実態を把握しにくく、行政サービスが直接届かないことが懸念されていると聞きます。 こうした避難所外避難者に対しても、必要な物資や情報を提供するなどの支援が必要であることから、県として、避難所を運営する市町村に対し、避難所外避難者に十分配慮した対応をするよう周知していくことが重要と考えることから所見を伺いまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 与口議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、女性に着目したU・Iターン促進についてでありますが、本県は進学や就職を契機とした若い女性の転出超過が多くなっていることから、議員御指摘のとおり、子育てしやすい環境づくりや、女性が働きやすい魅力ある雇用の場の創出など、女性に選ばれる新潟となるための取組を総合的に推進するとともに、情報発信力を強化していく必要があります。 県といたしましても、これまで、若い女性のU・Iターンを促進するため、ターゲットの属性や関心に応じた戦略的な魅力発信等に取り組んでまいりましたが、さらに今年度は、動画やSNS等を活用したプロモーションを展開するとともに、子育て関連スポット等を巡る移住体験ツアー等を実施するなど、女性を移住行動へ誘導するための取組を一層強化してまいります。 次に、女性が活躍できる環境整備についてでありますが、本県において、女性の県内定着や、U・Iターンの促進を図るためには、議員御指摘のとおり、女性が希望する生き方や働き方を実現し、その個性や能力を発揮して活躍できる環境整備が必要であると考えています。 そのため、第4次男女共同参画計画においては、男女平等施策の重点的な柱の一つとして、多くの女性が活躍できる環境整備や働き方改革に向けた取組を推進することとしており、女性の起業など様々なチャレンジへの支援や、多様な形態の働き方を可能とする就業環境の整備、子育てと仕事、介護との両立のための制度の普及・定着などに取り組んでまいります。 次に、人口減少対策における市町村との連携についてでありますが、人口減少対策のさらなる充実のためには、議員御指摘のとおり、市町村との連携を一層強化することが重要であると考えており、先般改定した総合計画にも、その視点を盛り込んだところです。 市町村によって人口規模や抱えている地域課題など、それぞれの状況は異なり、課題も様々であることから、市町村と積極的に意見交換を行いながら、地域の特性に応じた人口減少対策を進めてまいりたいと考えております。 次に、社会福祉施設等における原子力災害避難計画の諸課題についてお答えをいたします。 PAZ圏内における介護福祉施設利用者の避難計画についてでありますが、避難計画の策定に関しては、県と福祉団体等の調整の下、避難元・避難先の施設を決定する仕組みとなっております。 また、議員御指摘のとおり、避難計画は策定して終わりというものではなく、計画策定後の状況変化等も踏まえ、随時見直しを行うことで、より熟度の高いものにしていくこととしており、その検討過程において生じる課題については、広域自治体である県が関与することで、各施設の取組を後押ししてまいりたいと考えております。 次に、社会福祉施設等の諸課題についてお答えをします。 原油価格等の高騰による光熱費の増加への対応についてでありますが、病院や社会福祉施設等の光熱費などの管理経費については、診療報酬や介護報酬等で賄われるものとされております。 基本的には、診療報酬は2年ごと、介護報酬は3年ごとに、事業者の経営実態も踏まえた上で改定されておりますが、今般の原油価格や物価の高騰を踏まえ、社会福祉施設等に係る報酬改定を迅速に実施するよう国に要望しているところです。 なお、国において、エネルギー価格の高騰など、経営に影響を与える要因について注視をし、どのような対応が必要であるか検討するとしており、県といたしましては、引き続き、県内経済や国の動向などを見極めながら、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、中小企業等における女性が活躍できる職場環境づくりについてでありますが、県では、これまでも、男女が共に働きやすい職場環境や、仕事と家庭生活等の両立などに積極的に取り組む企業をハッピー・パートナー企業に登録し、その取組を支援してまいりました。 このハッピー・パートナー企業、約1,300社のうち、8割以上が労働者300人以下の企業であることから、これらの企業が、えるぼし認定の取得を目指すことにより、議員御指摘のように、働く女性の個性や能力が十分に発揮できる環境づくりが進み、企業の魅力向上や人材確保、定着につながることが期待できると考えております。 県といたしましては、えるぼし認定に向けたアドバイザー派遣や取得した際の助成金の支給のほか、登録企業同士が横のつながりを構築するための交流会を開催するなど、ハッピー・パートナー企業におけるえるぼし認定の取得を促すことで、女性が活躍できる職場環境づくりが進むよう支援をしてまいります。 次に、原材料価格高騰への対策等についてでありますが、原材料価格等の高騰は、幅広い産業に影響を及ぼしていることから、県といたしましては、これまで、中小企業の経営安定に向けて、県内関係団体に対し、適切な価格転嫁に向けた協力を要請するとともに、国と連携しながら、下請かけこみ寺などの相談窓口等の周知・活用に努めてまいりました。 また、農業においては、燃油や肥料の高騰に対応した支援措置を国へ要望したところです。 さらに、専決処分により編成した補正予算において、受発注双方の事業者を対象とした、適切な価格転嫁や下請取引の適正化を促進するためのセミナー等の開催や、中小企業等向けの省エネルギー設備の導入支援を実施するとともに、化学肥料から有機質肥料等への転換に取り組む農業者に対する支援策を措置したところであります。 今後とも、原材料価格等の動向や国の新たな支援策の検討状況等を注視しながら、必要な対策を講じてまいります。 次に、検証総括委員会委員長との調整の状況についてでありますが、これまでに2回、直接お会いして面談を行い、その後も担当部局がやり取りを続けておりますが、委員長は、既に技術委員会で確認を行っている柏崎刈羽原発の安全性や、福島第一原発の処理水への対応等を踏まえた東京電力の適格性を議論したいとしており、いまだ共通認識を持つことができておりません。 委員長には、委員会の任務・役割を御理解いただいた上で、委員長としての職責を果たしていただきたいと考えております。 次に、洋上風力発電の有望海域における将来性の評価と検討状況についてでありますが、昨年8月に洋上風力発電に係るゾーニングマップを公表後、これまで、村上市及び胎内市沖以外の海域についても、風力発電事業を検討している事業者から問合せを受けており、一定の将来性が見込まれるものと考えております。 これらの事業者に対しては、漁業や環境への影響等の情報提供を行っており、今後、事業者による検討が具体化され、利害関係者の同意が得られる海域が出てきた場合には、合意形成に向けた検討会を開催するなど、調整を進めてまいりたいと考えております。   〔知事政策局長森永正幸君登壇〕 ◎知事政策局長(森永正幸君) お答えいたします。 県民だよりにおけるU・Iターンとそれに対する県の取組の紹介についてでありますが、県民だよりは、デジタル媒体を利用しない県民の皆様にも広く県政の情報をお伝えし、理解を促す有効な広報媒体と考えており、これまでもU・Iターン支援策をはじめ、県予算や新型コロナウイルス感染症対策等の重要施策をお知らせしてまいりました。 本年度につきましても、家族でU・Iターンを話題にしていただけるよう、県外に転出した学生や社会人が帰省する時期を捉え、県民だよりで特集する計画としており、今後も積極的に取り上げ、関係部局と連携してU・Iターンへの理解促進に努めてまいりたいと考えております。   〔総務部長小岩徹郎君登壇〕 ◎総務部長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 個人情報の管理の徹底についてでありますが、監査委員事務局の監査結果の概況によれば、議員御指摘のとおり、令和2年度は前年度に比べて個人情報の漏えい等が所属ベースで74件増加しており、これは、電子ファイルのプロパティーに個人情報が記録されたまま県ホームページで公開していた事案が発生したこと等が要因となっております。 このような新たな課題に対応するため、昨年度、例年の研修に加え、個人情報の保護に特化した研修を行うとともに、漏えい事案が発生した所属に対する再発防止策の実施状況の報告徴収、再発防止策の全庁的な情報共有等を行い、その徹底を図ったところです。 引き続き、県民の権利利益を保護するため、個人情報の厳正な管理の徹底と、適正な取扱いに努めてまいります。   〔防災局長原直人君登壇〕 ◎防災局長(原直人君) お答えします。 避難所外避難者に対する支援についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、在宅避難等の分散避難を呼びかけているところであり、議員御指摘のとおり、避難所外避難者への配慮は重要であると考えております。 このため県では、これまで、市町村担当課長会議においても、災害時における避難所外避難者の把握や、食料・物資支援等について、十分配慮するよう依頼しているところです。 今後とも、避難所外避難者への支援を内容とした研修会や、市町村担当者との意見交換会を実施するなど、継続して取り組んでまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 6点お答え申し上げます。 結婚支援の取組についてでありますが、人口減少の要因の一つである出生数の減少は、未婚化・晩婚化の進展がその背景となっていることから、結婚支援の一層の推進は重要であると考えております。 県では1対1の個別マッチングシステムの運用や、経済団体等が実施するイベント開催に対する支援を行うなど、多様な出会いの場の創出に取り組んでまいりました。 さらに、今年度は新たに、出会い・結婚支援に関わる民間事業者等とのトークイベントを開催し、動画配信等により広く周知し機運醸成を図るとともに、若者の意識を把握し、必要な支援等の検討を行うため、結婚支援のターゲットとなる若手社会人との意見交換を開始したところです。 これらの取組を進める中で、議員御指摘のとおり、結婚は個人の価値観に関わるものであり、結婚支援の取組には一定の配慮が必要であるという課題も改めて認識された一方で、何らかの取組に参加いただいた方は、一定数が着実に交際や成婚につながっており、まず一歩踏み出すことの重要性も認識されたところです。 こうした点を踏まえ、県といたしましては、将来結婚を考えている方々に対して、結婚に向けて一歩踏み出すことができるよう後押しをするとともに、市町村や関係団体等と連携し、県全体で結婚を応援する機運を盛り上げてまいりたいと考えております。 次に、介護福祉施設の避難が長期化した場合の県や市町村の関わりについてでありますが、議員御指摘のとおり、避難が長期化する際には、物資の確保や避難先の再調整など様々な課題が生じてくるものと想定されます。 その際の県の役割として、医療・福祉人材の派遣を他都道府県や国に対して要請することや、市町村と連携し、避難者の他施設への入所を調整することとされており、これらの対応を着実に実施するとともに、消耗品等の物資についても、市町村と連携しながら不足分を支援することなどにより、避難の長期化に伴う様々な課題に対応してまいりたいと考えております。 次に、介護福祉施設の避難に伴う介護サービスの調整についてでありますが、原子力災害発生時には、BCPに基づく運営となることが想定されることや、要介護者が避難してくることで、一時的に介護ニーズが増加することになるため、議員御指摘の介護サービスの利用調整が生じ得るものと考えております。 こうした場合においては、避難者の状況を県と市町村で共有した上で、地域での介護サービス供給量を勘案し、必要なサービスが提供されるよう調整を進めてまいりたいと考えております。 次に、介護福祉サービスなどの大規模改修についてでありますが、介護施設等の事業者は昨今の燃料費や物価の高騰等に対応するため、大規模改修等に備えた積立てを取り崩すなどしながら施設運営を行っているとの声を聞いているところです。 また、国には大規模改修の補助制度があるものの、介護施設等の新設を併せて行うことを要件としたものとなっており、純粋な改修支援となっていないことや、必ずしも県内でのサービス増加につながる仕組みにはなっていないことから、当該要件の廃止を国へ要望しております。今後、大規模改修へのニーズが高まっていくことが想定されることから、引き続き制度拡充について、国に働きかけてまいります。 次に、新型コロナウイルス検査キットの施設利用者への配布についてでありますが、重症化リスクが高い高齢者や障害者が利用する施設、集団感染が発生しやすい保育所等の社会福祉施設等において、検査体制を充実していくことは重要と考えております。 このため、感染が拡大したまん延防止等重点措置期間中に約50万の検査キットを配布し、施設の職員に加え、利用者にも利用していただいているところです。 さらに、感染のおそれがある場合の検査等を目的として、希望する施設に対し職員用の検査キットを配布しておりましたが、感染拡大状況に応じて、適宜、利用者にも活用いただけることとしたところです。 次に、AI救急相談アプリについてでありますが、本アプリは、県民の不安解消や医療機関の負荷軽減を目的として開発したものであり、今年1月から3月までの間、糸魚川市の協力を得て、実証実験を行ったところです。 実証実験では、登録者全体の約3分の1が20歳代から40歳代までの女性であり、子育て世代の関心が高いことが分かりました。 また、期間中、65人から延べ197回の利用があり、15歳未満に関する相談が約3分の1を占めるなど、子供に関する相談への需要がうかがえるほか、利用者アンケートからは、本アプリが不安解消に役立ったことが分かりました。 県といたしましては、本アプリが県民の不安解消に有益であるだけでなく、適正な受診判断に役立つことで医療機関の負担を軽減する効果も期待できると考えており、より多くの方に利用していただけるよう、SNSを活用した広報、市町村や医師会などと連携した周知など、様々な機会を捉えて普及に努めてまいります。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕 ◎産業労働部長(金井健一君) お答えいたします。 移住者による継業についてでありますが、人口減少や地域産業の後継者確保が課題となる中、議員御指摘のとおり、移住者による継業は、伝統産業の継承のみならず、地域で必要とされる社会機能や生活環境を維持する上でも有効な手段であると認識しております。 本県においても、移住者が伝統産業の担い手となった事例や、後継者不足により存続が危ぶまれていた地域資源や文化が受け継がれた事例が出てきており、今後、こうした事例を増やしていくことが重要と考えております。 県といたしましては、地域の伝統産業などの状況把握に努めるとともに、移住を検討している方たちに対し、先輩移住者の体験など、継業による移住がイメージできる情報の発信を行ってまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) 2点についてお答えいたします。 県が目指す持続可能な除雪体制とその構築に向けた取組についてでありますが、道路除雪は、冬期における県民生活や経済活動を支える重要な役割を担うことから、県では、道路管理者間の緊密な連携の下、限られた人材で効率的・効果的に除雪を実施できる体制が、持続可能な除雪体制であると認識しております。 この体制構築に向け、令和3年3月に発足した国、県、市町村、除雪業者などで構成される新潟県除雪オペレータ担い手確保協議会を通じて、様々な取組を実施しております。 具体的には、議員御指摘のICTを活用した効率化・省人化に向けた取組として、マシンガイダンスや1人乗車などを試行導入したほか、担い手確保対策として、除雪に対する理解促進を図るPRやイベント開催にも取り組んでおります。さらに、令和2年度の大雪を踏まえ、道路管理者間の連携や情報発信など、除雪対応の強化を図る取組も進めております。 今後も、関係機関と連携しながら、持続可能な除雪体制の構築を図ってまいります。 次に、建設業の担い手確保に向けた取組についてでありますが、県では、これまで、中高校生等を対象とした現場見学会や出前講座の実施、若者・女性の入職促進に取り組む関係団体への支援等を通じて、建設産業の果たす役割や魅力のPRに努めてまいりました。 本年2月には、新潟県SDGs推進建設企業144社の取組を県のホームページで紹介するなど、建設産業のイメージ変革が図られるよう、情報発信に取り組むとともに、建設産業の働き方改革や生産性の向上を図ることで、若年者からも選ばれる産業となるよう、ICT活用工事や週休2日取得モデル工事のさらなる普及促進に取り組んでいるところです。 加えて、今年度新たに、バックオフィスのデジタル化を進める企業を支援し、広く県内企業へ波及させる事業にも着手したところであり、今後とも、様々な施策を推進するとともに、それらの情報が若者により届きやすいようSNS等を活用して情報発信していくことで、建設業の担い手確保につなげてまいりたいと考えております。   〔交通政策局長佐瀬浩市君登壇〕 ◎交通政策局長(佐瀬浩市君) お答えします。 地域の実情に合った地域公共交通の仕組みについてでありますが、議員御指摘のとおり、地域の実情に応じた地域公共交通の仕組みの構築は必要であり、そのためには、各地域にある多様な組織・分野の交通資源を横断的に有効活用していくことが重要と考えております。 このため、今年度においては、スクールバスやホテルの送迎バスなど、地域の交通資源を活用し、地域住民の移動手段を確保するための調査事業を行うこととし、現在、佐渡において取組を開始しております。 ○議長(佐藤純君) 与口善之君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時1分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時 開議 ○副議長(小島隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、保坂裕一君の発言を許します。保坂裕一君。   〔保坂裕一君登壇〕(拍手) ◆保坂裕一君 自由民主党の保坂裕一でございます。通告に従い、順次一般質問を行います。 まず初めに、骨髄バンクのドナー登録の推進に向けた取組についてお伺いいたします。 骨髄バンクは、1991年12月に設立され、昨年で30年を迎えました。骨髄バンク事業は、非血縁者間の骨髄・末梢血幹細胞の提供をあっせんする公的事業です。日本における骨髄バンク事業は、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律、平成24年法律第90号に基づく骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業者として、日本骨髄バンクが主体となり、日本赤十字社及び地方自治体の協力により行われています。 骨髄移植や末梢血幹細胞移植は、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患の患者さんに対する有効な治療法です。また、骨髄移植や末梢血幹細胞移植が成功するためには、患者さんと、骨髄を提供するドナーのHLA型と呼ばれる白血球の型が一致する必要があります。HLA型は、兄弟姉妹間では4分の1の確率で一致しますが、非血縁者間では数百から数万分の1の確率でしか一致しません。そのため、広く一般の方からドナーを募る骨髄バンク事業が必要となります。 そこで、まず最初に、骨髄バンクにおける本県のドナー登録者の推移状況と、県民理解を深めるための県における施策の概要についてお伺いいたします。 ドナー登録者の増加に向けては、新型コロナウイルスの影響で登録会の中止が相次いでいることや、54歳までというドナー登録の上限年齢を迎え、取消しが増えていることなどが課題になっているものと考えます。 そこで、ドナー登録の推進、啓発活動の実施については若い世代に関心を持ってもらえるように働きかけることが重要と考えます。LINEやユーチューブ等のSNSを含むインターネット媒体や、学生に確実に届くタブレット端末等を活用した情報発信は有効な啓発活動につながると考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、骨髄提供者の負担軽減に関して質問いたします。 私の地元加茂市では全国に先駆け、平成23年4月から、骨髄または末梢血幹細胞の提供ドナーと家族の負担軽減のため、骨髄を提供した方に助成を行う骨髄提供ドナー助成制度を創設しました。新潟県内では、現在、23市町村において、上限額を設けるなどした上で、入院日数に応じた助成などを行っていると承知しています。このような助成制度は全国的にも広がっており、助成を行う市町村に対し、現在、33都府県が予算補助を行っていると承知しております。 そこで、本県においても県内全ての市町村の助成制度導入につながるよう、実施主体は市町村とし、県が財源の一部を補助する施策を提案いたしますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、骨髄移植を待つ患者さんの9割以上にドナーが見つかっていますが、患者数に占める移植件数の割合を示す移植率は5割台となっています。骨髄移植を希望する一人でも多くの患者さんに骨髄移植を実施するためには、骨髄を提供するドナーの負担を軽減し、提供しやすい環境づくりが求められています。 日本骨髄バンクによれば、移植希望患者と白血球の型が適合し、ドナーになると、確認検査や最終同意面談、骨髄や血液の採取前検診、採取のための入院、採取後の検診などのために、仕事を休まなければいけない日が10日以上に及ぶことも珍しくないとのことです。 しかしながら、ドナー登録が可能なのは、18歳から54歳の社会の中核を担う年代とも重なるため、仕事を休めない、休暇を取得するにはハードルが高いとの声が聞かれます。そのため、骨髄の提供に必要な休暇を、ドナー自身の有給休暇を使うのではなく、特別休暇として認める骨髄バンクドナー休暇制度を導入している企業があると承知しています。 そこで、県内企業のドナー休暇制度の導入状況についての受け止めを伺うとともに、ドナー休暇制度を行政としてしっかりと周知し、力強いサポートや働きかけが必要と考えますが、所見をお伺いいたします。 また、平成30年12月に骨髄バンク関係団体より花角知事に非血縁者間造血幹細胞移植事業に関する要望書が提出されており、県内においてはボランティア団体による積極的な活動が行われていると承知しております。 今後、ボランティア団体と連携した普及啓発にどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。 県は、骨髄バンク事業の推進及び受入れに関し、関係者の協力を求める必要性について、推進活動を行うボランティア団体と認識を共有し、連携した上で必要な措置を講じていくことを要望して、この項の質問を終わります。 次に、本県において重要な課題の一つである地域医療についてお伺いします。 まず、医療提供体制の確保についてであります。 新潟県の医師不足は深刻な状況が続いています。厚生労働省の調査によれば、人口10万人当たりの医師総数は、2020年末時点では218.2人で、都道府県別で5番目に少ない43位だったとの報道がありました。調査は2年に1度行われ、前回2018年末の210.5人から7.7人増えたものの、全国平均の269.2人を大きく下回っています。10年前の191.2人と比較して27人増えていますが、全国順位は依然、下位に低迷しています。調査結果では、本県の医師総数は4,803人で、前回から76人の増加ですが、伸び率では1.6%増であり、全国平均の3.8%増に比べて低い結果となっています。 本県の医師不足をめぐっては、厚生労働省が作成した、将来人口を踏まえた医療ニーズに基づき、地域ごと、診療科ごと、入院・外来ごとの医師の多寡を統一的・客観的に把握できる、医師偏在の度合いを示す指標であり、より実態に即した状況を示す医師偏在指標で全国最下位でした。 このような状況を受け、県は医師確保に向け、これまで医学部の地域枠の拡大や臨床研修医の確保を進めてきたと認識しています。持続可能で質の高い医療と健康立県を掲げて臨んだ花角県政2期目において、本県の医師不足解消に向けた知事の決意と対策についてお伺いいたします。 また、県土の広大な我が県においては、医療資源が少なく通院が困難であったり、医師不足が深刻な僻地等において、医療提供体制を確保する手段の一つとして、オンライン診療の取組が議論されていると承知しています。 また、様々な診療スタイルが私たちの生活様式の多様化により展開される中、新型コロナウイルス感染症を機にオンライン診療の取組に注目が集まっているとも感じています。 そこで、県では今年度、へき地等におけるオンライン診療モデル検討事業により、オンライン診療の実施に向けた検討を進めるとしていますが、その取組の概要と検討状況についてお伺いいたします。 また、高齢者の医療ニーズが増え続ける中で、オンライン診療やAI、ICTを駆使した診療に対し、機械が診療するのでは、といった誤ったイメージを持つ高齢者もいることから、オンライン診療はあくまで対面診療の補完であることを丁寧に説明し、住民の理解を得るべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、県立の僻地4病院の役割・在り方の見直しについてであります。 県立の僻地4病院の役割・在り方の見直しについては、新型コロナウイルス感染症の対応等もあった中で、地元自治体と意見交換を実施し、多面的で難しい判断が求められていると想像します。 大切なのは利用者目線であり、住民の意向をいかに酌み取るかという視点が地域医療の在り方には不可欠だと考えますが、所見を伺うとともに、現在までの経過と進捗状況、今後どのような方針で協議を継続していくのか、お伺いいたします。 次に、県央地域の医療体制についてであります。 県央地域の医療体制は、令和5年度中の開院を目指して現在建設中の県央基幹病院が、圏域内の救急医療・専門医療の中心的な役割を担い、県立加茂・吉田病院と済生会三条病院は地域密着型病院として、慢性疾患を持つ高齢者の入院診療や重症化予防等の役割を担う病院として、相互に連携しながら、限られた医療資源を効率的に配置することにより、地域の医療提供を持続させていくことになると認識しています。 県央基幹病院の職員確保については、運営主体の決定前から各種媒体を活用した様々な取組が行われていると承知しています。 運営主体である新潟県済生会は、県と連携し、どのような計画で医師・看護師・医療スタッフを確保する見通しなのか伺うとともに、現在の充足状況と今後の対応についてお伺いいたします。 また、県央基幹病院は、県央地域の公立・公的5病院の急性期機能を集約し、多様な疾病の患者を受け入れる県内初のER救急体制を導入すると承知しています。 本県の人口10万人当たりの救急医は、全国でもワースト4位の1.9人とされていますが、ER救急体制に必要な救急医の人数と確保状況、今後の救急医確保に向けた取組についてお伺いいたします。 次に、県立加茂病院、吉田病院の運営を民間の指定管理者に移行する方針により、今定例会にそれぞれ候補となる法人が提案されています。民間の指定管理者による運営委託については、これまでも議会において様々な議論がなされてきました。 今回の指定管理者の候補者選定結果について知事の所見を伺うとともに、民間の指定管理者による運営の意義や、地域医療にどのような貢献が期待されるか、所見をお伺いいたします。 次に、指定管理者の応募があったのは、吉田病院で2法人、加茂病院は募集期間を延長したものの、1法人にとどまったとのことであります。 本来ならば、両病院ともに多数の応募があり、より高い意欲を持ち、高く評価される法人が選ばれることが質の高い医療につながると考えますが、応募法人が少なかったことに対する知事の受け止めを伺うとともに、審査委員会において選定に至った評価のポイントについてお伺いいたします。 次に、加茂病院、吉田病院においては、指定管理者正式決定後の圏域内の各病院との連携強化が必要と考えます。 令和5年度中の予定である県央基幹病院の開院と同時に連携機能をスムーズにスタートさせるためには、協議すべき項目やその内容等を決めていくスケジュールはかなりタイトになるのではないかと危惧しますが、県として今後どのように調整を進めていくのか、取組方針をお伺いいたします。 地域の住民の間でも、とりわけ現在加茂病院や吉田病院を利用している方々には、既存病院の機能がどう変わるのかという不安があります。積極的に情報提供すること、繰り返し丁寧に説明することが肝要ではないかと考えます。 私は、過去の議会においても、住民への説明について繰り返し提案してきました。地元では、急病時は基幹病院まで行かなければならないのか、内科系中心になるので、新しく外科系のかかりつけ医を探さなければならない、などなどの声が聞かれますが、総じて誤解と説明不足に基づいたものが多いと実感していたからです。 地元の田上町議会からは、複数回にわたり、知事並びに病院局長宛てに意見書が提出されています。 そこで、既存の県立病院の運営を、県立病院形態のまま民間医療法人による指定管理者制度に移行するという県政史上初の取組が行われようとしている中で、住民に心配や不安があるのは当然のことと考えられます。 特に高齢者の理解を促進するためには、オンラインではなく対面での説明会を実施すべきと考えますが、知事の所見を伺うとともに、今後の住民理解に向けた取組の方向性をお伺いいたします。 次に、県立病院の経営強化についてであります。 総務省は、持続可能な地域医療提供体制を確保するためには、医療確保等を進めつつ、限られた医師・看護師等の医療資源を地域全体で最大限効果的に活用するという視点を最も重視し、新興感染症の感染拡大時等の対応という視点も持って、公立病院の経営を強化していくことが重要として、公立病院経営強化ガイドラインを策定し、都道府県にガイドラインを踏まえた公立病院経営強化プランの策定に取り組むよう通知したと承知しています。 プラン策定に向けた準備状況と今後の進め方について伺うとともに、プランの策定により財政措置や交付税措置の拡充など、どのようなメリットがあるのか、併せてお伺いいたします。 この項の最後の質問ですが、病院事業会計の経営改善を進めるには、病院に関係する全ての職員が共通認識を持ち、一丸となって取り組むことは当然ですが、診療報酬はもとより物品の調達などの部門において、専門的な知識や経験を有する人材の確保や育成が重要であると考えます。所見を伺うとともに、病院経営に精通した人材確保の取組状況と効果についてお伺いいたします。 最後に、県政の諸課題についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響により、国内経済は大きな打撃を受け、その長期化により深刻さを増しています。徐々に緩和されてはきているものの、外出自粛ムードや消費不振は現在も続いており、様々な業種で現在も厳しい状況は変わりありません。 全国の感染者数は、感染力が高いとされる変異株BA.5の置き換わりにより、ここに来て急速に増加し、1日当たりの過去最多を更新するなど第7波が本格化してきており、再び行動制限が課せられるのではないかと不安を口にする事業者も増えてきている中、社会経済活動の一刻も早い持ち直しに向けた施策の展開が期待されています。 その中で、観光施策について質問いたします。 Go To トラベルの代替措置として、国が財政支援を行う新潟県事業、使っ得!にいがた県民割キャンペーンについては、利用者の100万人達成が確実になったとの報道がありました。 使っ得!にいがた県民割キャンペーンについては、観光業のみならず、地域経済への効果も大きいと考えられますが、現時点でのキャンペーンの実績と効果をどのように評価しておられるのか所見を伺うとともに、国は今月前半の開始を目指していた全国旅行支援の延期を発表しましたが、これを受けた県の対応についてお伺いいたします。 また、観光庁が公表した5月の宿泊旅行統計の速報によると、国内のホテル・旅館に宿泊した人数は前年同月比82.3%増の3,779万人で、前年同月の数字を6か月連続で上回りました。旅行需要は回復基調にあると思われ、今後もリベンジ観光、リベンジ消費が見込まれています。 そのような中で、県では訪日外国人観光客の受入れ再開を受け、海外の旅行会社社員を対象にしたモニターツアーを行ったと承知しています。 モニターツアーの手応えを含め、ウィズコロナにおける本県の持つ魅力を生かした外国人観光客受入れ拡大に向けた取組方針についてお伺いいたします。 先般、東京都渋谷区に設けている新潟県のアンテナショップ、表参道・新潟館ネスパスの現店舗での営業を2023年12月に終了するとの発表がありました。 表参道駅から徒歩1分の場所にあり、新潟県の情報や魅力を発信するアンテナショップ、ネスパスは1997年にオープンした観光PR拠点であると同時に、県内の特産品を直接買ったり味わったりすることのできる貴重な施設と考えています。 また、個人的にも地元の物産会で何度も販売に行った経験があり、来場者の新潟の味、新潟の物産、新潟県そのものに対するイメージをダイレクトに聞くことのできる大切な場所だと認識しています。 報道によれば、入居するビルが老朽化し、建て替えが決まったことが理由とのことですが、県は存続を含め、新たな拠点設置に関する検討を行うとしていますが、都内に新潟県の情報発信拠点を存続させる必要性と意義について知事の所見を伺うとともに、検討会議の進捗状況をお伺いいたします。 次に、農林水産物の輸出拡大に向けた取組についてであります。 農林水産省が2月に公表した農林水産物輸出入情報によると、2021年の農林水産物・食品輸出額は前年比25.6%増の1兆2,385億円となり、2006年に政府が年間輸出額1兆円を目標と定めて以降、初めて1兆円を突破したとのことであります。 輸出額の大きい上位3品目は、1位がウイスキー、日本酒を含めたアルコール飲料、2位はホタテガイ、3位は牛肉という結果でした。 また、輸出額上位3か国は、1位が中国、2位は香港、3位は米国という結果でした。 政府は、農林水産物・食品輸出額について、2025年に2兆円、2030年には5兆円の達成を目指しています。 県では、新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランを策定し、輸出を新潟県産農林水産物の販路拡大につながる重要な手段として捉え、本県の農林水産業の成長産業化に向け、取り組んでいくものと承知しております。 少子高齢化と人口減少に伴い、国内では今後農林水産物や食品の消費減少が見込まれる中、農業・農村の持続性を確保し、農業の生産基盤を維持していくためには、もうかる農林水産業を確立することで、農林水産業への従事者を増やす必要があり、輸出の取組はその手段の一つと考えますが、知事の所見を伺うとともに、県産農林水産物の輸出拡大に向けた取組の現状についてお伺いいたします。 また、日本海側の拠点都市である強みを生かし、県産農林水産物を国際線の就航する新潟空港を活用して輸出することは、新潟空港の利用拡大にもつながるなどシナジー効果が期待できると考えますが、新潟空港を活用した県産農林水産物の輸出拡大の可能性と取組方針について、知事の所見をお伺いいたします。 次に、県営のスケートボードパークについてであります。 県は、新潟市中央区の新潟県スポーツ公園に、県営では初めてとなるスケートボードパークを設置することとしました。 昨年夏の東京オリンピック2020では、村上市出身の平野歩夢選手が、まさに二刀流としてスケートボードにも出場し、大いに注目されたところであります。 また、今年4月にアクションスポーツのトッププロを世界中から招待し、千葉市で開催されたXゲームでは、日本勢が大活躍し、その健闘ぶりや難度の高い技への挑戦を選手同士がたたえ合う姿が観客を魅了していました。 そこで、新潟県スポーツ公園に設置されるスケートボードパークにおいて、様々な大会やイベントなどが開催されることとなれば、競技に触れる子供たちが、平野歩夢選手をはじめとしたオリンピック出場選手のように、夢と希望を持つことにつながると考えます。 子供のスポーツ推進など、スケートボードパークを今後どのように活用していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、運動部活動の地域移行についてであります。 学校の運動部活動は、スポーツに興味・関心のある生徒が参加し、教師等の指導の下、学校教育の一環として行われ、スポーツ振興を大きく支えてきました。 また、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等の好ましい人間関係の構築を図るとともに、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、様々な意義を有しているものと考えます。 一方で、競技経験のない教師が指導せざるを得ないことや、休日も含めた運動部活動の指導が求められたりすることなど、教師にとって大きな業務負担との側面もあります。 そのような中で、教員の働き方改革として、教育・指導に関わる関連業務の教員負担を軽減する動きが広がっており、公立中学校の運動部活動を休日は地域のスポーツクラブなどに委ねるべきだとする有識者会議の提言がスポーツ庁に提出されました。 加速化する少子化による生徒数の減少で部活動の維持が困難になる中、指導者や顧問として長時間労働を強いられている教員の負担軽減が目的とされていますが、本提言についての知事の所感をお伺いいたします。 教員の働き方改革を踏まえた運動部活動改革については、これまでも議論され、ガイドラインが示されてきたところであります。 本県でも地域における新たなスポーツ環境の構築に向けた基盤整備や、子供にとって望ましい大会の推進という観点から、調査や実践研究に取り組んできたと承知していますが、具体の取組として、国の地域運動部活動推進事業及び中学校における部活動指導員の配置支援事業は、本県においてどのように実施され、その成果や課題についてどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。 また、学校での運動部活動の地域移行は、これまでは全ての子供たちが公平で、無償で、学校でという文化を、希望者が、有償で、地域の施設でという、なぞらえれば習い事のような仕組みに切り替わっていくイメージを持ちます。地域や保護者の理解を得ることは重要ですが、簡単ではないという感想を持ちます。 受皿となる指導者やスポーツ団体の確保に加えて、保護者の家計負担、保険の在り方、施設・用具の使用や管理、何より関係者の理解促進等、課題は多岐にわたっていると考えます。 提言では県において具体的な移行プランやスケジュールを定めた推進計画の策定を求めていますが、課題解決に向けた今後の取組の方向性についてお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 保坂議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、骨髄提供ドナー助成制度についてでありますが、現在、全国で骨髄移植を希望する患者の9割にドナーが見つかっていますが、実際に提供まで至るのは5割程度であることから、ドナー登録者を増やしていくとともに、見つかったドナーが最終的に提供に至るまでサポートしていくことが重要と考えています。 国の研究では、ドナー提供に至った方は、合併症に対する不安が少なかったという傾向が認められた一方で、助成制度の有無については関連が認められなかったとの報告もあることから、ドナー候補者になった時点での丁寧な説明や、ドナーをサポートするコーディネーターの質の向上などが重要であり、必要に応じて国に要望してまいります。 県といたしましては、引き続き、ドナー制度の正しい情報提供に努めるとともに、ドナー助成制度も含め、ドナー登録がしやすい環境づくり、移植率の向上などにおける県の効果的な取組について検討してまいります。 次に、ボランティア団体と連携した普及啓発についてでありますが、県では、現在、ボランティア団体と連携した取組を進めており、各保健所で行っている献血会場において骨髄バンクドナーの登録勧奨など、骨髄バンク事業に係る普及啓発を積極的に行っていただいております。 また、毎年、県の連絡協議会において、骨髄バンク事業の推進について御意見をいただくとともに、事業活動の情報共有を行っているところです。 県といたしましては、ドナー登録者の増加に向けて、引き続き、ボランティア団体と連携をし、登録機会の確保と骨髄バンク事業の普及啓発に、より一層努めてまいります。 次に、地域医療についてお答えします。 まず、医師不足解消に向けた決意と対策についてでありますが、県では、定着率が高い医学部地域枠の新設・拡大を行い、令和4年度は昨年度より20名増となる7大学53名としたほか、臨床研修病院における魅力向上の取組をはじめ、県独自の研修コースや市町村と連携した留学支援等に取り組み、今年度の研修医は昨年度より21名増加の125名となりました。 今後とも、さらなる医師不足の解消に向け、地域枠の拡大に取り組むほか、新たに県外の人気病院と連携した研修プログラムを創設することなどにより臨床研修医等のさらなる確保に取り組んでまいります。 また、国への働きかけについても、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会などを通じて、実効性のある偏在対策につながる抜本的な制度改革の実現について、引き続き国に要望するなど、医師確保に全力で取り組んでまいります。 次に、加茂病院、吉田病院の指定管理者候補の選定結果等についてでありますが、医療関係者等から成る審査委員会において、地域密着型病院として高齢者医療を中心とする役割を担う両病院を適切に運営することのできる法人を、選定していただいたものと考えております。 また、今回提案している指定管理者はいずれも、県内で回復期を中心とする病院のほか、グループ法人も含め多くの介護施設等の運営実績を有しており、このたびの指定管理者制度導入の意義である、民間の運営ノウハウを生かした効果的・効率的な病院運営や利用者サービスの向上にかなうものと考えております。 今後、両法人からは、県央基幹病院開院後に両病院が担う、地域包括ケアシステムにおける医療の中心的役割を適切に果たしていただくとともに、医療と介護のより一層のスムーズな連携により、地域の医療・介護両面で貢献いただけるものと期待しております。 次に、吉田病院、加茂病院の指定管理者候補の応募状況等についてでありますが、指定管理者の周知・募集につきましては、全国の病院を運営する医療法人等を対象とするとともに、県内で病院を運営する医療法人に対しては個別に案内を行ってきたところです。 結果として、議員御指摘の応募数にとどまったものの、今回、指定管理者として提案した両法人は、審査委員会が設定した審査基準に照らし、吉田病院、加茂病院を適切に管理・運営する能力を有すると認められたものであり、県といたしましては、両病院を運営するに適した法人が選定されたものと考えております。 また、審査委員会においては、県央地域医療構想調整会議での合意事項を踏まえ、具体的かつ意欲的な提案を行った点などが評価され、選定に至ったものと認識しております。 次に、加茂病院、吉田病院の指定管理者への運営移行に係る住民説明会等についてでありますが、両病院を御利用いただく地域住民の方から、今後の加茂病院、吉田病院の運営や県央基幹病院を含む周辺病院の役割・機能等について御理解をいただき、心配や不安を解消することは重要であると考えております。 このため、両病院の利用者に高齢者が多いことも踏まえ、移行準備状況に応じ、対面での住民説明会を行いたいと考えております。あわせて、地元市町村等と連携をし、様々な広報手法を用いながら情報発信等を行うなど、住民理解の促進を図ってまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、アンテナショップの必要性と意義についてでありますが、ネスパスは、これまで、首都圏において県産品や観光、U・Iターンに関する情報を発信する拠点としての役割を担ってまいりましたが、デジタル化の進展や消費行動の変化等に伴い、情報発信拠点の必要性や意義について、改めて検討する必要があると認識しております。 また、今後は、何よりも、選ばれる新潟の実現に向け、情報発信拠点を通じて本県に訪れる人の動きをつくることが、一層重要になると考えております。 その使命を達成するため、首都圏の情報発信拠点の在り方について、現在、外部有識者から御意見をお聞きしているところであり、今後の方針について検討を進めてまいります。 なお、検討会議の進捗状況につきましては、産業労働部長からお答えをいたします。 次に、農業従事者を増やす手段としての輸出への取組についてでありますが、国内市場が縮小する中、輸出は、成長する海外市場を取り込むビジネスチャンスであり、海外販路の拡大等により、もうかる農林水産業を確立することで、意欲ある担い手の新たな参入や、後継者の確保につなげていくことが必要と考えております。 このため、県といたしましては、新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランに基づき、輸出に向けた機運の醸成や、商流・物流を担う事業者等との連携による輸出ルートの構築、産地新潟のブランド化などにより輸出拡大を積極的に推進してまいります。 なお、輸出拡大に向けた取組の現状については、農林水産部長から答弁いたします。 次に、新潟空港を活用した県産農林水産物の輸出拡大の可能性と取組方針についてでありますが、航空輸送は、コストが高いもののリードタイムが短く、鮮度や品質を保持したまま輸送できる利点があり、加えて、地元空港の活用は、国内輸送に係る時間やコストの縮減にもつながるものと考えております。 実際、新型コロナウイルス感染症の影響による国際線の運休前までは、ニシキゴイが新潟空港から輸出されていたことから、航空輸送の利点を生かし、利益が得られる品目であれば、農林水産物の輸出拡大につながるほか、空港利用を促進する効果も期待できると考えています。 県といたしましては、今後とも、輸出先の市場環境やニーズ、新潟空港の国際線の運航状況等も踏まえ、輸出拡大に取り組んでまいります。 次に、今後整備する予定のスケートボードパークの活用についてでありますが、現在、初心者でも安全に楽しめるスケートボードパークを目指して調査・設計を進めております。 今後、活用策について検討することとしているところですが、関係者の意見もお聞きしながら、スケートボードに興味を持つ多くの子供たちから利用され、子供のスポーツ推進にもつながるような施設にしてまいりたいと考えております。 また、広く県民の方々からレクリエーションの場として活用していただくことで、県立都市公園のさらなるにぎわいと県都新潟市の魅力アップにつながることを期待しております。 次に、部活動改革に係る提言についてでありますが、提言で示されたとおり、生徒数の減少や教員の働き方改革の観点から、部活動を地域の活動に移行し、持続可能な形で、子供たちが手軽にスポーツに親しむことができる環境を整備する必要があると認識しております。このことにより、学校の働き方改革が推進され、学校教育の質の向上にもつながることを期待しております。 現在、県内の市町村では、令和5年度からの段階的な地域移行に向けた準備が進められていると伺っておりますが、生徒にとっても教員にとってもメリットがあり、さらには、地域の活性化につながるような改革を進めていく必要があると考えております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 7点お答え申し上げます。 まず、本県のドナー登録者の推移状況と施策の概要についてでありますが、ドナー登録には年齢に上限があり、一定の登録者数を確保するためには、一定の新規登録者数を確保し続ける必要があります。 本県のドナー登録者数は、令和元年度までは、約9,400人でほぼ横ばいで推移してきたところ、令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により新規登録者数が減少し、ドナー登録者数も減少に転じましたが、令和3年度には新規登録者数は一定程度持ち直しております。 県では、がん対策推進条例に基づき、骨髄移植を推進するため、骨髄バンク事業の普及啓発や、関係団体と連携した献血会場でのドナー登録に取り組んでおり、今後、感染状況を見極めながら、登録の機会を確保するとともに、引き続き県民への理解を呼びかけてまいります。 次に、ドナー登録推進のための効果的な啓発活動についてでありますが、一定の新規登録者数を確保し続けるためには、骨髄バンク事業について、特に若い方々からの理解を得ることが重要と考えております。 県では、ホームページやSNSによる情報発信のほか、18歳からドナー登録が可能となることから、県内の高校3年生全員にリーフレットを配布し、ドナー登録についての理解を求めております。また、市町村の協力を得ながら、成人式での周知啓発等を行っているところです。 情報発信については、議員御指摘のとおり、インターネット媒体を活用した啓発や、一人一人に確実に情報が届くタブレット端末等を活用した情報提供も有効であると考えており、引き続き、若い世代への効果的な周知啓発に努めてまいります。 次に、県内企業のドナー休暇制度についてでありますが、令和3年度に新潟県と新潟市が県内約1,300の事業所に行った実態調査の結果によれば、骨髄ドナー休暇制度を導入している企業は全体の4%にとどまっております。 ドナーの候補とされながら、仕事の都合がつかないことにより辞退される方が一定数いることから、ドナーに対する企業の理解をより一層推進し、骨髄ドナー休暇制度の導入企業を増やしていくことが重要であると受け止めております。 県といたしましては、県内企業に対し、広報紙への記事掲載やリーフレットの配布などにより、制度導入の呼びかけを行っているところですが、今後も企業に対してドナー休暇制度の導入を積極的に働きかけるとともに、引き続き、制度の普及について国に要望してまいります。 次に、へき地等におけるオンライン診療モデル検討事業の取組の概要と検討状況についてでありますが、議員御指摘のとおり、オンライン診療は、医師不足が深刻で、僻地や離島を抱える本県にとって、医療提供体制を確保していくための有効な手段の一つであると認識しており、本事業は、医療へのアクセスが困難な地域において、オンライン診療の活用を進めるため、本県において効果的に医療を提供できるモデルの検討を行うものです。 現在、無医地区等を有する市町村や僻地診療所などに対して、オンライン診療の具体的なニーズや導入に当たっての課題についてヒアリング調査等を行い、モデル構築の検討を行っているところです。 モデル構築後、市町村と協働で実証事業を行い、その成果を横展開することで、どこにいても適切な医療が受けられる環境を整備してまいりたいと考えております。 次に、オンライン診療に対する住民の理解についてでありますが、オンライン診療は、情報通信機器を使用して、遠隔地の医師が、患者の診察などを行うものでありますが、議員御指摘のとおり、あくまで対面診療の補完との位置づけであり、得られる情報などが限られているため、安全性・信頼性を確保する観点から、直接対面して行う診療と組み合わせることが要件とされております。 これまでなかった新たな診療の方法であり、高齢者をはじめ、なじみのない住民も多いことから、オンライン診療の活用を進めるに当たりましては、住民が、その仕組みや利点などを十分理解した上で安心して受診できるよう、丁寧に説明してまいります。 なお、ICTに不慣れな高齢者への対応につきましては、看護師等が、情報通信機器の操作のサポートなどを行う方法が有効と考えられることから、へき地等におけるオンライン診療モデル検討事業において検討してまいりたいと考えております。 次に、県央基幹病院の医療スタッフの確保についてでありますが、現在、運営主体である新潟県済生会が県や再編統合病院である燕労災病院と共に、県央基幹病院の運営体制の検討を進めております。その中で、運営に必要となる医療スタッフ数など、具体的な確保計画の策定を進めており、今後、統合2病院からの最終的な職員の転籍意向が確認され次第、開院までの計画について、取りまとめ作業に入る予定です。 一方で、転籍意向の取りまとめ前でも、必要と見込まれる概数に基づいて、採用を進めており、既にオンライン海外留学制度を活用する臨床研修医2名が今年度から臨床研修に入っているほか、看護師の採用数が大幅に増加するなど、着実に効果が出てきております。 県といたしましても、新潟県済生会と共に、新病院立ち上げの現場経験やオンライン海外留学等のキャリアパスにつながる環境、働きやすい環境を整備し、開院に向けた医療スタッフの確保に取り組んでまいります。 次に、県央基幹病院の救急医確保についてでありますが、本県の救急科医師数は、2024年の必要医師数79人に対し、2016年時点で38人と約40人不足しており、一人でも多く救急医の確保が必要な状況です。 燕労災病院において、既に、自前で救急医を育成可能な救急科専門研修基幹施設となるために必要な救急科医師2名を確保し、必要最小限の確保はなされていると考えております。しかし、さらなる充実に向けて、若手医師や救急科、総合診療科の医師を対象としたオンライン海外留学支援制度を創設し、全国から広く医師を募集しているところです。 これまで、臨床研修医2名にオンライン海外留学の内定を出しており、今年度から臨床研修に入っているほか、来年度以降の採用についても、これまで複数の医師から問合せがあり、オンラインでの面談や病院見学の受入れにつながっております。 今後とも医療系メディアをはじめ、SNSや募集パンフレット等の活用、学会でのリクルート活動の実施等により、新病院の立ち上げの現場経験や、救急科と総合診療科を統合した救急・総合診療科でのキャリア形成など、県央基幹病院の魅力を発信し、ER救急体制に必要な医師の確保につなげてまいります。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕 ◎産業労働部長(金井健一君) お答えいたします。 情報発信拠点に関する検討会議の進捗状況についてでありますが、情報発信に知見を有する外部有識者などで構成する首都圏情報発信拠点あり方検討会議を設置し、これまで2回の会議を開催いたしました。 この会議では、首都圏におけるアンテナショップの意義や必要性、設置する場合の機能などについて議論をいただいており、これまで、委員からは、情報発信の在り方や実店舗を持つことの意義などについて、様々な御意見が出ております。 今後、取りまとめられる予定の検討会議からの意見を踏まえ、年度末までに県としての方針を決定したいと考えております。   〔観光文化スポーツ部長妹尾浩志君登壇〕 ◎観光文化スポーツ部長(妹尾浩志君) 2点についてお答えいたします。 県民割キャンペーンの実績と効果等についてでありますが、使っ得!にいがた県民割キャンペーンについては、最新の集計によると、延べ110万人を超える方々に御利用いただいているところです。県内の延べ宿泊者数はコロナ前の水準に届いておりませんが、キャンペーン実施期間中は前年の約1.2倍で推移しており、地域クーポン券の付与による消費喚起と併せ、一定の効果が現れているものと考えております。 また、議員御指摘のとおり、国において全国旅行支援の実施が見送られたことから、県としては、使っ得!にいがた県民割キャンペーンを8月末まで延長することとしたところであります。 次に、訪日外国人観光客の受入れ拡大に向けた取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、県では、6月28日から7月4日にかけてシンガポールの旅行会社の方を招聘し、商品造成を担当するスタッフに高い関心を持って、県内の観光資源を直接見ていただくことができ、今後の旅行商品の造成や本県への誘客につながるものであったと受け止めております。 県といたしましては、インバウンド需要の早期回復に向け、関連する予算案を本定例会にお諮りしているところであり、訪日旅行の制限緩和の状況に応じて、団体旅行商品の造成促進や個人旅行の受入れ再開も視野に入れたプロモーションなど、民間事業者等と連携した誘客の取組を進めてまいります。   〔農林水産部長小幡浩之君登壇〕 ◎農林水産部長(小幡浩之君) お答えいたします。 県産農林水産物の輸出拡大に向けた取組についてでありますが、県では本年3月に策定した新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランに基づき、輸出に取り組む生産者等への機運醸成を図るとともに、輸出に必要な知識や情報等を提供するため、セミナーを開催し、東南アジアや中東の現地マーケットの最新情報、実際に輸出に携わる方の先進事例等を紹介してまいりました。 また、あわせて、海外に拠点を持つ流通事業者や商社と連携した個別商談会を開催することにより、新たな輸出ルートの構築に向けた取組を順次進めているところです。 今後はさらに、現地で人気の外食チェーンや流通事業者等との連携により、新潟フェアの開催や、トライアル輸出に取り組むなど、県産農林水産物の輸出拡大を積極的に推進してまいります。   〔病院局長山﨑理君登壇〕 ◎病院局長(山﨑理君) 4点お答えいたします。 いわゆる僻地病院の役割・在り方の見直しについてでありますが、持続可能な医療提供体制の構築に向けては、地域住民の理解を得ながら進めていくことが必要であり、議員御指摘のとおり、住民の意向を酌み取る視点は重要と考えております。 また、地元市町との意見交換の状況については、地域医療構想のグランドデザインに基づく各地域での議論を踏まえるとともに、地元住民の利用状況等のデータを示しながら、病院の役割や機能などについて、丁寧に意見交換を重ねてきております。 引き続き、適切なタイミングで住民説明会の開催も含めて議論を深めるなど、結論ありきではなく、地元の思いに寄り添って、丁寧に取組を進めてまいります。 次に、加茂病院、吉田病院の指定管理者決定後の圏域内の調整についてでありますが、現在、加茂病院、吉田病院を含む県央地域の7病院長による会議が開催され、県央基幹病院開院後の圏域内各病院の役割分担や連携体制の強化に関し、患者の受入れなど、具体的なテーマを定め意見交換が行われております。 今後、この病院長会議に指定管理者も参加し、協議・調整を行うことと併せ、圏域内の病院、診療所、福祉施設等と個別に意見交換を行うなどにより、スムーズな連携構築に取り組んでまいります。 次に、経営強化プランの策定等についてでありますが、これまで現行プランである新潟県病院事業の取組方針に基づき、中期的な経営改善に向けて、様々な取組を実施してきており、毎年度、県立病院経営委員会から取組に対する評価・助言をいただいているところです。 新たなプランの策定に当たっては、この評価・助言に加え、総務省から発出された公立病院経営強化ガイドラインや地域医療構想のグランドデザインに基づく各地域での議論など県立病院を取り巻く最新の動向等を踏まえながら、令和5年度中に策定できるよう、各病院と情報共有を密にしながら、取り組んでいるところです。 また、財政措置等のメリットとして、プランに基づく施設・設備整備に係る起債の元利償還金や、医師・看護師等の派遣に係る経費への地方交付税措置の拡充が挙げられます。 次に、病院経営に精通した人材の確保育成についてでありますが、さらなる収益の向上と費用の効率化のためには、担当職員の一層の資質向上が必要であり、診療報酬や医療材料の調達などに専門的な知識や経験を有する人材の確保育成が重要であると認識しております。 このため、民間病院等の従事経験者の採用や将来にわたり県立病院経営を担う新規学卒者の採用などにより、県立病院プロパー人材の確保育成に力を注いでいるところです。 こうした取組により、県立病院の経営改善に向けて重要な役割を担う職員が育ってきているところであり、引き続き人材の確保育成に努め、病院経営の改善に係るノウハウの蓄積を進めてまいりたいと考えております。   〔教育長佐野哲郎君登壇〕 ◎教育長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、部活動に係る国事業の成果と課題についてでありますが、地域運動部活動推進事業は、昨年度より、県内4市で、部活動の地域移行に向け、モデル的に企業と連携した指導者確保や、大学と連携した指導者の資質向上などの先進的な取組を行っており、県教育委員会では、そうした取組が、ほかの市町村が準備を進める際の参考となるよう、地域移行に向けた制度設計の手引として取りまとめたところでございます。 一方、地域移行には、運営体制の整備や指導者の確保、適正な受益者負担額の設定等の課題が改めて明らかになったことから、本年度も継続実施するモデル事業で検証してまいります。 また、中学校における部活動指導員の配置支援事業により、昨年度、部活動指導員を20市町村に191人配置したことで、部活動顧問の時間的な負担軽減に一定の効果が確認できた一方、今年度は、学校が希望する指導者数を一部確保できておらず、人材確保が課題であると認識しております。 次に、部活動の地域移行の取組についてでありますが、県教育委員会が昨年度開催した、新潟県部活動改革検討委員会では、運動部活動の地域移行に当たっては、指導者の確保などの課題に加え、関係者への理解促進が指摘されたことから、受皿となることが想定される団体等への説明や、県小中学校PTA連合会の広報紙への情報掲載等により周知を図ってきたところです。 今後は、関係部局や関係団体と連携し、地域移行に向けた制度設計の手引を基に、県の推進計画を作成して各市町村教育委員会に示すとともに、準備が遅れている市町村については個別に支援をすることで、地域移行を進めてまいります。 ○副議長(小島隆君) 保坂裕一君の質問は終わりました。 次に、高見美加君の発言を許します。高見美加君。   〔高見美加君登壇〕(拍手) ◆高見美加君 自由民主党の高見美加です。通告に従いまして質問をさせていただきます。 質問の1点目は、経済対策についてです。 2020年の4月頃から新型コロナウイルス感染症特別貸付等を多くの事業者が借り入れました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた事業者の資金繰りを支援するため、県も制度融資を創設したほか、政府系金融機関や民間金融機関による融資が行われました。 コロナ関連融資は多額の予算をもって行われたため、通常の融資よりも借りやすく、通常であれば断られる事業者であっても融資を受けることが可能でありました。未曽有の経済停滞を見たコロナ禍で、かつてない制度融資が多くの企業を救ってきました。 しかし、いまだ経済は以前に戻ってはおらず、返済期間や返済猶予期間は企業によって様々ですが、借入れ後1年から3年の返済猶予となっているケースが多く、早い事業者では2021年の4月頃より返済が始まっております。 その中で、事業者からは、コロナ前から業績が芳しくなく、業績はコロナ前と比べて改善していない、新型コロナウイルスで業績が厳しくなり、既往の借入れの返済で手いっぱいだとし、多くの方々から事業存続への不安の声をお聞きしております。 据置期間や償還期間の延長など返済条件緩和策を講じる必要性があると考えますが、県の対応方針を伺います。 事業者支援のため県が創設した3つの制度融資のうち、売上高が5%以上減少した事業者を対象とする新型コロナウイルス感染症対応資金の実績では、建設業が約25%を占めており、経営の厳しい事業者からM&Aや廃業、倒産の懸念の声も聞いております。 このままでは、今後の防災・減災に対応する体制や、老朽化した地域インフラを再構築していかなければならないとされている現状への対応、特に毎年の除雪を請け負う業者の確保も困難となり、市民生活に大きな影響を与える事態となる懸念があります。 必要な公共事業を積極的に行うべきだと考えますが、県の投資事業予算の現状と建設業者の事業継続に向けた取組方針を伺います。 岸田内閣総理大臣は、地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮め、世界とつなぐデジタル田園都市国家構想の実現を掲げ、構想の具体化を図るとしています。地域格差が指摘される中、地方活性化を推進するためのデジタル田園都市国家構想には、様々な課題解決が大いに期待されます。 これらや、本県も推進するあらゆる分野のDX化、その実現のための5G、高速・大容量、低遅延、多数同時接続を可能とする通信インフラ整備は必須であります。現在、市街地を中心に整備が進められていると承知しておりますが、今後は、遠隔医療やスマートホーム、スマートオフィス、スマート農業などへの活用が期待されます。 平成の合併時、高速データ通信のインフラ整備は民間の整備が早期に見込めない地域は、合併の特例債が活用された経緯もあります。 地域によって格差が広がらないよう早期に整備範囲を広げる必要があると考えますが、県内の整備状況と今後の見込み、県の対応を伺います。 本年2月のロシアによるウクライナ侵略は、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けた日本経済にさらなる打撃を与えています。日本の対ロシア輸入シェアは米国とともに全体的には低いものの、品目別にシェアを見ると、木材、非鉄金属、石炭や魚介類及び同調製品の依存度は相対的に高い現状があり、これらの輸入停止は、建設業、エネルギー産業や飲食業に大きな影響を与えています。 加えて、円安の影響により資源価格が高騰し、県内事業者の経営は厳しさを増しております。 これらに対し本県も、さきの専決予算や今定例会の補正予算でも対応されているところですが、本県事業者が受けている影響と県の対応方針を伺います。 2016年の電力自由化により電気の販売に新しく参入した小売電気事業者、いわゆる新電力は、ガス会社や石油元売などのエネルギー企業のほか、通信業など異業種からの参入も相次ぎました。しかし、ウクライナ危機などの影響を受け、新電力は昨年1年間に14社が倒産し、電気料金も急激に上がっております。 さらには、再エネ賦課金単価は、従量制では、平成24年の1キロワットアワー0.22円が本年5月から来年4月分では3.45円となっており、実に15倍にもなっております。 最も影響を受けるのが製造業など電力を大量に使う業種であり、新電力から大手電力会社との契約に戻すことは容易ではなく、大手電力会社では新電力からの移行受付を停止しているとのことであり、高騰化した電気料金を受け入れざるを得ないとして、経営を圧迫する事態となっております。 長期的に見ても、電力の在り方は本県経済に大きな影響を及ぼすことが想定されます。県の対策を伺います。 原油・原材料価格の高騰に加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり消費が戻らないことから、コロナ以前から厳しい状況にある地域の産業、繊維業や鉄工業が疲弊しています。 課題を丁寧に酌み取り、需要の喚起や販路開拓などの取組が必要と考えますが、県の今後の対応について知事に伺います。 円安が進みました。為替が大きく円安に動くことは、当初はデメリットが大きくなりますが、次第に輸出増への刺激が表れ、貿易収支が当初の赤字化から黒字方向へと切り替わっていく、Jカーブ効果と言われる効果が期待されていると言われております。 本年3月上旬から始まった大幅な円安は、今後、時間差を置いてメリットへと転換していく可能性があり、従来から本県が取り組んできた農産物や日本酒などの輸出拡大をさらに加速すべき好機であり、この時期を捉え、意欲ある生産者、事業者を徹底して支援していく新たな施策に可及的速やかに取り組むべきであると考えますが、今後の方針を伺います。 長い間、産学官連携による産業活性化の取組が、国においても、本県及び県内各自治体でも行われてきました。しかし、国際的に見ても、大学等の研究成果の社会的活用やそのための組織力が充実していないことや、高度な専門知識を持つグローバルに活躍でき、多様な組織間を移動できる新しいタイプの職歴を持つ人材育成ができていないなど、課題は多く指摘されております。 本県でも、起業支援や企業ニーズと大学シーズのマッチングが積極的に行われており、変化の兆しが見えてきていますが、大学とのパートナーシップによる独創的な技術の確保が生まれてきているのか、ベンチャー企業と企業との提携戦略が産業界で定着してきたのかなど課題は多いと認識しております。 国でも、産学官の各セクターにおいて、独創的な技術シーズの創造や技術・ビジネス革新の担い手となるべき個人の能力が最大限発揮できる組織・システムが整っているとは言い難いとの課題が指摘されています。 県民所得アップ対策特別委員会で長岡工業高等専門学校の視察を行った際、地域でイノベーションを創出するために産学官や研究機関の必要性について、関係者が主張されておりました。 県の果たす役割は、各自治体の産学官連携の産業活性化を補完する支援だと考えます。県も地域におけるイノベーション創出に向けた取組に、現場の声に耳を傾け、支援すべきであると考えますが、今後の方針を伺います。 質問の2点目は、子供たちを取り巻く環境の諸課題についてです。 日本の新生児マススクリーニングは1977年に開始され、現在までの40年間で3,000万人以上の新生児がマススクリーニングを受けたとされ、1万人以上の新生児について障害の発症が予防されました。 現在、日本では先天性代謝異常症など約20種類の疾患に対して検査が行われていますが、近年の診断技術の向上により、新生児マススクリーニングの対象となり得る疾患が増加しております。 新生児マススクリーニング事業は、一見正常と思われる新生児の中から病気を持つ患児を検出し、早期治療を行い、発病を予防することを目的としており、現在、我が国で行われている新生児マススクリーニングの対象となっている病気は、アミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症など計20種類となっております。 近年、新規治療法の開発に伴い、新たな新生児マススクリーニング候補の病気が挙がっており、他国では、ポンペ病、原発性免疫不全症、ムコ多糖症1型、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症などが推奨される病気としてリストアップされており、スクリーニングが開始されているとのことです。 国内でも、他県では熊本県、栃木県など、脊髄性筋萎縮症、以下SMA、の検査を行っているところが増えております。 SMAは、筋肉を動かす指令を出す運動神経細胞が変化したり、消失していくことで様々な症状が現れる病気です。SMAを有する患者さんの割合は10万人に1人と言われており、重症例では支えなしに座ることができず、哺乳困難、嚥下困難、誤嚥、呼吸不全を伴い、90%以上が生後20か月までに亡くなってしまうか、もしくは人工呼吸器による呼吸管理が必要な状態になるとのことです。 近年、治療薬の開発が進み、早期発見・早期治療によって発症や重篤化を防ぐことが期待されております。一人でも多くの子供たちの命を救うため、県内においても検査導入すべきであると考えますが、所見を伺います。 今定例会でも繰り返し議論されていますが、休日の部活動の地域移行で学校の部活動は、長年公教育の中でほぼ完結し、どの子も保護者の負担なく部活動をやれた時代からの大きな転換期を迎えました。 受皿の確保や保護者の負担増など課題も多く、休日の部活が学校から切り離されれば、家庭状況による格差も生まれかねないと懸念しております。 スポーツ庁の有識者会議は令和7年度末をめどに地域移行としておりますが、部活動の地域移行に向けた県内の取組状況を伺います。 独り親家庭、特にシングルマザー家庭の困窮がコロナ禍でさらに顕在化し、コロナ禍では、生活費の支援や貸付け、給付金等、多くの支援施策が展開されてきました。これが短期ではなく長期的に行われるべきだとの議論もあります。 しかし、私自身がシングルマザーとして子供を育ててきた当事者として思うことは、やはり自分の子供は自分の手で育てていきたいとの強い思いです。 厚生労働省では、5年ごとに、全国の母子世帯、父子世帯、父母のいない児童のいる世帯の生活の実態把握を目的とした全国ひとり親世帯等調査を実施しております。昨年11月の調査結果はまだ公表されておりませんが、直近の調査結果を見ても、未就労の8割以上が就職したいと答えており、働いて子供を育てていきたいとの思いは共通していると認識しております。 今後は、独り親家庭が心豊かな人生設計を描ける社会の実現を目指すキャリア支援構築のための基盤整備が求められると考えます。 それと同時に、子供にとって最も大切なのは、離婚後であっても、両親が自分に責任を持って愛情を注いでくれるという確かな実感です。 以前にも繰り返し指摘したとおり、日本の離婚後の養育の実態は、子供の親権を持つ者だけにその養育の負担が強いられている実態があります。 離婚後の養育費の不払いや親子交流の断絶などの社会問題化を受け、法務省は、家族法制の見直しを議論している法制審議会の部会に、離婚した父母双方を親権者にできる離婚後の共同親権の導入を提案する方針を固め、民法改正の中間試案を、8月をめどに取りまとめると報道されております。 離婚後も両親はそれぞれの子供の養育について責任を持つべきであり、両親が支援してくれるという関わりが子供の自己肯定感にもつながると思います。 共同親権の導入について知事の所見を伺います。 本県も独り親家庭の養育費確保のための支援事業を始めているところですが、独り親で困窮する世帯への対策として、また、両親が責任を持って子育てをするという意識醸成にも有効な事業と考えます。 昨年、県の養育費確保支援の事業化を県内女性議員の会、雪椿の会で情報提供したところ、各議員が地元自治体で議論、事業化提案をしてくださいました。 現時点での県事業の実績と課題を伺います。 県教育委員会は毎年度、県立高校の募集学級数を公表しておりますが、本県全体の子供の数の減少は急激であり、平成29年の中卒者は全県で2万1,119人だったものが令和12年には1万6,392人になり、15年待たずして5,000人の高校生が新潟県からいなくなってしまうことになります。 このまま生徒減少を錦の御旗に学級数を減らしていけば、中心市街地以外の地域の学校は年々学級数が減り、学校はどんどん減っていくということに当然なります。 学級減は地域にとっても大きな衝撃であり、大きな影響をもたらします。この再編計画が示されるたびに、生きた心地がいたしません。 そもそも、高校の将来構想に基づいた再編計画においては、小規模校は、教育の特色化について、市町村や地元企業などと協議するとされています。これがなされているのでしょうか。提案がないならそのままということなのでしょうか。 地方創生の観点、地域の人材確保の観点からも、子供たちに選ばれる魅力ある学校として存続できるよう、地域の学校の在り方そのものを積極的に地域に投げかけ、議論すべきであると考えますが、教育長の所見を伺います。 質問の3点目、女性活躍についてです。 世界経済フォーラムが7月13日に発表したジェンダーギャップ指数で、日本は先進7か国のうち最下位、世界146か国中116位であるとの報道がなされました。 この報道に触れるたびに、果たしてこの順位が示すように日本の女性の活躍は進んでいないのか、日本はそんなに女性が差別されている国なのか疑問に感じております。 これら調査で女性を取り巻く状況が示されるのであれば、一方では、別の調査、国連開発計画の人間開発報告書の2020年版におけるジェンダー不平等指数では、日本は162か国中24位となっており、女性差別社会とは言えない結果になっております。 また、5年置きに国際的に共通調査票で調べている世界価値観調査の過去3回及び、もう一つの権威のある国民意識の調査であるISSP調査の4回の結果を基にした、幸福度の女性優位度についての統計の専門家の分析では、7回の調査結果のうち、日本の順位は1位が3回、2位が2回、3位が1回、11位が1回となっております。日本の女性の幸福度が男性を上回る程度は、間違いなく世界トップレベルにあると言っていい結果が出ております。 県がこのほどまとめた第3次男女共同参画計画の進捗状況では、厳しい評価もなされていますが、近年の学校での男女の格差のない現状、女子児童や女子生徒が積極的にリーダーになっている様子や、学業面においてもいわゆる進学校の女子生徒の割合が非常に高くなっている様子は、国際的に見ても日本の女性のスキルが低くないことが見てとれます。 男女がともに働きやすく、仕事と家庭生活が両立できるよう職場環境を整えたり、女性労働者の育成・登用などに積極的に取り組む企業を登録するハッピー・パートナー企業の登録数は、先ほど1,300社という数字が出ましたけれども、年々増加しており、企業における男女平等に向けた取組など、成果の上がっている部分を評価しつつ施策展開が求められます。 そこでまず、県の第4次男女共同参画計画が策定されましたが、第3次計画に基づいた、この間の取組の評価や事業効果をどのように捉えているのか、知事の所見を伺います。 今年度行った組織改正や、組織改正を見据え策定した今年度の関連予算で本県の女性政策の方向性が見えてきました。 その中で、予算の拡充がリーダー育成に集中しているように見えます。そもそも、新潟県では特に、管理職を目指している女性が少ないと言われております。女性が目指す人生設計と政策にそごがないのか。また、出産を機に仕事を辞めざるを得ない、キャリア形成には長時間勤務が必要になってくることなどの課題に本県の女性活躍の施策がマッチしているのか、男女共同参画計画に基づく施策が時代と合っているのか、マンネリ化していないか、次世代を担う若い女性たちの意見が反映されているのか、しっかり精査していく必要があるのではないかと考えます。 真に求められる政策を選択と集中により取り組む必要があると考えますが、今後の取組の方向性を伺います。 県は毎年度、県出資法人の点検評価を行っています。県行財政改革行動計画を踏まえた県出資法人の見直しについては聖域を設けず、あらゆる分野を対象とするとしており、具体的方策として、出資法人経営評価委員会の助言を踏まえ、法人の統廃合や補助金の削減、派遣職員の引揚げなどについて協議を行うとされています。 公益財団法人新潟県女性財団は、この評価の中で、1、他県の状況を調査・分析の上、県直営化も含め、組織体制や運営方法の見直しを検討すべき、2、財団を存続させるにしても、企業の役に立つ事業を検討すべきとされています。 県の女性財団に対する評価について伺います。 また、財団の事業を見ますと、派遣職員が増加している点、長期間にわたってセミナーなど事業が硬直化している点、県としての法人に対する今後の運営方針が毎年同様なものになっており、まさにマンネリ化した本県の女性政策が透けて見えます。県の行財政改革行動計画に逆行した姿も見てとれます。 当事者不在の政策形成が女性政策全体に指摘されている中、財団の抜本的見直しが必要だと考えますが、知事の所見を伺います。 安倍元首相が2014年に女性活躍推進を成長戦略の柱に位置づけたのを機に、女性活躍をめぐる様々な施策が一段加速したと承知しております。 今後の日本経済の成長には女性の力が求められることは、論をまたないところです。高いスキルを持つようになってきた日本女性が、いまだ社会でその力を発揮できる基盤ができておらず、その対価を受け取れておらず、男女の賃金格差となって表れています。一方で、政府はスタートアップを支援する担当閣僚を新設する調整に入ったとの報道もあります。 若い女性の流出に歯止めがかからない本県としても、女性が出産や育児などのために一度リタイアしてもキャリアを取り戻すための支援や、起業塾の創設など、女性が持つ多様な能力を生かす取組にさらに力を入れるべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 最後に、県政の諸課題について伺います。 道路の危険箇所に信号機設置を希望しても、設置にはハードルが高い現状にあります。 また、積雪の多い地域の冬期間の道路は、平常時と状況が全く変化し、ふだん生活している地域住民にしか分からない状況となります。 これら状況から、せめてカーブミラーなどの交通安全施設を設置してほしいと行政に相談しても、3年待っても設置してくれない、県や市、警察など、たらい回しになって、どの機関に行けばいいのか分かりにくいとの声を県民からいただいております。 県民のカーブミラーなどの設置要望に対し、関係者がしっかりと調整するべきであり、責任の所在を明確にしていただきたいと考えますが、対応を伺います。 8つの機関や団体、公職を挙げてそれぞれの信頼度が調査されています。信頼できるが最も高いのは自衛隊で、60%を超えているとされております。5割を超えたのは自衛隊のみで、災害が相次ぎ、苛酷な現場で被災者を救出したり、避難所の支援をしたりする姿などが繰り返し伝えられ、国民から高く評価されているのだと推測されます。 しかし、少子化などにより、自衛官の募集は厳しい状況にあります。自衛隊の、我が国の平和と安全の維持及び国民の生命と財産を守り、国際社会の安定を確保するという本来の役割に支障が出ることが懸念されます。 令和2年の閣議決定により、総務省及び防衛省が自衛官募集に関し必要な資料として住民基本台帳の一部の写しを用いることについて、住民基本台帳法上、特段の問題を生ずるものではないと明確化されました。この閣議決定に係る通知は、総務省及び防衛省より令和2年度中に県内各市町村に通知されております。 全国では700を超える市町村から、紙または電子データでの名簿の提供を受けているとお聞きしております。 県内の対象者情報提供の現在の状況、データでの情報提供に対する考えを伺うとともに、自衛官募集への県の関与について知事の所見を伺います。 世界で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症は、これまで、国内では患者数が昨日の時点で1,041万人を超え、死者数も3万人を超えております。また、現在では第7波の懸念も出てきました。 我々は日々診療に当たる医療者の苦労を目の当たりにし、そして、医療逼迫をさせないために、国では、緊急事態宣言やまん延防止重点措置など、広く国民に負担を強いる政策も取られてきました。 自粛が長引く中で、多くの国民は、なぜ病床数が世界一多く、患者数も少ない日本で医療逼迫が起こるのか、医療逼迫さえなければ経済を回せたのではないかという疑問を抱いたと認識しております。 OECDのまとめによれば、人口1,000人当たりの病床数は、日本が13.0床で、ドイツの8.0床、フランスの5.9床などと比べても圧倒的に多く、世界一となっており、その日本で、医師数の多い東京でも新型コロナウイルス感染症による病床逼迫が起きました。 この原因を明らかにし、その対策を講じていかなければならないと考えます。 まず、医師少数県である本県における、これまでの新型コロナウイルス患者の受入れ状況を伺います。 日本の環境で医療逼迫が起こってしまった重要な要因は、病院の所有構造にあり、公的に病院が所有されている欧州とは異なり、日本は自治体、日本赤十字、厚生連などの公的医療機関はあるものの、それ以外の民間病院が中心となっており、感染症の流行する都市部で特に中小民間病院が多いという特徴があること。また、行政側でも患者の受入れ病院を分散させてしまった点も挙げられております。 一方、多くの国では、平時から医療機能が集約化されていることもあり、大規模な病院による積極的な新型コロナウイルス患者の受入れが行われたことが、日本との大きな違いであると指摘されております。 新型コロナウイルス感染症による病床逼迫については、小規模病院に医師や看護師が分散しているためと多くの研究機関や報道が結論づけており、医療資源が充実していると思われる病床規模の大きい医療機関ほど、新型コロナウイルス患者の受入れが可能で、受入れ実績の割合も大きくなっていることを踏まえると、本県も医療再編を進め、しっかりとした高度医療体制を整備すべきであると考えます。今後の医療再編の進め方について知事の所見を伺いまして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 高見議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症に対応した制度融資の返済についてでありますが、いわゆるゼロゼロ融資など、新型コロナウイルス感染症に対応した制度融資は、据置期間が終了する令和5年度以降に返済が本格化しますが、議員御指摘のとおり、今後の経済状況によっては、返済が困難となる事業者が増加することも懸念されます。 このため、県といたしましては、金融機関に対し、事業者の実情に応じた経営支援や、条件変更等の相談への柔軟な対応を求めるとともに、国に対しても、全国知事会等の様々な機会を通じまして、据置期間や償還期間の延長を要望しているところです。 今後とも、事業者の経営状況を把握した上で、商工団体や金融機関とも連携をしながら、適時適切に対応してまいりたいと思います。 次に、県の投資事業予算の現状と建設業者の事業継続に向けた取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、建設産業は、除雪や災害対応など地域の安全・安心の確保に重要な役割を果たすとともに、社会資本の整備等を通じまして地域の経済と雇用を支えていると認識しています。 県の投資事業予算につきましては、公債費負担適正化計画で定めた実負担上限額の範囲内で、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策等による有利な財源を活用し、令和4年度当初予算と令和3年度補正予算一体で、対前年度比6.6%増の2,160億円を計上し、必要な事業量を確保したところであります。 県といたしましては、今後も有利な財源を最大限活用し、必要な事業量の確保に努めるとともに、第四次・新潟県建設産業活性化プランに基づき、県内企業への優先発注や施工時期の平準化などによる経営基盤強化に向けた取組を進めてまいります。 加えて、週休2日制の導入などの労働環境改善、DXの活用等の生産性向上などによる担い手の確保・育成に向けた取組を進め、建設業者の事業継続を支援してまいります。 次に、5Gの整備についてでありますが、国は、3月にデジタル田園都市国家インフラ整備計画を策定し、5Gの人口カバー率を、2025年度末に各都道府県90%程度以上、2030年度末に99%とすることを目指しております。 整備状況については、全国の5Gの人口カバー率が令和2年度末で30%台となっております。なお、都道府県別の人口カバー率は、公表されておりませんが、現在国において、携帯キャリアからのデータを精査し、公表の方法を含めて検討しているところと聞いています。 県といたしましては、遠隔医療はもとより、県民に身近な教育、地域交通等の様々な分野においても、5G等のデジタル社会を支える情報通信インフラの確保は必要不可欠であり、地域間の偏りなく整備が行われるよう、今後とも国に要望するとともに、通信事業者に対してはワンストップ窓口により、本県が保有する土地・建物の一覧や照会のあった土地等の詳細情報等の提供を行い、整備の支援を行ってまいります。 次に、資源価格の高騰による事業者への影響と県の対応についてでありますが、先般、県内企業を対象に実施した緊急調査結果では、約9割の企業が、収益が圧迫されていると回答する一方、十分に価格転嫁ができている企業は約2割にとどまっております。 こうした状況を踏まえ、専決処分により編成した補正予算において、新たな県制度融資を創設するとともに、適切な価格転嫁や下請取引の適正化を促進するためのセミナーの開催と相談体制の整備、さらには、省エネルギー設備の導入支援を実施することといたしました。 加えて、飲食関連事業者を支援するための新潟県版Go To イートの実施に必要な予算案を本定例会にお諮りしております。 今後とも、原材料価格等の動向と事業者への影響を注視しながら、県内企業の経営安定に必要な対策を講じてまいります。 次に、需要喚起や販路開拓への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、感染症の影響による消費の落ち込みや、原油・原材料価格高騰等によるコスト上昇は、繊維業や鉄工業をはじめ、県内事業者の経営に大きな影響を与えております。 そのため、県といたしましては、専決処分により編成した補正予算において、産地の組合等が実施する販路開拓等の取組を支援するとともに、中小企業等による省エネルギー設備への投資を後押しするなど、緊急対策を講じることといたしました。 あわせて、各種団体等が実施するイベント等への支援により需要喚起を図るとともに、付加価値向上につながる新商品開発や、デジタル化の推進などを支援し、将来の持続的な発展につなげてまいります。 次に、円安を捉えた農産物や日本酒などの輸出拡大に向けた取組方針についてでありますが、議員御指摘のとおり、円安は海外における価格競争力を高める効果があることから、海外需要を取り込んでいく好機であると考えております。 このため、県といたしましては、本年3月に策定しました新潟県産農林水産物輸出拡大実行プランに基づき、主要輸出先である東南アジアに加え、新たに中東向けの輸出ルートの構築を目指すとともに、現地プロモーションを一層強化することにより、円安の状況を生かして輸出拡大への取組を推進してまいります。 また、日本酒については、昨年、輸出量が過去2番目に高い水準を記録する中で、先般、フランス向けの新たなセールスプロモーションに私自身も参加し、新潟清酒の魅力を発信したところです。 今後とも、関係機関等と連携し、機会を捉えた情報発信や販路開拓など、積極的な輸出促進に取り組んでまいります。 次に、地域におけるイノベーションの創出についてでありますが、地域の高等教育機関と企業が連携して研究開発を行うことは、中小企業の課題解決や生産性向上に寄与し、イノベーションの創出にもつながることから、重要な取組であると考えております。県といたしましては、工業技術総合研究所やNICOなどが有するコーディネート機能を生かしながら、県内産業の技術の高度化や競争力獲得等に向けて連携体制を構築するとともに、新たな研究開発等の取組を支援しているところです。 今後も、こうした取組を通じて、産学官連携の取組を強化することにより、地域におけるイノベーションの創出を支援してまいります。 次に、子供たちを取り巻く環境の諸課題についてお答えをいたします。 まず、脊髄性筋萎縮症の新生児検査についてでありますが、議員御指摘のとおり、脊髄性筋萎縮症については、早期発見・早期治療によって発症や重篤化を防ぐことができた事例が報告されており、他県では、大学の研究事業等として新生児検査が行われているところもあると承知しています。 現在、国の研究機関において、学術的観点から国が推奨する対象疾患の選定に向けた調査研究が進められているところであり、県といたしましては、研究結果や国の動向を注視しながら、全ての新生児を対象に検査が行われるよう、全国知事会などを通じて国に要望してまいりたいと考えております。 次に、離婚後の共同親権の導入についてでありますが、現在、国の法制審議会の家族法制部会において、離婚後も父母の双方に親権を認める共同親権の導入について議論がなされており、8月末に取りまとめられる中間試案では、現行の単独親権維持との両論併記となる見通しであると報道されているものと承知しております。 共同親権の導入につきましては、離婚後も父母が子供の養育に関わることができるという利点がある一方で、配偶者間暴力や虐待が継続されるおそれがあるとの意見もあり、部会の中でも賛否が分かれているところでありますが、子供の将来に関わる重要な問題であり、慎重な議論が必要であることから、引き続き、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 次に、女性活躍についてお答えをします。 まず、第3次男女共同参画計画の取組の評価等についてでありますが、県では、第3次計画に基づき、男女平等を推進する社会づくり、女性が活躍できる社会づくり、男女が共に参画し、多様な生き方が選択できる社会づくりの3つを基本目標に取り組んできたところであり、ハッピー・パートナー企業登録数の増加や男性の育児休業取得率の上昇など、職場における男女共同参画の向上や子育て環境整備などで一定の成果が見られました。 一方で、性別による固定的な役割分担意識がいまだ根強く残っているほか、政策・方針決定過程への女性の参画が進んでおらず、さらに、新型コロナウイルス感染症拡大による影響や、若年女性の県外流出も、関連する新たな課題となってきていると認識しています。 このため、県といたしましては、第4次計画において、男女平等意識の浸透のほか、女性活躍の推進や、困難を抱える女性への支援、女性の県内定着のための環境整備などの施策を一層推進してまいります。 次に、女性政策の今後の取組方向についてでありますが、今年度、女性活躍に重点的に取り組んでいくこととしており、働く女性がその能力を十分に発揮して活躍できるための環境整備や働き方改革に向けた取組等を進めているところです。 議員御指摘のとおり、県民意識調査等においては、女性リーダーを増やす上での障害として、女性自身の意識と回答した方の割合が、本県は全国に比べて高い傾向があるほか、長時間労働解消など女性の働く環境の改善が挙げられているところです。 このため、県といたしましては、今年度、女性リーダーの育成のほか、女性が活躍できる職場環境づくりに取り組む企業に対する支援などを進めているところであり、一人一人の女性がそれぞれ希望に応じた働き方を実現できるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。 次に、女性財団の評価と抜本的見直しについてでありますが、女性財団は、各種セミナーの実施や市町村・団体と連携した取組により、男女共同参画の推進に一定の成果を上げてまいりましたが、一方で、出資法人経営評価委員会からは、県と女性財団の役割を明確にすべき、セミナー等は目標に対する効果を検証すべき等の課題を指摘されてきたところです。加えて、新型コロナウイルス感染拡大や物価高騰等の影響により困難に直面している女性への支援など、新たな課題に対しても迅速に対応することが求められております。 このため、今年度の組織改正において、県と女性財団の役割を一体で抜本的に見直し、県は部局横断的に施策の企画立案・調整を担うとともに、女性財団はこれまで県が実施してきた事業も含めて、各種施策の実施主体として着実に取組を進めることができるよう、体制及び予算を拡充し、機能強化を図ったところです。 今後取組を進めるに当たっては、議員御指摘の点も踏まえ、セミナー受講者のアンケートやNPOなどの関係団体の意見などをお聞きしながら、関係者のニーズを踏まえた効果的な内容となるよう努めてまいります。 次に、女性の多様な能力を生かす取組についてでありますが、今後の本県経済の成長には、議員御指摘のとおり、女性が持つ多様な能力を生かす取組に力を入れていく必要があると考えております。 このため、結婚や妊娠・出産、育児などを理由に未就労となっている女性等を対象として、自身の生活スタイルに合った多様な就労に結びつけるためのセミナーやITスキルアップ研修を実施するほか、女性の起業・創業の意識醸成を図るための起業セミナーや女性起業家による講座などの取組を進めているところです。 県といたしましては、女性が持つ多様な能力を生かす取組を進め、性別にかかわらず、多様な生き方を選択できる社会づくりを進めてまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 まず、自衛官募集への県の関与についてでありますが、県は、自衛隊法及び同法施行令の規定に基づいて、自衛官募集に関する事務の一部を行うこととされており、各市町村の取組の情報共有を進めるとともに、募集に係る広報を実施するなど、市町村と連携をして国の自衛官募集に協力しているところです。 なお、自衛官募集に係る市町村の対象者情報提供の状況及び電子データでの提供については、総務部長からお答えをいたします。 次に、医療再編による高度医療提供体制の整備についてでありますが、本県では、地域の中核病院を中心とした病院群の役割分担と連携などにより新型コロナウイルス患者を受け入れてきたところであり、これらの対応状況から、医療資源が充実し、対応力の大きい地域の中核病院の役割や圏域内外の連携の重要性を再認識したところです。 新たな感染症などにもしっかりと対応できる、持続可能で質の高い医療提供体制を構築するためには、中核病院の整備・機能強化を柱に据えた医療再編を進めていくことが重要であると考えており、昨年4月に策定した本県のグランドデザインを基に、引き続き、各圏域において議論を進めてまいります。   〔総務部長小岩徹郎君登壇〕 ◎総務部長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 自衛官募集に係る市町村の対象者情報提供の状況及び電子データでの提供についてでありますが、今年度の提供状況は、紙媒体が24市町村、電子データで提供している市町村はなく、6市町村が住民基本台帳の閲覧のみの対応となっております。 電子データでの提供は、自衛隊にとって検索や加工がしやすいといったメリットがあります。 その一方で、市町村にとっては、提供後に外部からの不正アクセスによる情報漏えい等も懸念されることから、個人情報保護の観点を踏まえてそれぞれの市町村において慎重に判断されているものと承知しております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 養育費確保支援事業の実績と課題についてでありますが、議員御指摘のとおり、養育費の確保支援は、困窮する独り親世帯への経済基盤を支える上で重要な取組であることから、県では、町村部を対象に養育費確保支援事業を開始し、独り親世帯への経済的支援の推進に努めているところであります。 昨年度は、町村や関係団体等を通じて事業の周知に努めたところですが、事業の問合せをいただく中で、結果的に申請実績は1件にとどまったことから、関係団体からの要望を踏まえて、今年度から補助の条件や対象経費を見直すなど、より活用しやすいよう対応を図ったところであります。 あわせて、この取組が県内全ての市町村に広がることが重要であることから、市町村に対して事業の創設や活用について働きかけを行ったところ、今年度から、新潟市や長岡市で事業を開始したことに加え、複数の市が事業開始に向けて検討中であると聞いております。 引き続き、困窮する独り親世帯への支援につながるよう、市町村や関係団体等と連携し、本事業のさらなる周知及び活用促進に努めてまいります。 次に、本県における、これまでの新型コロナウイルス患者の受入れ状況についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県は医師少数県であることから、入院まで必要のない患者については、宿泊施設等での入院外療養とするなど、限られた医療資源を有効に活用していくことが重要と考えております。 このため、本県においては、早い時期から医療調整本部内に患者受入調整センターを設置し、政令市を含む全県を対象に、一括して適切に療養先の調整を行ってきたことにより、医療への負荷を一定程度、抑えてきたところです。 加えて、第5波で病床使用率が約50%となったことから、新型コロナウイルス対応の病床を約100床増床することなどにより、第6波での感染ピーク時においても最大の病床使用率は約33%で抑えることができ、これまで翌日以降に入院調整を持ち越すことなく、必要な患者全てに入院医療が提供されてきました。 今後とも、医療機関と連携し、医療提供体制の強化や適切な入院調整に取り組んでまいりたいと考えております。   〔産業労働部長金井健一君登壇〕 ◎産業労働部長(金井健一君) お答え申し上げます。 電気料金高騰による県内事業者の経営圧迫についてでありますが、議員御指摘のとおり、ウクライナ危機などの影響を受けた、新電力の小売電気事業からの撤退や倒産、及び電気料金の高騰などにより、安定的な電力の調達に困難が生じ、経営が圧迫されている県内事業者もいるものと認識しております。 そのため、県では、専決処分により編成した補正予算において、セーフティーネット対策に万全を期すため、新たな制度融資を創設し、県独自の保証料補助を実施するとともに、省エネルギー設備の導入を支援することといたしました。 今後とも、電気料金を含め、原材料価格等の動向と事業者への影響を注視しながら、県内企業の経営安定に必要な対策を講じてまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 カーブミラーなどの設置要望に対する対応についてでありますが、県では、要望があった場合に、必要に応じて関係者と協議の上、設置の必要性等について検討しております。 なお、カーブミラーについては、接続する道路の管理者や利用者が占用許可を受けて設置することもできます。 今後とも、県民の皆様から要望があった際には、関係者間で調整を行うなど、丁寧な対応に努めてまいります。   〔教育長佐野哲郎君登壇〕 ◎教育長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 まず、部活動の地域移行に向けた取組状況についてでありますが、県教育委員会では、昨年度より、国事業を活用したモデル事業を県内4市で実施し、その進捗状況等について、新潟県部活動改革検討委員会での協議を踏まえ、市町村教育委員会担当者に情報を共有してきたほか、今年3月には、受皿確保の方策も含め、地域移行に向けた制度設計の手引を作成するなど、各市町村の取組を支援してきたところです。 本年度は、県内12市町村、延べ41競技で地域移行を開始することとしており、そのほかの市町村についても、令和7年度末をめどとした地域移行に向け、検討会議等を実施する予定であると伺っております。 また、地域活動の運営経費や低所得者世帯への支援については、現在国で検討していることから、その動向を注視し、関係団体等に、必要な情報の提供に努めてまいります。 次に、地域の学校の在り方についてでありますが、県立学校の募集学級数は、エリアごとの中学校卒業者数や、生徒のエリア間の流出入状況等を勘案しながら検討をしております。 子供の数の減少は、加速度的に進行しており、本年4月1日現在の新潟県推計人口では、高校1年生段階の15歳人口が1万8,795人であるのに対し、ゼロ歳の人口は1万2,548人となっております。15年後には、中学校卒業者数が3分の2に減少する見通しであり、生徒数の減少に応じた学級数の減は、避けて通ることはできないものと考えております。 一方、議員御指摘のとおり、地方創生や人材確保の観点において、地域の高校が重要な役割を担っていることも認識をしており、地元関係者の御意見を伺いながら、地域の学校の在り方について、検討してまいります。 ○副議長(小島隆君) 高見美加君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後2時59分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時15分 開議 ○議長(佐藤純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、市村浩二君の発言を許します。市村浩二君。   〔市村浩二君登壇〕(拍手) ◆市村浩二君 公明党の市村浩二です。 まず、花角知事におかれましては、知事2期目の当選、誠におめでとうございました。 参議院選挙新潟選挙区におきまして、前新潟県議会議員の小林一大さんが当選されました。お祝いを申し上げますとともに、国政での御活躍を期待するものです。 そして、7月8日、凶弾に倒れ亡くなられました安倍晋三元総理の御冥福を心よりお祈り申し上げます。 それでは、通告に従い質問を行います。 最初に、知事の政治姿勢について伺います。 まず、県政運営について伺います。 知事選で寄せられた声と結果を踏まえ、知事自らの考える1期目4年間の評価と、今後の2期目4年間に向けた県政運営の決意について改めて伺います。 次に、子育て支援政策について伺います。 知事は知事選の演説等で、今後、子育て支援に力を入れていくと宣言されていました。例えば、福井県知事は全国トップクラスの子育て予算を執行しながら、さらに力を入れていくと表明していますが、現在の我が県の子育て支援予算額と、これを同程度の人口規模の他県と比較した場合の現状について伺うとともに、今後の重点政策について伺います。 この項目の最後に、物価高騰下における補正予算編成について伺います。 6月に行った令和4年度一般会計補正予算の専決及び6月補正予算案では、生活困窮者への支援、コスト高などに対応する事業者支援、エネルギー転換を含めた脱炭素の取組などが主な柱となっています。 現下の物価高騰の中、知事が補正予算編成で特に重視した点について伺います。 また、ウクライナ情勢などにより物価高騰の先行きは不透明であり、ニーズの把握と先手先手の対応が必要と考えますが、今後の対応方針について伺います。 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。 まず、新型コロナワクチン接種への対応について伺います。 県はこれまで、大規模接種会場や加速化センターなどを設置し、市町村での実施が円滑に進むよう支援を行ってきました。 5月から新型コロナワクチンの4回目接種が開始されましたが、県の役割と市町村への支援策について伺うとともに、接種率が低い10代、20代の若年層の対応について伺います。 また、これまでファイザー社や武田、モデルナ社のメッセンジャーRNAワクチンが医学的な理由で推奨されなかった人たちなどの新たな選択肢とされる武田社ワクチン、ノババックスの接種について対応状況を伺います。 次に、新型コロナ後遺症への対応について伺います。 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の回復後に続く後遺症の診断方法などを示した医療従事者向け手引を4月28日に改訂しました。新たな手引では、疲労感や睡眠障害など20種類を代表的な後遺症として列挙し、診断方法や最新の知見を新たに記載しています。 一方、元患者をはじめ国民は、後遺症の実態が不明なことから、元患者が就労や就学の面で困難に直面したり、周囲の無理解などで精神的に追い詰められたりするケースがあると聞きます。 このため、後遺症に関する県民向けの分かりやすいパンフレットを作成・情報発信し、元患者には相談窓口を設置すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、防災・減災対策について伺います。 まず、新潟県地震被害想定調査結果の活用サポート体制について伺います。 本年3月に新たな知見等に基づく新潟県地震被害想定調査結果が公表されました。本調査結果は、県内市町村へ基礎資料として情報提供し、防災に係る各種計画の見直しや、県民の防災意識の向上など、地震防災対策全体の強化に活用すると聞きますが、専門的な知見が必要な上、市町村は人や財源が限られています。 このため、県と市町村相互の情報共有が円滑に進むよう、(仮称)新潟県地震被害想定調査結果活用協議会を設置し、本調査検討委員会各委員もアドバイザー参加する、市町村サポート体制を構築してはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、住宅の耐震化の取組について伺います。 新潟県地震被害想定調査結果では、減災のための最も効果的な取組は、建物の耐震化であると結論づけています。 本県における建物のうち、特に住宅の耐震化の現状について伺うとともに、本調査結果を受け、住宅の耐震化をより一層推進すべきと考えますが、今後の県の取組方針について伺います。 次に、地盤の液状化対策について伺います。 昭和39年6月の新潟地震から58年が経過しました。当時、地盤の液状化により、新潟市内の建物や道路、新潟空港も大きな被害を受け、この地震をきっかけに液状化現象の解明や対策工法などの開発研究が進み、近年では、地盤データベースの活用や液状化しやすさマップなどが公開されています。 さきの新潟県地震被害想定調査においても、液状化対策の必要性がうたわれていますが、本県の液状化対策の現状について伺うとともに、今後の取組について伺います。 次に、危機管理型水位計について伺います。 近年、全国の中小河川などに設置される危機管理型水位計は、本県において令和元年度と2年度に145河川179か所で設置されています。この水位計から送られるデータはスマホやパソコンで見ることができ、洪水時の住民の避難行動をいち早く的確に促すことが可能となるとともに、河川管理者も遠隔で安全に監視できるなど設置効果は高いと考えます。 今後、既存水位計の検証による効率的・効果的な運営を図るとともに、新潟県では河川数1,167、県管理河川総延長約4,896キロもあることを踏まえ、地域の要望を取り入れながら必要な箇所への新たな設置を積極的に進めるべきと考えますが、今後の取組について伺います。 防災・減災対策の最後に、大河津分水路の追加工事について伺います。 本年6月16日、大河津分水路の大改修について、3年前の台風19号による被害を受けた追加工事のため、総事業費は当初より565億円増加、工期は完成予定が令和14年から令和20年に延長との報道があります。 追加工事に伴う本県財政への影響について伺うとともに、事業効果の早期発現と地方負担の軽減を改めて国に要望すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、県民の安全・安心について伺います。 まず、県内における特殊詐欺について伺います。 特殊詐欺の被害が連日報道されており、私の住んでいる地域の住民からもオレオレ詐欺の被害に遭いそうになったとの声もお聞きしています。 県内における最近の特殊詐欺の認知件数、被害金額、特徴及び検挙状況について伺うとともに、防止対策について伺います。 次に、自転車損害賠償責任保険等への加入義務づけについて伺います。 新潟県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が本年4月1日に施行されましたが、自転車損害賠償責任保険等への加入の義務づけ及び加入の確認等の規定の施行は、同年10月1日となっています。 10月1日までは保険等義務化の周知期間と承知していますが、周知不足による施行後の混乱を招かぬよう、県民に丁寧に啓発・周知することが必要と考えます。 県内における現在の保険等加入状況について伺うとともに、これまでの保険等加入の啓発・周知の取組状況と今後の方針について伺います。 次に、熱中症一時休憩所について伺います。 大分県では、7月1日から9月30日までの間、県及び市町村の公共施設や協力小売店の計543か所に熱中症一時休憩所を設置しています。 熱中症一時休憩所とは、エアコン、座って休憩、水分補給という3要件を満たす休憩所であり、店頭等にのぼり、またはポスターを設置し、県民のちょっと一休みに利用されています。 例年、全国トップクラスの猛暑が続く本県においても同施策は有効と考え、本県も実施を検討してみてはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 本項目の最後に、マイボトル県民運動と給水スポット整備について伺います。 県では、これまでプラスチックごみ削減として、マイボトル持参を推奨してきたと承知しています。最近は、プラスチックごみ削減のため、無料で給水できる店舗や、マイボトルを持参した場合に飲料等のサービスを提供する動きも出てきております。一方、マイボトルによる暑い夏の小まめな水分補給は、熱中症の予防など健康維持のためにも有効と考えます。 プラスチックごみ削減はもとより、熱中症対策としてのマイボトル持参を県民運動として前面に押し出してはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 また、公共施設や人が多く集まる場所に、感染症対策として非接触型、かつ、子供や車椅子の方も給水可能なボトル型給水器を備えた給水スポットを設置することが県民運動の推進に有効と考えますが、併せて所見を伺います。 次に、健康立県に向けた歯科保健について伺います。 まず、フッ化物洗口による虫歯予防効果と今後の活用について伺います。 虫歯予防のフッ化物洗口は、今から52年前の1970年に弥彦小学校で始まりました。2020年に日本口腔衛生学会が弥彦村内在住の232名を対象に虫歯の数を調査した結果、小児期にフッ化物洗口を行った人は成人後も虫歯の数が少なく、また洗口を続けた人の虫歯は、何もしていない人より少なく、シーラントを併用することで最大5.55本少ないとの結果でした。 本調査では、改めてフッ化物洗口による、またシーラント併用による虫歯予防の効果を証明し、新潟県が12歳児の平均虫歯本数21年連続全国最少である主な要因と考えますが、調査結果に対する所見を伺うとともに、今後、この結果を県のフッ化物洗口普及や歯・口腔の健康づくり施策に生かすべきと考えますが、所見を伺います。 次に、弥彦宣言を踏まえたポピュレーションアプローチについて伺います。 昨年10月、NPO法人日本フッ化物むし歯予防協会の主催により開催された第42回むし歯予防全国大会in新潟において、フッ化物洗口の推進と、水道水のフッ化物濃度調整であるフロリデーションの実施に向けた取組も含めた、新たな展開も視野に入れ、口の健康から健康長寿を目指すという弥彦宣言が示されました。 この宣言を踏まえ、高齢者を含め高い有効性をもたらすことができる、より公衆衛生特性の高い予防法である水道水フロリデーションなどを含めた、集団全体を対象とするポピュレーションアプローチについて知事の所見を伺います。 歯科保健項目の最後に、成人の定期歯科健診について伺います。 本県は、12歳児の平均虫歯数は全国最少を更新中でありますが、企業や市町村における成人歯科健診の取組が進んでいるとは言えず、80歳で20本以上の自分の歯を保つ、いわゆる8020達成者は令和元年で36.6%と、全国平均を下回っています。 これは、定期歯科健診や歯周病検診の受診率が低いことが要因と考えますが、これら定期歯科健診等の課題について伺うとともに、今後の県の取組について伺います。 次に、観光・文化・スポーツ振興について伺います。 まず、野球日本伝来150周年記念事業について伺います。 本年は、野球日本伝来150年の節目であります。また、ベースボールを野球と訳した中馬庚氏が糸魚川中学校、新潟中学校の校長を務めた縁を記念し、10月2日に野球日本伝来150年を日米で祝う会in新潟と称し、日本プロ野球機構NPBとアメリカ・メジャーリーグMLBの選手OBによるオールスター戦などを開催する予定と聞いています。 また、本県は、早起き野球が盛んで、かつて日本一のチーム数を有していたこと、本年1月10日に逝去されました漫画「ドカベン」の作者、水島新司さんの出身地であること、その水島新司さんの遺作となった雑誌連載の「ドカベン ドリームトーナメント編」では、この新潟の地に、新プロ野球球団、新潟ドルフィンズの誕生等が描かれており、現在、民間主導による日本海ドームシティプロジェクトでNPB新球団誕生の署名活動が進められるなど野球熱が非常に高まっています。 こうした背景と意義の下、本県において野球日本伝来150年を日米で祝う会in新潟が開催されることについて、知事の所見を伺います。 次に、プロスポーツ試合や競技大会・各種大規模イベント等の誘致による交流人口の拡大の取組について伺います。 新潟県スポーツ公園内には、デンカビッグスワンスタジアム、HARD OFF ECOスタジアム新潟の2大施設があります。アフターコロナを見据え、これら施設を最大限活用し、プロスポーツ試合や国内外のスポーツ競技大会はもとより、コンサートや各種大規模イベント等の誘致により、交流人口拡大につなげるべきと考えます。 本年度の主要イベントについて伺うとともに、観光文化スポーツ部を新設したことも踏まえ、今後の取組について伺います。 次に、鳥屋野潟公園内のスケートボードパークの整備について伺います。 令和3年12月定例会で、県としてスケートボードなどのアーバンスポーツ普及に向けた施設整備や競技人口拡大に向けた取組について質問し、その後、令和4年2月冒頭補正予算により令和4年度中のスケートボードパーク新設が決定しました。 鳥屋野潟公園内に新設するスケートボードパークについて、現在の整備進捗状況を伺うとともに、当初予定になかった屋根付施設の要望もありましたが、併せて現状を伺います。 また、これに関係する次の質問ですが、本年6月に冨田せな選手に県民栄誉賞を授与した際、冨田選手から、上越地方への室内スケートボード施設の整備について要望があり、知事は検討すると答えたとの報道がありましたが、上越地域を含め、今後、県内各地域におけるスケートボード施設整備について所見を伺います。 本項目の最後に、ロケツーリズムの推進について伺います。 本年6月17日に、幕末の風雲児、越後長岡藩の家老、河井継之助を主人公とした映画「峠 最後のサムライ」が公開されました。 県では、長岡、三条の地域振興局等とも連携し、関連イベントやロケ地マップ、継之助ゆかりの地を訪れる旅などを紹介しています。 ロケツーリズムでは、映画、ドラマ、コマーシャル等のロケ地を訪ね、風景や食、歴史・文化を堪能し、その地域のファンになってもらうなど、ロケ地域での持続的な観光振興につながることが期待されます。 ロケツーリズム先進地の長崎県島原市では、市長直轄のロケツーリズム班を設置し、ロケを受け入れるだけでなく、その後のシティープロモーションに活用し、約18億円の広告換算効果を生み出し、移住・定住者数は対前年比約1.6倍になっています。 新潟県には豊かな自然をはじめ歴史・文化など、ロケ地となり得る地域や場所が多く存在しており、誘致に積極的に取り組むべきと考えますが、県の方針を伺うとともに、島原市のような組織を設置し、市町村と連携を図った上で、強力に推進していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、デジタル化の推進について伺います。 まず、マイナンバーカードの推進について伺います。 本県におけるマイナンバーカードの交付率は、本年6月1日時点で38.1%、全国44.7%と比べ遅れています。昨年12月定例会一般質問で伺った際は、11月1日時点で本県32.5%、全国39.1%であり、この7か月間で本県、全国ともに5.6ポイントアップしておりますが、全国順位は44位と依然として低迷しています。ちなみに、全国トップの宮崎県は57.8%であります。 低迷している原因をどのように分析しているか伺うとともに、国は令和4年度中の、ほぼ全国民への交付を目標としていることから、実務を担う市町村との連携強化、メリットなどの広報・啓発活動、申請手続の利便性向上、さらには、一人では手続が難しい方向けの支援窓口設置など、あらゆる機会を捉えカード取得を推進すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、AI救急相談アプリについて伺います。 AI救急相談アプリについて、糸魚川市での実証実験を経て、6月28日から全県での運用が開始されました。より多くの県民に受け入れられるためには、アプリの使い勝手がよく、利用者に配慮されたものであることが重要であると考えますが、改めてアプリを導入した目的や、利便性の面で特に工夫した点について伺います。 また、運用が始まったばかりではありますが、登録がどの程度進んでいるのか、今後どのように利用拡大を図っていくのか、併せて伺います。 デジタル化の最後に、県の行政事務へのAI技術の導入について伺います。 県の行政事務へのAI技術の活用は、県民の利便性向上のみならず、職員の働き方改革の面からも有効であり、導入を積極的に推進すべきと考えます。 現在の導入状況について伺うとともに、今後どのような分野への導入を検討しているか伺います。 最後の項目として、県政の諸課題について何点か伺います。 まず、鳥屋野潟の環境保全と整備、予算要望について伺います。 本年6月6日、ラムサール条約の湿地自治体認証制度において、新潟市が国内で初めて認証されました。 同市中央区にある鳥屋野潟は、新しく生まれ変わる新潟駅から車で僅か10分ほどであり、近隣には県立公園、県立野球場、新潟スタジアムや各種公共施設が多くあり、県民憩いの場、観光地のポテンシャルを持つ、言わば新潟の顔になる潟として親しまれております。 現在、鳥屋野潟の湖岸堤整備事業等が鋭意進められていますが、周辺住民からは、認証自治体にふさわしいよう、湖岸の草刈りなど最低限の維持管理や湖面の広さを感じさせる環境保全、散策や自転車通行にも配慮した交通対策の意見も出ています。 県は新潟市とも連携し、潟の環境保全や整備を進めるとともに、必要な予算措置を国へ要望すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、県有施設に係るネーミングライツの取組について伺います。 県は、本年6月に県有施設に係るネーミングライツ・パートナーの募集を開始し、今回、初の試みとして、施設を幅広く対象に、通年で提案を募集するという提案募集型を追加したと聞いています。県民、パートナー、県の三方よしとの理念とありますが、デメリットやリスクもあると考えます。 横浜市などの先進事例では、そうした課題を整理したガイドラインを制定し運用しているところもありますが、県としてどのように選定の透明性を確保し、地元住民や県民理解を得ながらこの取組を進めていくのか、知事に伺います。 次に、ホースセラピーによる不登校の子供の支援について伺います。 愛玩用の小動物との触れ合いは、心の安らぎが得られ、有用性があるという指摘もあり、アニマルセラピーの一種と言えますが、大型動物の馬で、県内でひきこもりや不登校の子供に対するホースセラピーの取組を始めたNPO法人があります。 競走馬としての長年の役割を終え、殺処分される馬を保護し、不登校などの子供たちが空き家を活用したサテライトハウスで生活をし、馬の世話など馬との関わりを通して、非認知的能力を向上させ、社会や学校への復帰につなげていく、言わば、馬を友達としての、うま友留学です。現在、2名が留学し、1名は学校へ再び通えるようになったとのことです。 県として、こうしたホースセラピーなどの動物触れ合い活動に係る取組を情報発信するとともに、不登校の子供の支援に向けた活用も検討していくべきと考えますが、所見を伺います。 次に、にいがたリトルベビーハンドブックの活用等について伺います。 県は、本年6月、低出生体重児を持つ保護者及び関係者にとって待望久しい、にいがたリトルベビーハンドブックの暫定版を発行しました。 県内における低出生体重児の実態について伺うとともに、本ハンドブックの周知や活用方法、正式版発行に向けてのスケジュールについて伺います。 最後に、医療的ケア児に対応する学校看護師の確保対策等について伺います。 学校における医療的ケア児の対応として、学校看護師の存在が挙げられますが、学校看護師が見つからず、保護者が対応しているケースもあると聞いています。そもそも、看護師の中でも学校看護師が認知されていないとの声も聞かれます。 学校看護師は、学校時間内での勤務が可能であることから、子育て等で一度退職した潜在看護師を発掘することも考えられますが、学校看護師の認知度向上や周知、確保に向けた県の対策について伺います。 結びに、知事2期目、今後4年間の花角知事のさらなるリーダーシップに期待し、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 市村議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、1期目の評価と2期目の県政運営の決意についてでありますが、これまで取り組んできた4年間の県政運営について、県民の皆様から評価され、信任をいただくとともに、今後の県政運営についての御期待もいただいたものと受け止めております。 2期目においては、引き続き、県民の皆様の安全と安心を確保することを第一に、暮らしやすい、活力ある新潟をつくり、新潟に住んでいることを誇りに思い、また多くの国内外の方が、新潟に魅力を感じて訪れていただける新潟県を目指し、県民最優先の県政の実現に全力で取り組んでまいります。 次に、子育て支援に係る予算額と今後の重点政策についてでありますが、本県の保育所等の待機児童はゼロ、地域子育て支援拠点数は4歳以下人口1,000人当たり全国第1位であるなど、子育てを支える環境づくりを進めているところでありますが、若者や子育て世代に新潟を選んでいただくためには、子供を産み育てる環境を一層充実させていくことが不可欠であると考えております。 このため、子育てに対する不安と負担の軽減に向けて、安心して妊娠・出産できる環境の整備をはじめ、住民により身近な市町村による地域の実情に応じた子育て施策への支援や、社会全体で子育てを支える体制づくりなど、職場、保育、家庭、地域、それぞれの場面における対策を一体で重点的に進めてまいります。 また、少子化の克服は国家的な課題であり、先般、国に対しても少子化対策に係る予算規模の拡充を要望したところであります。 なお、本県の子育て支援予算額の現状については、福祉保健部長からお答えをいたします。 次に、補正予算編成で特に重視した点及び今後の対応方針についてでありますが、補正予算編成においては、エネルギーをはじめとする物価動向や県内への様々な影響等を踏まえ、国総合緊急対策と併せ、県として必要な支援策を講じることとし、特に迅速に実施すべきものについては専決処分を行いました。 専決処分においては、物価高騰の影響を受ける中小企業等の資金繰りを支援するため、新たな制度融資枠を設け、保証料の一部を補助することといたしました。また、生活に窮する方々への支援として、市町村による地域の実情を踏まえた支援策を後押しするとともに、中小企業者等が行う省エネ設備の導入支援などを実施することといたしました。 また、6月補正予算案においては、飲食関連事業者を支援するための新潟県版Go To イートや、燃料油価格高騰に直面する公共交通事業者等への支援のほか、中期的な対応として、離島における太陽光発電及び電気自動車等の導入支援や、雪国型ZEHの普及に向けた取組などについてお諮りしているところであります。 今後とも、最新の経済指標等により物価等の動向を注視するとともに、県民の皆様の声にしっかりと耳を傾け、国の対応も踏まえながら必要な対策を講じてまいりたいと考えております。 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えをします。 新型コロナ後遺症の相談窓口等についてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス罹患後に長引く症状の概要や相談、診療等の情報について、そのような症状をお持ちの方をはじめ、広く県民に対し、お知らせしていくことは重要であると考えております。 このため、県では、ホームページやSNSにおいて、県内各保健所を新型コロナウイルス感染症に関する健康相談窓口としていることを案内するとともに、罹患後症状を疑うようであれば、まずかかりつけ医や近隣の医療機関に受診をという呼びかけや症状の概要、受診の手助けとなるリーフレットなどについても併せて案内しているところであります。 また、本年6月には医療機関の医師等を対象に新型コロナウイルス罹患後症状の説明会を開催し、県内の相談・診療体制への協力の呼びかけも行ったところです。 今後も、必要な方に情報が届くよう、さらなる普及啓発に取り組んでまいります。 次に、防災・減災対策についてお答えします。 まず、地震被害想定調査結果を受けた市町村の取組に対するサポート体制の構築についてでありますが、議員御指摘のとおり、調査結果を踏まえた防災に係る各種計画の見直しや県民の防災意識の向上など、市町村の取組に対し、県が適切なサポートを行うことは重要と考えております。 県では、これまでも調査結果の市町村向け説明会を複数回実施したほか、市町村がハザードマップ等に活用するための詳細なデータや、被害想定を様々な条件でシミュレーションするシステムの提供を行うとともに、調査結果に関する各種の問合せにも個別に対応してきたところであります。 現時点では、議員御提案の協議会の設置は考えていないものの、提案の御趣旨を踏まえ、より一層丁寧な情報提供に努めるとともに、市町村による地震防災対策の取組に対し、しっかりとサポートしてまいります。 次に、大河津分水路の大改修における追加工事に伴う本県財政への影響についてでありますが、令和元年東日本台風では、信濃川水系において戦後最大規模の洪水となり、広域にわたって甚大な被害が発生するとともに、大河津分水路においても広範囲で地形変化が確認されたことなどから、改修事業計画を変更し、総事業費の増額や工期の延長が必要になったと承知しております。 なお、国の資料によれば、事業費は令和2年度をピークに今後減少していく見込みとなっており、県の直轄事業負担金もそれにより減少していくものと考えております。 県といたしましては、本事業は県民の命と暮らしを守るため、大変重要な事業であると認識しており、先般行った政府要望等において、着実かつ計画的な整備をお願いするとともに、コスト縮減や地方負担の軽減、直轄事業負担金の平準化についても、要望したところです。 次に、県民の安全・安心についてお答えをします。 まず、熱中症一時休憩所についてでありますが、議員御指摘のとおり、熱中症にならないために、小まめな水分補給を行い休憩を取ることは重要であると考えております。 例えば、新潟県庁においては、エアコンを完備し座って休憩ができるIcottoなどのコワーキングスペースも休憩所として活用可能と聞いております。ほかにも、県内の公共施設には、同様なスペース等もあるため、議員御指摘のように一休みに活用できるスペースとして県民に周知していくことも熱中症予防に有用と考えています。 県では、これまでも、小まめに水分補給をすることや、できるだけ外出を避け涼しい場所で過ごすこと、熱中症警戒アラートの活用などの熱中症予防について、県の広報媒体や報道機関を通じた啓発を行っておりますが、休憩スペースの周知を含め、今後も関係機関と連携しながら、周知啓発に努めてまいりたいと考えております。 次に、熱中症予防におけるマイボトル持参及び給水スポットの設置についてでありますが、マイボトルについては、県内市町村等でマイボトルが使えるお店にステッカーを貼るなどの取組が行われていると承知しており、これを熱中症予防の取組として啓発することは、小まめに水分補給をするための手段の一つとして有効であると考えております。県といたしましては、できるだけ外出を避け涼しい場所で過ごすことや熱中症警戒アラートの活用等と併せ、熱中症予防の取組として啓発してまいりたいと考えております。 これまでも、県庁をはじめとする公共施設に給水器を設置してきたところであり、マイボトルへの給水についても一定程度の活用が可能と考えております。議員御指摘のボトル型の給水器の設置につきましては費用対効果等の課題も考えられることから、まずはマイボトル持参について熱中症予防の観点から啓発するとともに、公共施設で気軽に水分補給できる環境づくり等について研究してまいりたいと考えております。 次に、健康立県に向けた歯科保健についてお答えします。 まず、フッ化物洗口の効果についてでありますが、この調査では、小児期にフッ化物洗口を行った人は、20年から40年経過後も、高い虫歯予防効果が継続しているという新しい知見が明らかになり、小児期のフッ化物洗口の長期的な効果を含めた重要性を改めて認識したところです。 県内のフッ化物洗口の施設実施率は全国と比較して著しく高いことに加え、約9割の小学校で給食後の歯磨きを実施していることや、学校と歯科医院が連携し、予防のための受診勧奨をする県独自の取組など、子供の虫歯予防に総合的に取り組んだ結果、12歳児の平均虫歯本数が21年連続で全国最少の成果につながっていると考えております。 県といたしましては、こうした成果を県民に周知し、フッ化物洗口のさらなる普及につなげるとともに、フッ化物洗口の取組を通じて、子供の頃からの歯磨き習慣の定着など、虫歯予防の意識向上について、関係者と連携し、より一層促進してまいります。 次に、集団全体を対象とするポピュレーションアプローチについてでありますが、フッ化物を活用したポピュレーションアプローチは、歯や口の健康格差を縮小し、集団全体の虫歯予防の効果が期待できる対策と認識しております。 そのうち、水道水フロリデーションは海外で導入され、高い虫歯予防効果が認められる方法である一方、その実施には、科学的根拠に基づく効果等について、住民に説明を行い理解を得ることが課題であると考えております。 県といたしましては、小児期のフッ化物洗口を今後も積極的に推進するとともに、弥彦宣言で示されているように、フロリデーションなど新たな展開を視野に入れたポピュレーションアプローチを県歯科医師会と研究してまいります。 次に、観光・文化・スポーツ振興についてお答えをします。 まず、野球日本伝来150年を日米で祝う会in新潟についてでありますが、この取組は、議員御指摘のとおり、ベースボールを野球と最初に訳した中馬庚氏と本県の御縁から、本県において、野球日本伝来150年を祝うことを主たる目的としているものと伺っております。 取組の中で、野球の交流イベントや日米プロ野球のOBオールスター戦が企画されていると伺っており、本県における野球熱の盛り上がりや交流人口の拡大につながることを期待しております。 次に、新潟県スポーツ公園内のスタジアムの活用についてでありますが、デンカビッグスワンスタジアムとHARD OFF ECOスタジアム新潟の令和4年度の主要イベントは、Jリーグ、プロ野球などのプロスポーツの試合のほか、陸上の日本グランプリ、音楽イベントが予定されているところであります。 県といたしましては、競技団体などに対する働きかけや大規模イベントの開催支援などにより、指定管理者と連携しつつ本県を代表するスタジアムのさらなる活用に努め、交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。 次に、鳥屋野潟公園内に新設するスケートボードパークの整備についてでありますが、県民がスポーツに親しむ機会を増やすため、初心者でも安全に楽しめるスケートボードパークを整備することとしており、現在、関係者から意見を伺いながら調査・設計を進めているところです。 屋根の設置につきましては、先般、小中学生をはじめ県民の皆様からの要望があったところですが、県といたしましても、雨天時などの利用促進が図れることから、このたび、一部に屋根を設置することにいたしました。 広く県民の方々からレクリエーションの場として活用していただくことで、鳥屋野潟公園のさらなるにぎわいと魅力アップにつながることを期待しております。 次に、スケートボード施設の整備についてでありますが、住民に身近なスポーツ施設については、住民のニーズ等を踏まえ、市町村において整備が行われており、既に複数の市町村にスケートボードができる場所があるほか、今年度整備を予定している地域もあり、スケートボードに親しむ環境が充実していく方向にあるものと考えております。 県といたしましては、鳥屋野潟公園内での整備を進めるとともに、まずは、上越地域を含む県内のニーズなど実態を調べて、検討してまいりたいと考えております。 次に、ロケツーリズムの推進についてでありますが、県では、県フィルムコミッション協議会を設置し、市町村等と連携しながら、ロケーション情報の一元的な情報発信や撮影地のコーディネートなどに取り組んでおり、最近では、「峠 最後のサムライ」やアメリカアカデミー賞国際長編映画賞に輝いた「ドライブ・マイ・カー」といった映画のロケ誘致につながっております。 今後も、同協議会を通じまして、本県特有の四季折々の風景や景勝地などの魅力を映画関係者等へ積極的に発信し、ロケの誘致に取り組むとともに、実際の撮影現場や撮影スタッフお勧めのグルメ等を記したロケ地ガイドの作成などにより、ロケ地の観光資源としての活用も推進してまいります。 次に、デジタル化の推進についてお答えをします。 マイナンバーカードの取得推進に向けた取組等についてでありますが、本県では他県に比べ、出張申請受付などのプッシュ型の取組が遅れたことが普及率低位の要因と考えており、国補助金の積極的な活用を働きかけ、申請受付事務を担う市町村の人員体制を整備していただいたところです。 加えて、カードのメリットや安全性の理解が進んでいないと思われることも、低迷の一因と考えております。 県はこれまでも取得推進の取組を進めてまいりましたが、今般、市町村に寄り添いながら、より取組を積極的に後押しするため、新潟県マイナンバーカード取得拡大アクションプランを策定したところです。 県から市町村への積極的関与、部局間連携、公民連携の3つの基本的考え方の下、本定例会にお諮りしている事業も含め、カード取得へのインセンティブづけ、申請につながる広報、出張申請受付のニーズ掘り起こしなどに取り組んでまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えをします。 まず、鳥屋野潟の環境保全や整備についてでありますが、県では、これまで新潟市と連携し、湖岸堤整備や水質改善事業などを進めてきております。この過程で地域住民等からいただいた、自然環境の保全や水辺空間の利活用に関する様々な御意見も参考にし、引き続き、新潟市の協力を得ながら、鳥屋野潟の環境に配慮した整備を進めてまいります。 また、新潟市では今回の自治体認証を契機に、湿地のさらなる保全や利用の促進を図ることとしており、それらに必要な予算措置について、市の意向を踏まえながら国に働きかけてまいりたいと考えております。 次に、通年で提案を募集するネーミングライツの導入についてでありますが、本制度は、ネーミングライツ料を施設の維持・管理等に活用することにより県民サービスの向上を図るとともに、さらなる歳入確保を目的として創設したものであります。 制度化に当たっては、既に制度を導入している他県のガイドライン等の例も研究した上で、制度の目的、具体的な選定方法などを定めた新潟県ネーミングライツ導入に関する基本方針等を策定し、県内外に広く周知しているところです。 また、パートナーの選定においては、愛称が県民にとって親しみやすいか、施設のイメージに合っているか等について、学識経験者、弁護士を含む選定委員会で審査を行うこととしており、選定の透明性確保に努めるとともに、県民の理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。   〔知事政策局長森永正幸君登壇〕 ◎知事政策局長(森永正幸君) お答えいたします。 AI技術の活用についてでありますが、議員御指摘のとおり、AI技術は、働き方改革の面からも業務効率化への活用が期待されており、県といたしましても、AI技術により各業務の簡素化・効率化や県民の利便性向上を図ることとしております。 現在、県では、音声認識機能を有する会議録作成支援システムを導入しているほか、今年度から、24時間対応可能なAI救急相談サービスを導入するなど、活用を進めているところです。 今後、活用が考えられる例といたしましては、問合せ対応業務や情報システムのセキュリティー監視業務などがありますが、どのような業務になじむのか、費用対効果なども踏まえ、検討を進めてまいります。   〔総務部長小岩徹郎君登壇〕 ◎総務部長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 自転車損害賠償責任保険等の加入状況及び加入義務化に向けた啓発・周知についてでありますが、本年1月に民間損害保険会社が実施したインターネットによるアンケート調査によれば、本県の自転車損害賠償責任保険等の加入率は41.2%であり、全国平均と比較して約20ポイント低い状況にあります。 条例の施行により本年10月1日から保険等への加入が義務化されることに伴い、県では、これまで、広報啓発用ポスターやチラシを市町村、学校、自転車販売店等に配布したほか、広報イベントの開催や県広報テレビ番組の活用、新聞や市町村広報紙への掲載など、各種媒体を利用して啓発・周知に取り組んできたところです。 今後も、保険等への加入が一層進むよう、新たにウェブ広告の活用や、保険等取扱事業者と連携した広報や加入への働きかけに取り組むなど、自転車を利用する幅広い世代へのさらなる啓発・周知に努めてまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 6点お答え申し上げます。 本県の子育て支援予算額の現状についてでありますが、昨年度福井県が行った、保育環境や地域子育て支援など10項目に関する子育て予算に係る調査によりますと、本県の令和4年度の予算額は約20億円であり、これは、本県と人口規模が近い10県の中で6番目とほぼ中位となっております。 なお、このうち、保育人材の確保・保育の質の向上及び父親の家事・育児参加促進に係る予算額は、10県中第1位となっております。 引き続き、子供政策の推進に向け、安心して子育てできる環境の充実に努めてまいります。 次に、新型コロナワクチンの接種についてでありますが、国の指示の下、都道府県の協力により、市町村において実施するものとされ、県としては、広域的な視点で市町村を支援することが役割とされていることから、ワクチンの融通の調整、医療従事者のマッチング、ワクチンに関する正確な情報の広報啓発などにより市町村を支援してまいりました。 若年層の接種促進に向けては、SNSを活用した情報発信や接種の呼びかけなどを実施してきたほか、若年層の生活スタイルに即した時間帯や場所での接種の機会を設けるため、市町村に働きかけるとともに、県としてもワクチン接種加速化センターの大型ショッピングセンター内への設置などを行ってまいりました。 武田社ワクチンについては、本年5月から1回目、2回目及び3回目接種で用いることが可能となり、これまでに新潟市、長岡市及び佐渡市に接種センターを設置してきたところです。 こうした取組などにより、本県の接種率は若年層も含めて全国トップクラスとなっておりますが、多くの方から接種いただけるよう、引き続き取り組んでまいります。 次に、成人歯科健診の課題と取組についてでありますが、市町村が実施する歯周病検診は、令和2年では、27市町村が実施しており、実施市町村数が増加しているものの、受診率は10%と低い状況にあります。また、かかりつけ歯科医による定期健診を含めると受診率は増加傾向にあるものの、まだ50%程度にとどまっています。 県といたしましては、健康寿命の延伸に向け、定期的な歯科健診の呼びかけを重点的に行っており、今後も市町村や県歯科医師会等と連携し、かかりつけ歯科医の下での定期健診を含め、受診率向上につながるよう一層取り組んでまいりたいと考えております。 次に、AI救急相談アプリについてでありますが、本アプリは、急な体調不良などの際に気軽に救急相談ができ、受診の必要性や対処方法などを5段階で判定して情報提供を行うもので、県民の不安解消だけでなく、医療機関の負担軽減も目的としています。また、多くの方に使われているLINEから24時間いつでもすぐに利用でき、AIを活用した症状の入力サポートなどの機能により、幅広い年齢層の方が利用しやすいよう工夫したところです。 アプリの登録数は3,000件を超えており、20歳代から40歳代までの子育て世代の女性を中心に、幅広い年齢層で順調に増加しております。また、介護の現場でも活用したいという声もいただくなど、多くの県民から受け入れていただいていると認識しております。 県といたしましては、さらに使い勝手のよいものとなるよう、機能の改善なども随時行っていくとともに、さらなる利用拡大に向け、SNSを活用した広報、市町村や医師会などと連携した周知など、様々な機会を捉えて普及に努めてまいります。 次に、動物触れ合い活動についてでありますが、動物との触れ合いは、命を大切にする子供たちの心を育むとともに、人々の精神的な支えになるものと認識しています。 県といたしましては、一般社団法人新潟県動物愛護協会や、そこに参加している地域の動物愛護団体と連携して、学校や福祉施設等への動物ふれあい訪問活動の取組を進め、併せて情報発信をしているところです。 次に、県内における低出生体重児の実態及びにいがたリトルベビーハンドブックについてでありますが、本県における2,500グラム未満の低出生体重児は、令和2年で約1,200人、全出生数における割合の約10%となっております。 リトルベビーハンドブックは、小さく生まれたお子さんを育てる御家族を支えることを目的とし、母子健康手帳のサブブックとして作成するもので、本県においては、暫定版を医療機関や市町村を通じて対象者に向けて配布し、県のホームページにおいても周知しているところです。 県といたしましては、今後、暫定版を活用した御家族や、関係団体等の意見などを踏まえ、令和5年度での正式版の発行に向け準備を進めてまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) 3点についてお答えいたします。 住宅の耐震化の現状と今後の取組方針についてでありますが、令和2年度末の耐震化率は目標87%に対して85%でした。未達成の要因として、高齢者の耐震化への意向が低いことなどがあると認識しております。 現在、耐震改修促進計画の見直しを行っており、こうした課題や地震被害想定調査結果などを踏まえ、令和7年度末の耐震化率の目標を93%と定め、取組を進めてまいりたいと考えております。 県といたしましては、これまで耐震改修の促進に重点的に取り組んできましたが、今後は、これに加えて建て替えや住み替えの促進など耐震化率の向上に寄与する取組や、耐震シェルターなどの減災策についても、市町村や関係団体と連携しながら実施していくことで、一層の耐震化の推進に努めてまいります。 次に、液状化対策の現状と今後の取組についてでありますが、県では、これまでの知見に基づき、道路や下水道などの公共施設において液状化対策を進めてきたところです。 一方、新潟県地震被害想定調査では、液状化による建物被害が想定されており、住宅などの液状化対策に課題があることから、被害リスクを住民と行政が共有し、事前に備えることが重要と考えております。 県といたしましては、液状化被害と対策・対応への理解を促す情報などを住民へ周知していただけるよう、市町村に対し助言や情報提供を行ってまいります。 次に、危機管理型水位計の今後の取組についてでありますが、本県では、平成30年度に設置必要箇所を調査し、令和元年度から2年度にかけて、全ての必要箇所に対して危機管理型水位計を設置いたしました。 また、令和3年度には、市町村や消防、警察などの関係者に対して、水位計データのプッシュ配信を開始し、より効果的な運用となるよう改善したところです。 今後は、水位計の効果や設置位置の妥当性などの検証を継続し、必要に応じて、水位計の移設や新設を実施してまいります。   〔教育長佐野哲郎君登壇〕 ◎教育長(佐野哲郎君) 2点についてお答えいたします。 不登校の子供に対する動物触れ合い活動の活用についてでありますが、動物との触れ合いは、児童生徒にとって、命の大切さに気づき、生き物に親しみを持って接する取組であり、県内でも牛の飼育や乗馬体験などによって、優しさや思いやりを育んでいる学校での事例を把握しております。 不登校の子供を含め、児童生徒の心の成長を図る取組として、動物触れ合い活動の事例について、県立学校並びに市町村教育委員会と情報を共有し、活用を働きかけてまいります。 次に、学校看護師の確保に向けた対策についてでありますが、本年7月1日現在、県内の医療的ケア児の在籍する小中特別支援学校43校のうち、39校に63人の学校看護師が配置されていますが、小学校4校では未配置となっております。 県教育委員会といたしましては、医療的ケア児の在籍する全ての学校に学校看護師を配置できるよう、関係部局と連携し、パンフレットやホームページによる広報活動を進めるとともに、市町村教育委員会にもハローワークやナースセンターの求人・求職システムの利用を促すなど、学校看護師の確保に努めてまいります。   〔警察本部長村田達哉君登壇〕 ◎警察本部長(村田達哉君) お答えいたします。 県内における最近の特殊詐欺の認知・検挙状況や防止対策についてでありますが、本年6月末現在の県内における特殊詐欺の認知件数は85件で前年同期比プラス20件、被害金額は2億4,458万円で前年同期比プラス9,798万円となっております。 その特徴につきましては、認知件数85件のうち、高齢者の被害が64件で全体の75.3%を占め、手口別では、還付金詐欺が28件で前年同期比プラス24件、オレオレ詐欺が21件で前年同期比プラス17件とそれぞれ急増している状況にあります。 検挙状況につきましては、検挙件数は8件で前年同期比マイナス29件、検挙人員は6人で前年同期比マイナス3人となっております。 県警察が取り組んでいる防止対策につきましては、犯人からの電話を受けない対策として、企業・団体等と連携した防犯機能付電話機の普及促進、だまされないための対策として自治体、関係機関、団体等と連携した具体的な手口を説明する被害防止広報、だまされたとしても犯人に金を渡さない対策として金融機関等と連携した水際阻止等の抑止3本柱対策を推進しております。 また、特に急増する還付金詐欺対策として、金融機関等と連携し、ATM付近での携帯電話の通話は、しない、させない取組や窓口等における声かけなどの水際対策を強化し、本年6月末で107件、前年同期比でプラス30件の被害を水際で阻止しております。 県警察といたしましては、引き続き、最近の悪質・巧妙化する特殊詐欺の実態を的確に把握・分析し、各種対策を迅速に推進してまいりたいと考えております。 ○議長(佐藤純君) 市村浩二君の質問は終わりました。 次に、佐藤久雄君の発言を許します。佐藤久雄君。   〔佐藤久雄君登壇〕(拍手) ◆佐藤久雄君 無所属の佐藤久雄でございます。通告に従い、順次質問させていただきます。 第1に、副知事等のユネスコ訪問についてであります。 県は先月、パリのユネスコ本部で開かれた日本文化を紹介する展覧会、日本へのクリエイティブな旅展で、ユネスコ関係者にパネルや映像等で佐渡島の金山の文化遺産としての価値や魅力を発信するため、ブースを出展しました。 そこで、第1の質問であります。メディアによれば、初日の佐渡のブースでは鬼太鼓が披露されるなど、150人が集まったとのことであります。橋本副知事は、世界遺産登録に向けユネスコ関係者や各国大使等をターゲットに効果的なPRができると抱負を述べておられましたが、その後の各界の反応をどのように受け止めておられるか、知事御所見をお伺いいたします。 世界遺産委員会は昨年7月、韓国の強力な働きかけにより、明治日本の産業革命遺産の軍艦島で、朝鮮半島出身労働者に関する説明が不十分と決議をし、本年12月までの報告書の提出を求めております。 また、本年2月、韓国外務大臣、鄭義溶氏がユネスコのアズレ事務局長と会談し、佐渡島の金山は朝鮮半島出身者の強制労働の現場であるとの憂慮の念を強く表明したのに対し、アズレ事務局長はこれに理解を示し、また、軍艦島にも引き続き関心を持って努力すると応じております。 そこで、第2の質問であります。このように、韓国は旧政権下でユネスコに活発なロビー活動を行い、佐渡島の金山の世界文化遺産登録に異議を差し挟んでおります。尹大統領誕生により韓国のユネスコへの働きかけの潮流に変化が生じたか、このたびの橋本副知事のユネスコ訪問で受けた感触を含め、知事の御所見をお伺いいたします。 第2に、中国の空母増産計画と県内企業への影響についてであります。 本年6月、上海で中国国産の空母「福建」が進水しました。この「福建」は「遼寧」、「山東」に次ぐ3隻目の空母であります。 そこで、第1の質問であります。中国は5月、沖縄県沖の太平洋上で、空母「遼寧」が発着艦訓練を行っており、識者は今回の「福建」の進水で中国の台湾進攻の可能性が一段と高まったと見ております。最近では、ロシアのウクライナ侵攻もあり、中国が長年の懸案を一挙に片づける挙に出ないとも限りません。また、仮に中国の台湾進攻が現実となった場合、我が国も紛争当事国に転ずる可能性もなきにしもあらずと思料いたします。 本県から台湾や中国へ進出している企業に対し、県はいかなる対応策を考えるべきか、知事御所見をお伺いいたします。 中国政府は、南シナ海で、外国船舶の無害通航権を認めない内水を設定する動きを見せており、我が国政府はこれに異議を唱えております。 そこで、第2の質問であります。仮に「福建」等の空母の力を背景に、南シナ海の無害通航権を認めず、南シナ海を遮断した場合、県内輸出企業の被る年間の影響額はどのくらいに上るのか、知事御所見をお伺いいたします。 シカゴ大学元教授、故ハンス・モーゲンソーは国際政治の本質をバランス・オブ・パワーと説いております。現在、中国、ロシアは共同訓練を行っており、米国のプレゼンスの低下が否めません。 そこで、第3の質問であります。今回のロシアのウクライナ侵攻でザポリージャ原発が攻撃されたことから、原発も軍事攻撃の対象となり得ることを思い知らされました。我が国の日本海側に世界最大級の柏崎刈羽原発をはじめ11か所に原発が立地しております。中国の空母打撃群が日本海を北上すれば、テロのみならず戦争の脅威にもさらされます。 知事は、原発事故に関する3つの検証結果が示されない限り、原発再稼働の議論はしないと明言されておりますが、その前に県土の壊滅的な危険が存在する以上、原発事故に関する3つの検証結果を待つことなく、柏崎刈羽原発は再稼働させず、廃炉を国に進言すべきものと考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 第3に、福島原発事故避難者等の国の損害賠償を求めた集団訴訟と最高裁判決についてであります。 最高裁は先月、福島原発事故の避難者らが国に損害賠償を求めた集団訴訟で、国の賠償責任を認めない判決を下しました。この判決は、国による地震の規模や発生確率を予測した長期評価の信頼性に触れず、また、津波来襲を予見できたかの肝腎の部分に判断を示さないで、国を免責としました。 そこで、第1の質問であります。本県には世界最大級の柏崎刈羽原発があり、県には県民の生命、身体、財産を守る責務があり、決して対岸の火事ではあり得ず、その判決を他山の石とすべきであります。 知事は、柏崎刈羽原発の再稼働につき、知事選でも原発事故の検証結果と県技術委員会が行っている柏崎刈羽原発の安全性の確認も踏まえ、原発事故発生時には国の賠償責任の担保がない旨を県民に明確に提示すべきと思料いたしますが、知事の御所見をお伺いいたします。 最高裁判決では、裁判官4人のうち、3人が多数意見で1人が反対されました。反対された三浦裁判官は、長期評価を前提に国や東京電力が真摯な検討をしていれば、事故を回避できた可能性が高いと述べておられます。 そこで、第2の質問であります。県は、東京電力、柏崎市、刈羽村と安全協定を結んでおります。最高裁判決での三浦裁判官の意見にあるような長期評価を前提に真摯な検討を行う場は、国と東京電力だけでなく、本県等安全協定当事者間でも必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 津波堆積物調査の第一人者、理学博士、平川一臣氏は、三陸海岸で6,000年に6回の津波が押し寄せたと推定をしております。そして、東日本大震災を869年の貞観地震の再来との説を唱えております。 そこで、第3の質問であります。貞観地震発生時に、それと連動するかのように佐渡北方沖地震が起きております。平川博士は、5年に及ぶ佐渡での津波堆積物調査を踏まえ、貞観地震の再来と思われる東日本大震災が来襲したので、佐渡北方沖地震はいつ来てもおかしくないと警鐘を鳴らしております。 また、国は、本県には主要な断層帯が9つあり、その最たるものが長岡平野西縁断層帯と明らかにしております。 佐渡北方沖地震や長岡平野西縁地震が発生した場合、さらには、両者が連動した場合に、柏崎刈羽原発に与えるインパクトは計り知れないものとなるおそれがあると考えます。 県は、柏崎刈羽原発に与える影響を念頭に置き、長期評価を見直すことを国に要請すべきと考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 第4に、佐渡汽船についてであります。 尾渡社長は2023年12月の営業黒字を目指すとアグレッシブな目標を立て、各種割引制度を見直しております。島民には過度な見直しと受け止められる側面もあります。 そこで、第1の質問であります。乗用車航送料が2万3,000円から一挙に3万9,000円に引き上げられたことで、大幅な値上げに苦しんでいる利用者の声を多々聞きます。これでは、佐渡の産業経済に悪影響を与えかねず、佐渡汽船にとっても誤算となりかねません。これを避けるには激変緩和措置が必要であります。みちのりホールディングスが筆頭株主となり、県は少数株主となりましたが、株主提案権を行使し、佐渡汽船に激変緩和措置を取るよう提案していただきたいと考えますが、知事御所見をお伺いいたします。 「あかね」の後、小木-直江津航路にはジェットフォイルが就航しております。しかし、島民にはカーフェリーへの根強い要望があり、羽茂のおけさ柿年間約4,000トンは、約40キロの道のりを約1,000万円の横持ち料をかけ両津港まで転送を余儀なくされております。また、同航路を使っていた産業廃棄物も両津港へ転送しております。 そこで、第2の質問であります。小木-直江津航路は単に佐渡汽船の問題にとどまらず、佐渡の産業経済全般に大きな影響を与える問題であります。県は、行政としてこの現状をどのように捉え、どのような対策を取るべきと考えるか、知事御所見をお伺いいたします。 北陸新幹線は現在、上越妙高駅に速達型が停車しておりません。その結果、主に関西、中部経済圏からの来島客には不便をかけているものと思われます。 そこで、第3の質問であります。佐渡島の金山の世界遺産登録の実現は、解決すべき問題はあるにせよ、最短で来年6月であります。漸増する観光客の利便性を確保するためにも、上越妙高駅での速達型の停車は焦眉の急と考えます。その進捗状況と可能性につき、知事の御所見をお伺いいたします。 北陸新幹線で新潟と関西経済圏等を結ぶことで、本県の経済活動の範囲が広がり、県土のますますの発展が期待されます。ひいては、佐渡島の金山の世界遺産登録が実現すれば、小木-直江津航路の黒字化にも貢献すると思われます。 そこで、第4の質問であります。北陸新幹線の敦賀以西への延伸は県経済の発展に大きく寄与すると考えられますので、県は積極推進すべきと考えますが、その進捗状況を知事にお伺いいたします。 加えて、南海トラフ地震に対し、太平洋側の代替ルートとして期待される敦賀以西への延伸は焦眉の急と考えますが、併せて知事の御所見をお伺いいたします。 第5に、和幸船舶による赤泊-寺泊航路の復活についてであります。 平成31年5月1日、佐渡汽船は赤泊-寺泊航路を廃止しました。赤泊地区には、かつては釣り客も多く、遊漁船や民宿もにぎわっておりました。佐渡汽船の同航路の廃止は、今や地域経済に大きな影響を与えております。 このような環境下、和幸船舶は、昨年来、約半年間、赤泊港にその所有船、粟国丸を係留していたため、赤泊地区を中心に同航路の再開を望む声が日増しに高まってまいりました。 また、同航路は新潟-佐渡間46キロと最短で、貨物輸送に最適であります。 佐渡汽船の貨物輸送との競合の可能性が懸念されるものの、和幸船舶は同航路への就航を望んでおり、地域住民の要望も考慮し、和幸船舶の同航路への参入は地域経済活性化のために不可欠と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。 第6に、トキエアについてであります。 トキエアは当初の予定では、新潟を起点に丘珠、仙台、愛知、関西の4航空路を本年夏、そして、新潟-佐渡-東京地区の航空路を来年以降に開設、供用を予定しておりました。佐渡島の金山の世界遺産登録の実現は、解決すべき問題があるにせよ、最短で来年の6月であります。新規航空路の開設の手続は支障なく予定どおり進んでいるか、その進捗状況をお伺いいたします。 特に、羽田枠の取得については、昨年12月定例会での私の質問に対し、知事は、佐渡-東京地区の航空路の開設は、県民の利便性向上に資することから、県としましては、これまで同様、最大限協力してまいりますと知事御答弁をいただいておりますが、許認可関係等がスムーズに進んでいるか、併せて知事にお伺いをいたします。 第7に、人口減少問題についてであります。 知事は、さきの知事選で、自然減を止めるのは難しいが、社会減を抑えることはできると述べておられます。これを伺う限り、知事は自然減対策を諦めたのかと疑わざるを得ません。 そこで、第1の質問であります。2021年の自然減は1万8,000人、これに対し社会減は6,000人であります。桁が違います。自然減は社会減の3倍であります。大局的な見地に立ち、立ち向かうべきは自然減対策であります。 政府が6月に閣議決定した2022年版男女共同参画白書によれば、婚姻歴のない30代の独身者は、男女とも4人に1人が結婚願望なしであります。特に、男性は経済力がない・仕事が不安定がその主因であります。 1985年のプラザ合意で急激な円高が進み、多くの輸出産業が海外移転した結果、国内では産業の空洞化が進み、職業選択の幅が狭まりました。さらに、約30年のデフレ経済で非正規雇用等が拡大し、給与が上がらず、足踏み状態が続きました。このような社会経済の中で、若者は自信を喪失し、家庭を営む意欲を失ったと考えます。 しかし、過去には人口減少問題を克服した歴史的事例があります。米沢藩主上杉鷹山は、飢饉で離散する領民対策として、養蚕をはじめとする殖産興業を行い、越後から縮み織り職人を呼ぶなど現代版企業誘致を行っております。また、今日でいう出産一時金も支給しております。時代が変わりましても打つ手は同じであります。 そこで、私は、人口減少対策はすなわち産業対策と考えます。県内に産業が育ち、若者が将来展望を持てるしっかりとした生活基盤があれば、県内にとどまり家庭を持つ可能性が高いと考えます。また、そうであればU・Iターン者を吸収する余力も出てきます。私は、社会減と自然減への対応は一体不可分であり、両輪で取り組む必要があると考えます。過去の歴史的事例から戦略的な人口減少対策を学ぶとしたら何か、知事の御所見をお伺いいたします。 厚生労働省が3月に発表した2021年の賃金構造基本統計調査では、フルタイムで働く人の平均給与は本県が27万2,100円で全国30位であります。これは、石川、長野、福井、富山といった北信越各県よりも低く、東京の36万4,200円と比べ約9万円低くなっております。 そこで、第2の質問であります。本県の賃金水準が首都圏に比較し格差が大きければ大きいほど、社会減を狭めるには限界があります。約30年に及ぶデフレや、コロナ禍での産業経済の停滞は全国共通の問題でありますけれども、本県は99%が中小零細企業という本県特有の産業構造の中で、社会減を止めるほどの賃金格差を埋めるには、いかなる効果的な手を打つべきか、知事御所見をお伺いいたします。 総務省の2021年人口移動報告によると、男性よりも女性が多く転出超過となっているのは、本県など31道県であります。希望の仕事を求める若い女性の転出が増え、男性の未婚率をより押し上げているとの指摘があります。 そこで、第3の質問であります。政府は2020年5月、第4次少子化社会対策大綱を閣議決定し、少子化の主因は未婚化、晩婚化であり、その背景には個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む要因があることから、若い世代が将来に展望を持てる雇用環境を改善することを打ち出しております。若者が将来展望を描ける雇用環境整備とは、何をどのように考え、県はいかなる具体策を講じていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。 第8に、県内総生産の落ち込みと産業政策についてであります。 さきの知事選で花角知事は、ITはじめ90社の起業・創業があったと訴えておられます。しかし、現実にはこれと真逆な実像を指摘せざるを得ません。国税庁によれば、本県で2020年に確定申告をした事業所数は3万7,764社で、2011年度の3万9,466社から4.3%減少し、この10年間の増減率は全国最下位であります。しかも、この10年間は景気拡大局面で、39都道府県では事業所数は増加しておりますが、本県はその波に乗れず、逆走したことになります。さらに、新潟県総合計画に対する県評価委員会は中間評価で起業・創業の推進が遅れていると厳しく評価をしております。 そこで、第1の質問であります。知事が知事選の最中にITを中心に90社の起業・創業があったと訴えたことを、単なる政治的プロパガンダに終わらせないためには、県経済の活性化に向けた実効性のある事業承継策の強化と開業率の向上が必要であると考えますが、知事の具体策をお伺いいたします。 1998年の本県の総生産高は9兆7,757億円で、これをピークに四半世紀の間これに及ばない年が続きました。平成元年と平成30年を比較しますと、本県の伸び率は27%で、近隣8県で最低水準を記録しております。 元新潟大学教授の田村秀氏は、県がしっかりと取り組むべきは産業政策と指摘し、燕三条や長岡を挙げ、地域の産業構造を踏まえ、根づき得る産業を育てるべきで、新しい産業という掛け声の下で、航空機産業、環境、医療など根づかない分野にばかり目が行ってしまったと指摘されております。 そこで、第2の質問であります。田村秀氏の指摘を是として、地域の産業構造を踏まえ、地域に根づき得る産業を育てるとしたら、いかなる産業が考えられ得るか、知事御所見をお伺いいたします。 また、宮城、群馬等の成長の著しい他県に学び得る何かがあるとしたらそれは何か、知事の御所見をお伺いいたします。 1966年から2016年までの50年間の本県産業は、製造業が1972年から1991年まで2万4,000社から2万2,000社を維持するも、1996年以降は減少傾向を見せ、直近の2016年は約1万2,000社と半減をしております。これは、1985年のプラザ合意の円高傾向によるものと考えられ、他方、非製造業は1981年から1999年まで12万社を維持するも、2016年には10万社となりましたが、これはデフレ経済によるものと考えられます。 そこで、本項目第3の質問であります。本県は、知事がさきの知事選でアピールしたIT企業を中心に90社の起業・創業があった裏に、年間約1,000社内外の休廃業があり、本県産業の99.9%を占める中小零細企業の約6割が後継者難という厳しい現実があります。 他方、知事は、地方分散の流れの中で、選ばれる新潟となるよう全力を注ぐと表明をされております。しかし、現実は、東京を除く関東甲信越9県では、転出超過から転入超過に転じたり、転出超過が大きく減る中で、本県だけが地方分散の波に乗り切れておりません。 現今の産業構造の実態から、本県が地方分散を取り込んでいくのは、このままでは、百年河清を待つに等しいと思われますが、本県経済の発展に向け、地方分散の流れを取り込むにはどうすべきか、知事の御所見をお伺いいたします。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤久雄議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、ユネスコ本部で開かれた展覧会での佐渡島の金山のPRについてでありますが、展覧会では、坑道での金採掘の様子などを描いた江戸時代の絵巻物、鉱山文化として育まれた能や鬼太鼓の衣装などの展示のほか、動画や写真を活用した解説を行い、文化遺産としての価値を多くのユネスコ関係者に対して直接PRすることができました。 来場者からは、当時の金生産の仕組みがよく理解できた、佐渡に行ってみたいなどの反応があったと聞いており、佐渡島の金山への関心を高め、理解を深めていただけたものと受け止めております。 次に、韓国のユネスコに対する働きかけの変化についてでありますが、今回の訪問は、ユネスコ関係者等を対象に、佐渡島の金山の文化遺産としての価値を直接PRし、国際的な理解の促進を目的としたものであります。 したがいまして、議員お尋ねの件については、情報を持ち合わせておりませんけれども、今ほど申し上げたとおり、御来場いただいた方々に、佐渡島の金山への関心を高め、理解を深めていただけたものと思っております。 次に、中国の空母増産計画と県内企業への影響等についてお答えいたします。 まず、海外で有事が生じた場合の現地進出企業への対応についてでありますが、有事の際、海外で生命・身体が危険にさらされている日本人を保護することは、国の役割であり、国が適切に対応するものと認識しております。 次に、南シナ海の遮断による県内輸出企業の影響額についてでありますが、一般論として県内輸出企業が利用する輸送手段は様々であり、特定の地域における有事の際に影響を受ける可能性がある貨物量や費用、その代替手段を特定して、海上・航空運賃のほか陸路の輸送料や倉庫保管料等の関連費用も含めた年間の影響額を算定することは非常に困難であります。いずれにいたしましても、仮に議員御指摘のような状況となった場合には、東南アジアや中東等への輸出を行っている企業への影響は避けられないものと考えております。 次に、柏崎刈羽原発の廃炉を国に進言すべきという御意見についてでありますが、廃炉の議論は再稼働と背中合わせの議論であります。柏崎刈羽原発の再稼働については、原発事故に関する3つの検証の結果が示された後に議論を始めたいと考えております。 次に、福島避難者等の国の損害賠償を求めた集団訴訟と最高裁判決についてお答えをします。 まず、福島原発事故に関する最高裁判決についてでありますが、県は当事者ではなく、責任を持って情報を収集し分析する立場にはないことから、発言は差し控えさせていただきます。 次に、国の地震調査研究推進本部が公表している地震の規模や発生確率を予測した長期評価を踏まえた原発の安全性に関する検討についてでありますが、原発の安全規制については、法に基づき原子力規制委員会が一元的に権限と責任を有しております。 県といたしましては、原子力規制委員会における柏崎刈羽原発に関する審査内容に疑問が残る点について、安全協定に基づき設置している技術委員会などで確認をしてまいります。 次に、長期評価を踏まえた柏崎刈羽原発の安全性についてでありますが、柏崎刈羽原発6、7号機の設置変更許可に関する国の審査において、発電所周辺の活断層について、長期評価をはじめ最新の知見を発生確率の大小を問わず考慮するとともに、近接する断層で傾斜方向など状況が似ているもの等を連動させた場合の地震の評価も行い、耐震安全性が確保できることが確認されていると承知しています。 また、原子力規制委員会では、新たな知見を踏まえた評価を適宜行っていると承知しております。 先ほど申し上げたとおり、原発の安全規制については、法に基づき原子力規制委員会が一元的に権限と責任を有しております。 原子力規制委員会には、真に国民の信頼が得られるよう、引き続き厳格かつ適切に対応していただきたいと考えております。 次に、佐渡汽船についてお答えします。 まず、乗用車航送料の値上げについてでありますが、議員御指摘の値上げは、昨年5月、佐渡汽船が経営改善の一環として掲げ、地元市とも協議の上、実施に踏み切ったものであり、その後佐渡汽船の経営主体となった、みちのりホールディングスが引き継いでいるものであります。 こうした経緯はあるものの、議員の激変緩和措置を求める御提案につきましては、佐渡汽船に伝えてまいりたいと考えております。 次に、小木-直江津航路の課題と対応についてでありますが、課題につきましては、議員御指摘のとおりであります。これに対して、佐渡汽船からは、中古船のカーフェリー導入を検討していると伺っています。 県といたしましては、佐渡汽船が経営再建の途上にあることから、導入した場合の収支について、しっかり確認してまいりたいと考えております。 次に、北陸新幹線速達型の上越妙高駅停車についてでありますが、JRに対し、具体的なダイヤを提示しながら、要望を行ってきているものの、JRからは一貫して乗降客の増加を求められているところです。 このため、県といたしましては、北陸新幹線の敦賀延伸や佐渡島の金山の世界遺産登録の機会も見据え、改めて、沿線市等と共に利用促進に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、北陸新幹線の延伸についてでありますが、北陸新幹線の関西経済圏までの開通は、議員御指摘のとおり、本県経済の発展に寄与するだけでなく、太平洋側の代替ルートとしても重要なことから、沿線都府県と連携しながら、大阪までの令和12年度までの全線整備を、国等へ要望しているところであります。 次に、和幸船舶による赤泊-寺泊航路の復活についてお答えをします。 和幸船舶の参入についてでありますが、一般論としては、航路の選択肢が増えることにより、利用者の利便性が向上し、地域の活性化につながるものと考えております。 次に、トキエアについてお答えをします。 新規航空路の開設手続の進捗等についてでありますが、トキエアからは、航空運送事業許可の申請に向けた最終段階にあると伺っており、この中に、今後の就航計画も含まれることから、申請内容が固まり次第、トキエアから伺うことにしています。 なお、佐渡-東京地区の航空路の就航に向けても、まずは、トキエアができる限り早期に航空運送事業許可を取得する必要があると考えています。 次に、人口減少問題についてお答えをします。 まず、戦略的な人口減少対策についてでありますが、上杉鷹山公は、藩政改革の中で、殖産興業を推進するとともに、移住推進や早婚の奨励、養育に係る手当金の支給等に取り組み、藩の再生のきっかけをつくったと承知しています。 議員御指摘のとおり、人口減少対策は、社会減と自然減への対応を一体として行うことが重要と認識しています。 県といたしましても、起業・創業の推進や企業誘致、県内産業の活性化などにより、魅力ある良質な雇用の場の創出を図るとともに、結婚から出産、子育てまでの希望をかなえる切れ目のない支援を一体的に進めることで、県内外の多くの方から新潟を選んでいただけるよう取り組んでまいります。 次に、賃金格差の改善に向けた施策についてでありますが、賃金水準は、就職先を選択する際に重視される項目の一つであり、若者や女性に働く場として選ばれる新潟を実現するためには、その水準を引き上げ、首都圏との格差を改善することが重要であると考えております。 そのためには、分配の原資となる企業収益の拡大が必要であることから、県といたしましては、県内産業のデジタル化を推進するとともに、起業・創業や新事業展開など意欲ある企業の挑戦や成長分野への参入をしっかりと後押ししてまいります。 次に、若者が将来展望を描ける雇用環境整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県では、進学や就職を契機とした若者の転出超過や、未婚化・晩婚化の進展が人口減少の大きな要因になっております。 このため、若者、特に女性に選ばれる魅力ある良質な働く場を確保しながら、安心して仕事と育児を両立できる、魅力ある雇用環境の整備が重要であると考えております。 県といたしましては、IT企業など若者に選ばれる企業の誘致を進めるとともに、働き方改革を推進するため、専門家による伴走型支援、男性の育児休業取得に対する助成などを実施するほか、仕事と育児の両立にも有効であるテレワークの普及に努めているところであります。 引き続き、若い世代から働く場として選ばれるよう、魅力ある職場の創出にしっかりと取り組んでまいります。 次に、県内総生産の落ち込みと産業政策についてお答えします。 まず、事業承継の強化と開業率の向上についてでありますが、地域経済を支える企業の円滑な事業承継に対する支援と、地域にとって魅力ある多様な雇用の創出につながる起業・創業の促進との両面で、しっかりと取り組み、本県経済の活性化につなげていくことが重要であると認識しています。 そのため、県では、事業承継の推進に向けて、国や商工団体等による事業承継ネットワークを通じて、M&Aを含む第三者承継や、後継者不在の事業者と起業家とのマッチングなどの支援を行っているところであり、今後も、関係機関と連携しながら、支援の拡充に努めてまいります。 また、開業率の向上については、県内8か所の民間スタートアップ拠点の整備や、新潟ベンチャー協会の設立など、取組の成果が徐々に出始めており、引き続き、産学官金の連携を強化するとともに、新たな資金支援の実施など、起業しやすい環境の整備や支援体制の充実に取り組んでまいります。 次に、産業政策についてでありますが、今年度、県では、2030年を見据えた中期的な戦略やシナリオとして、にいがた産業ビジョンを策定することとしております。 議員御指摘の地域の産業構造を踏まえた成長産業の育成や、半導体や自動車関連大企業の誘致などで成長を遂げた他県の事例についても、ビジョンを策定する中で十分に検討してまいります。 次に、地方分散の流れの取り込みについてでありますが、本県が働く場として若者に選ばれるためには、県内企業の魅力向上と効果的な情報発信に官民一体となって取り組む必要があると考えております。 県といたしましては、今年度、首都圏相談窓口の体制を強化し、本県出身者を中心とした新規学卒者に対して、大学を通じた積極的な働きかけを行うとともに、県内企業の採用力向上に向けた支援や、官民連携による県内就職促進のプロジェクトを展開することにより、県外学生への訴求力を一層高めてまいります。 あわせて、働き方改革や企業誘致、起業・創業の推進により、若者に魅力のある雇用の場を創出することで、地方分散の流れを取り込んでまいりたいと考えております。   〔佐藤久雄君登壇〕 ◆佐藤久雄君 再質問をさせていただきます。 2番目の中国の空母増産計画、これにつきまして、異論はあるとは思うのですけれども、少なくとも台湾、中国におのおのどれくらいの企業が進出していて、何人ぐらい新潟県民が行っているのか、それは把握されているとは思うのですけれども、その現状をお伺いいたします。 それから、2点目に、福島原発事故避難者等の国の損害賠償を求めた集団訴訟につきましては、差し控えるという御答弁がありました。恐らくそういう答弁になるのではないのかと思い、私も、この判決は決して対岸の火事ではあり得ず、この判決を他山の石とすべきではないか、とあえて申し上げております。 ですから、県民は国の損害賠償の担保があると、まさか、よもやこういう判決が出るとは思っていなかったと思うのです。ですから、そういうことを示した上で、私は信を問われるなら信を問うべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。 ○議長(佐藤純君) 佐藤久雄君に申し上げます。最初の質問ですが、これは再質問でありますので、今の最初の中国の企業数等の質問というのはされていませんよね。ですので、この質問は再質問には値しないというふうに議長は判断します。 ◆佐藤久雄君 (続) ちょっとおっしゃっていることがよく分からないのですけれども。 ○議長(佐藤純君) いやいや、こちらもよく分からないですけれども。最初のあなたの質問、中国の企業数等の再質問ということになっておりますけれども、これは再質問ですので、最初の佐藤久雄君の質問には企業数云々の話は出ておりませんよね。これは再質問として認めませんので、2つ目の質問を知事から答弁をしていただきます。 ◆佐藤久雄君 (続) 了解いたしました。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 佐藤久雄議員の再質問にお答えいたします。 福島原発事故避難者等の国の損害賠償を求めた集団訴訟の最高裁判決についてでありますが、先ほど私がお答えしたのは、判決の評価、解釈ということについては、県は当事者ではなく、責任を持って情報を収集し分析する立場にはないことから、発言は差し控えたいというふうに申し上げましたけれども、他山の石とすべきであるとする、その判決のどの部分を他山の石というふうに表現されておられるのか分かりませんが、いずれにしましても、再稼働の議論は、検証の結果が出てから始めたいと思っております。   〔佐藤久雄君登壇〕 ◆佐藤久雄君 やはり県民に信を問うとおっしゃっているわけでありますから、それを他山の石とすべきと私は提案をしております。 決して新潟県民はこの判決に無関係ではないわけでして、最高裁の判例が出たからには、判例ですから、あらゆる場面にも妥当すると、このように私は思っております。 新潟県民が国の補償があると思っていたら、いや、国の補償はありませんというのでは、花角知事が県民に信を問うと言っても、その前提が崩れていると思うのです。その点は決して人ごとではなくて、新潟県民そのものです。判例ですから、あらゆる場面に妥当するわけです。ですから、新潟県民の皆さんが知事のおっしゃることを信用して、国がそう言うのならばと思うかもしれませんけれども、こういう判決が出ている限り、県民としてはそれを知らなければいけないと私は思います。 ○議長(佐藤純君) 佐藤久雄君に申し上げます。今のこの再々質問というのは、これは質問でしょうか、それとも提案ということでよろしいのでしょうか。 ◆佐藤久雄君 (続) 質問です。 ○議長(佐藤純君) これは質問というふうに捉えられないと思うのですが。もう再々質問は終わっていますので。議長としては、これは再々質問としては認められない再々質問でありますので、これは知事の答弁を求めるに値しない再々質問と判断をいたします。よろしいですね。 佐藤久雄君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― △日程第5 新潟県議会議員定数問題等協議会の解消 ○議長(佐藤純君) 日程第5、新潟県議会議員定数問題等協議会の解消についてを議題といたします。 お諮りいたします。 新潟県議会議員定数問題等協議会は、その設置目的を達成しましたことから、解消いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 議案審査等のため、明7月20日から7月22日まで及び7月25日から7月29日までの8日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、7月23日、7月24日、7月30日及び7月31日は、休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) お諮りいたします。 次会は、8月1日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(佐藤純君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(佐藤純君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時15分散会...